世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2009年04月

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ニュース番組で、まだ豚インフルエンザの感染者の出ていないエジプト政府が「外国人食肉向けに飼育している35万頭の豚を砂漠の無人地帯に移す」→「やはり、これらの豚を全頭処分する」と発表し、その声明に眉をあげながら「政府は初めていいことをした」なんて答えるカイロっ子のインタビューを観ていて、ああ実にエジプトらしいな…と、笑いがこみ上げてきた。

豚肉はイスラームではハラーム(禁忌)でイスラム教徒は豚肉を食べない。一説には、イスラームが広まる以前に十分に火を通さないで食べた豚肉による疫病が流行ったことが原因と言われている。確かに砂漠の宗教であるイスラーム、この地域で十分な燃料を確保することは、その時代には至難の業。当時はとても理にかなったものだったに違いない。そして、今でもイスラム教徒は絶対に豚肉は口にしないし、エジプトなどでは一般的に売られてもいない。

エジプトに留学している間に、一度も豚肉を食べられなかったワタシは、かつては西の育ち(一般的に西ではあまり豚肉を食べないんですよ。東京で肉うどんの肉が豚肉ですっげー驚いたし。トンカツ以外のメニューで食卓に豚肉が載ることは稀だったなあ)ゆえに、豚肉を食べられないことに何の渇望感も感じなかったけれど、さすがに1年も経ってくるとトンカツが食べたい、チャーシューが食べたい…。遂にはトンカツの夢まで見た始末(笑)。でも、これは貧乏学生ゆえ。ちゃあんと駐在員やお金に余裕のある外国人向けレストランなどにエジプトでも豚肉を供給していたわけ。

このたび、その豚たちが大量処分されると言う。多分大半の国民の「穢れたブタなんか飼ったり、食べたりしているバチが当たったんだ!」との深層心理や感情を意識しての措置なのだろう。インタビューに答えていた人のコメントにも如実にそれが現われている。「ブタのことなんて話したくもない」と言った表情とともに。

それにしても、エジプト政府のこの対応の素早さ。よほど支持率が下がっているのか、よほど舵取りが危ういのか…。何はともあれ、国民に突き上げをくらう前に先手必勝。この件を議題にのぼらせたエジプトの国会議員さんってのも…。

もう、すべてが実にエジプトらしくて、一人で笑ってしまったのである。

写真は、街中にある一般的な肉屋。97年ごろのアスワンでの写真。もっとも、売っている肉は羊・牛・鶏が中心。

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札幌に行ったことなど遠い昔のよう。

社会復帰も三日目の今日は、ようやく仕事のコツが掴め始め、暗号解きのような仕事もようやく軌道に乗ってきた。あまりに理解に乏しい顔をして作業しているワタシタチの姿を見兼ねて、初日に研修で説明をした人より上の立場の人が改めて今日説明をし直して下さった。「なんだ、そういうことだったのかあ」「なるほど、そこを見ればいいんだ」等々の声が上がりまくり。最初から、説明の上手い人が研修をすればいいのに…。お互いにボソボソとそんなことを言い合う。教え方が違うだけで、こんなにも理解度に差が出るとは。「下手な研修なんぞ会社の損失ですぞ…」と更に彼らの上で監督をしている立場の友人Tに言いたくなる。

円山動物園で、なにもホッキョクグマのベイビーだけを観ていた訳でもない。二日目にゆっくり廻ったのは、レッサーパンダ舎やチンパンジー舎や生まれたばかりのゼニガタアザラシの赤ちゃんのところ。なんと初日に観た時は「昨日(21日)生まれたばかり」と聞いた。お母さんの傍で過ごしながら、お母さんの真似をしてか、生まれた時から遺伝子に組み込まれているのか悠々とプールを泳ぎ回る。

明日は仕事も休みなので、ちょっと一休み。病院に行かなくてはならないので、楽しい動物園の一日にはならないけれど、明日の主治医の診断次第で、パレスチナ行きの具体的な日程やら期間やらが決まってくる。どうか長く行けますように!!!

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今日から社会復帰…初日は散々だった(-_-メ)

この仕事を紹介してくれた永年の友であり、現在の上司(笑)Tは「大丈夫、小学生でも出来る仕事だから~」なんて言ってたけど、とんでもない。研修を一緒に受けた同僚達もみんな青ざめていた。考えてみれば、Tは某有名大学から某有名国立大の大学院に進んだ秀才…「簡単」と感じる基準が違うことに、なんで気付かなかったのだろう。同じくTの大学時代の友人で、彼の紹介で仕事を始めたKちゃんと、戸惑いながらも妙な連帯感。青ざめながらも「やるしかないよねえ…」と励まし合う。彼女の本職はライターなので、早速「いつか一緒に仕事が出来るといいねえ」なんて素敵な出会い。西口のビル街に違和感を感じなくなる日は来るのだろうか…。

