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大変ご無沙汰してしまいました。

長文を書くことを怠け、140字の安楽(Twitterのこと)に身を委ねる癖がつくうち、すっかりブログから遠ざかってしまっておりました。

今日は大切なお知らせがあり、気がつけば半年以上ぶりにブログにログインする次第です。

さてさて、コロナ禍がおさまらず、すっかり不自由な日々が「あたりまえ」になるなか、行動は大幅に制限され、万が一のことを考えるとなかなか以前のようにはあちこち出向くこともできず、住まいのある埼玉とせいぜい隣の東京から出ることもなく三年が経とうとしております。一度だけ横浜美術館に行ったけど。

そんななか、いままで『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナ木を植える』、『パレスチナのちいさないとなみ』(皆川万葉さんとの共著)を一緒に生み出してくれた編集者のAさんから「いままでも、パレスチナ問題を知らない、よくわからないと感じる人にこそ手に取ってもらえるような本をつくろうと一緒に本をつくってきたけど、いままで以上に、もっと幅広く手に取ってもらえるような写真絵本をつくろう」(要約)という提案をいただきました。

ガザへの空爆があれば、一時的には報道され注目もされるけれど、空爆や軍事攻撃が終わってもガザ地区への封鎖は続き、人びとの日常の困難は変わらず、また西岸地区やイスラエル国内で暮らすパレスチナ人への抑圧や人権侵害や占領状態に目を向けられることは、多くはありません。でも、この「目も向けられないあいだ」の日常的な苦しみが取り除かれない限り、なにも解決しません。

そんな思いを常に抱えながら、なんとかパレスチナの人びとのことを、彼らが抱える喜びも苦しみもひっくるめて、知ってもらえないか、感じてもらえないかと本をつくり、自分なりに懸命に発信しているつもりですが、なかなかそれが「目に見えた結果」につながることはありません。でも、へこたれずに続けていくしかありません。誰に頼まれたわけでもない、自分が決めた「道」だから。

というわけで、Aさんの提案をもとに、誰を主人公にしようか、どういう話にしようかと、頭を悩ませていたところ、その話を進める場に同席してくれた友人のひとことがキッカケになり、最愛のママとマハのことを書こうとひらめきました。ママはわたしの「パレスチナのお母さん」、マハはわたしの一番のパレスチナ人の親友で「パレスチナのお姉さん」。大好きなひとはたくさんいるけれど、ママと(彼女の配偶者のパパと)マハは特別に特別なひとです。

刊行は来年一月の予定。

どうかお近くの書店やお気に入りの行きつけの書店にてご予約いただければと思います。
(取次と呼ばれる問屋さんとの取引のある書店なら、日本全国どこの書店でもご予約可能です)

「本が売れない」と言われて久しいですが、わたしは元書店員のひとりとして、町の本屋さんを応援しています、というか、自分が暮らす町、働く町で書店がなかったら、悲しすぎます。わたし自身はものすごい本好きで、エンゲル係数ならぬ本ゲル係数が高すぎ、生活費以外の稼ぎのほとんどは本に消えるというバランスの悪すぎる生活を送っています。そしていわゆる積読本の在庫は部屋を埋め尽くし、居住スペースを圧迫し、どう考えても人生の終わりまでに読み切れない数の本が積んであります。常に、床が抜ける心配をする人生です。(うんうん、と笑ってくれたひと、同志だー)

個人的な思い出になりますが、コロナ禍でスーパーマーケットや薬局以外の多くの店が閉まってしまったとき、地域の図書館すらも閉館になりました。大型の店舗のなかにある書店はどこも閉まってしまったなか、最寄りの駅前の小さな書店だけは、ずっとお店を開け続けていらっしゃいました。どこもかしこも閉まっていて、真っ暗になってしまった町のなかで、本屋さんの灯りがともっていたことの心強さとあたたかさ、わたしは一生忘れません。それ以来、できるだけその書店で本を買うようにしています。感謝の気持ちを示すために、これからもずっとその灯を消さないでいてほしいから。

書店は本当に「薄利多売」の商いです。確かにネットで注文して自宅まで届けてくれるのは便利に違いないけれど、ほしい本が特になくても、ふらりと立ち寄って、思わぬ本との出会いがある、そんな時間がわたしは好きで、大切に思っています。

長くなりましたが、そんな出会いの時間をひとりでも多くの方に持ってもらえると嬉しいし、そんなわけで、町の本屋さんで予約して購入してもらえたら、なお嬉しいです。

版元のかもがわ出版のページ
かもがわ出版|パレスチナに生きるふたり ママとマハ (kamogawa.co.jp)

版元ドットコムのページ
パレスチナに生きるふたり ママとマハ 高橋 美香(著/文 | 写真) - かもがわ出版 | 版元ドットコム (hanmoto.com)

みなさまのご予約を心よりお待ちしております。