世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2007年11月

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最近スエズ続きです。よく行って、よく撮っていたんだなあと改めて感じます。

このおやじは店先(工場先?)に段ボールを敷いて地べたに座って煙草を吸っていたので、その姿が妙に目にとまってしまいました。聞けば自転車の修理屋を営んでいるとのことで、隣の店のおやじとお茶を飲もうと思って誘いに来たら、隣のおやじが仕事中なので座って待ってる、とのこと。

柔和な微笑みと、夕方の優しい陽の光が絶妙にマッチしていて、自分の中ではとても印象的な写真となりました。

おやじ、元気かなあ?

もし、今訪ねて行っても、同じ場所で同じように微笑んでいるような気がするのは、私だけでしょうか?

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今日は久々にパンクライブに行ってきた!
カメラや旅費の為に夏あたりから自粛気味だったのだが、どうしても行きたいバンドの来日で解禁。
このバンドは、なかなか浪花節を地で行ってるアメリカのバンドで、アメリカ人の大好きなリアリティショウ番組で無理難題を吹っ掛けられながらもそれをクリアしていき、勝ち残って賞金を得てアルバムをレコーディングしたという。番組の途中では得体の知れない液体を飲まされたり、得体の知れない虫を食べさせられたり…本当に病気になり、入院しながらも勝ち残ったというど根性。若いのに根性が据わっている。「アホくさい」と一言で片づける事も出来るんだけど、そこまでして伝えたい思い(音楽)に対する気持ちを、私は正面から受け止めた。こういう不器用でも必死なバンド、大好きだ。
ライブの間も、みんなに対する感謝をゆっくりと噛みしめるように伝えながら、全力で演奏していった。
ああ、愛すべきパンク小僧。最高のライブだった~。

さて、本題。

山の上の集落に暮らす「はにかみくん」は毎日1時間かけて学校に通って来る。
言葉数も少ないし、他の子のように大笑いや高笑いもしない。いつも静かにはにかんだ微笑みをする。
ぱっと見は、笑ってるのかどうかも分からない微笑みだ。でも、目を見ればわかる。
不思議と存在感のある子である。

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唐突ですが、真剣に働く姿って美しいですよね。
そして、真剣に働いた後、ホッとくつろぐ表情も美しいです。

そんなことを感じたのは、エジプトはタンタの豆や穀類の焙煎?工場でした。農業に詳しいわけでなく、はっきりと業種は定かではないのですが、小さな工場内は豆などの香ばしい香りがしていたことは確かです。
高温の炉の中に豆類を入れてかき回す係、ふるいをかけたり、気を抜けず汗だくで仕事をしています。散歩の途中に何気なく興味を引かれ、図々しくも立ち入ったのですが、いやな顔ひとつされず「もうすぐ休憩時間だから待ってな。お茶を入れるよ」と、お茶までご馳走になりました。

仕事中の真剣な顔、休憩中の寛いだ顔、どちらも素敵な表情です。

エジプトの遺跡よりも、こんなシーンが好きな私です。

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エジプトはスエズのお話をもう少々。

スエズ運河も見終わったし、魚もたらふく食べたし、何をするでもなく街をぶらついていました。まあ、それこそが本来の私の旅の目的なのですが。

街角に、制服警察と私服警察のおやじのコンビが座っていました。
日本の警察と違って、警察と言えども普通のエジプトおやじ並にフレンドリーなので、挨拶を交わしただけで、もうニコニコです。
「こんにちは」
「ああ、こんにちは。日本人?旅行?」
「はい、カイロで勉強中ですが、学校が休みなので旅行に来ました」
「スエズはどうだい?海もきれい、人も穏やか、いいところだろう?」
「人の穏やかさが何といっても最高ですね。何度も来ているんですが、来るたびに楽しい出会いがあります」
「そうか、良かった。お茶でも飲んで行きなさい」
近所のお茶屋に、お茶の出前を頼んでくれ、しばらく草の根国際交流を?楽しみました。

港町のせいか、結構色々な国籍の人がスエズには住んでいるとポリスのおじさん。
「この近所にも一人フィリピンから来てる青年が居るんだよ。同じアジア人だ、彼も会ったら喜ぶんじゃないか?」
と、早速そのフィリピン人の彼を呼びに行ってくれました。
同じアジアと言えども、日本とフィリピンがそんなに近い訳でもなく、対面した我々日本人とフィリピン人はお互いに戸惑い顔でしたが、おじさんの親切心に二人で笑いました。

そして、お別れの時間になりました。写真を撮らせてもらい、お礼を言って立ち去りました。振り向くと、いつまでもいつまでもあの笑顔で手を振ってくれていました。

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昔の日本でもそうだったと思うのですが、エジプトの子供もよく小さい弟や妹の面倒を見ます。
この子達にもタンタの街角で出会いました。
小さい子が、さらに小さい子の手を引いて、だっこをして、お姉さんらしく振舞っているのは本当に健気でかわいらしい姿です!
今頃、きっと大きくなっているんだろうなあ。
いつか、写真を届けに行きたいと思っています。

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