さてさて、昨日、長い春休みの最後に選んだ一日は井の頭自然文化園で過ごす一日だった。しばらく忙しくて行けなくなるかもしれないので、ちょっとトラちゃんの気持ちを確かめておこう…なんて(笑)

やっぱりトラちゃん、以前ほどワタシの存在を鬱陶しくイライラ感じなくなっている様子。気に入らないオーラも出してこない。以前より、明らかに向けてくる眼差しが温かい。一時間に一瞬くらいのチラ見だったのが、数秒じーっと見つめられることすらある。目が合うたびに「トラちゃん大好き」信号を発信するので、少しは伝わったのかなあ…(笑)また飼育員さんに言ったら笑われるな、コレは。トラちゃんと一度でいいから話してみたいなあ。何を考えて過ごしているのかなあ。

実は意外と時折神経が細かい(ウソだろ???!!!という多数の突っ込みが聞こえてきたけど~)こともあるワタシは、昨夜は緊張なのか、不安なのか全然寝付けなかった。以前の仕事でもそうだった。もうあと○時間しか寝れないと思うと、急に寝付けなくなってくる。実際一日くらい寝れなくても死にゃあしないのに、とんでもなくナーバスになってくる。プーの間は、まったくそんな日がなかったので、これもまた社会復帰の試練。

久々に思い出したよ。やっぱりお金を稼ぐって大変なことだなあと。明日もなんとか頑張ろ。

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思えば二か月前に仕事を辞めてすぐに北海道に旅に出た。そして、この長い春休みと言う名のプー生活を締めくくったのも札幌への旅。どちらの旅も意図して決めた最初と最後ではなく、衝動に駆られて出た旅、不思議なものだなあ。

円山動物園のブログを書いていらっしゃるミミコさんから頂いたコメントにもあるとおり、二日間母グマララと双子ちゃんを見つめ続けて気付いたのは、ひたすらに遊んで、授乳して、寝て、起きて、ジャレ合って、授乳して…の繰り返し。双子ちゃんはお腹がすけばウーウー唸り、ララにおっぱいをねだり、ララは愛おしそうに双子を抱きよせ授乳する。そして満足したら寝たり、再び遊んだり、双子二頭でじゃれ合ったり、ララにじゃれついたり…。時折、好奇心の強い双子ちゃんが階段を下りて行ってララの視界から消えてしまうと、途端に心配したララがフワッフワッと声を上げる。ララは時に厳しく、大概優しく、双子ちゃん達を育てている。

この日は、19日に双子ちゃん達がプールデビューをして三日目。天気予報に反して曇り空に時折晴れ間が覗く。すっかり暖かい春の陽ざしにまずは母のララが、そしてお母さんにならって一頭が、最後に水際でバシャバシャやっているだけの一頭が意を決したように、三頭ともプールに入った。悠々と泳ぎながらお手本を見せるララ。まるで溺れてるんじゃないかと思わせるようなバチャバチャ犬かきならぬクマかきで必死に泳ぐ双子ちゃん。でも、きっとすぐに上手になるんだろうね。

やっぱりホッキョクグマには水が似合う。気持良さそうに泳ぐララの姿は美しい。そして、プールに入って泥んこだらけのチャグマからシロクマに変わる双子ちゃん達にも水が似合う。

健やかに育てよお…強く願った札幌の午後。

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一泊二日の札幌弾丸ツアー…参加者はワタシだけ…「円山動物園にホッキョクグマの双子ちゃんに会いに行こうツアー」無事終了。二日間、朝から夕方まで重いカメラを目の高さまで上げてホールドし続けて、左右の腕がだるくて力が入らない(T_T)撮りも撮ったり800枚。

初日は、雨の予報だったけれど、天気が一日なんとかもって曇り。時折小雨と時折日差しが。「写真の神に愛されてるなあ♪」と思いながら、閉園までホッキョクグマの双子のベイビーに張り付いた。

二日目は、朝には雨が上がり日中は太陽が出るとの予報に反し、15時くらいまで雨。予想はしていたのでカメラにかぶせるレインカバー、上下のレインコートと準備はしていたものの、風も強いし、気温は冬並み(最高で9度だった。でも風のせいで体感はそれ以下!)だし、雨に打たれながら、芯まで冷えながらの撮影は正直キツかった。でも、愛嬌たっぷりの双子ちゃんの姿を観ているだけで、そんなことは吹っ飛ぶから不思議。そんなにこんを詰めず、適度に温かい場所に移動しながらユルユルと撮ろうとは思うのだけど、「なかなか来れる距離じゃないしなあ」「赤ちゃんが大きくなるのはあっという間だしなあ」などと考えると、つい極寒の雨の中頑張り過ぎてしまう。

双子ちゃんたちの話は、後日ゆっくり写真を交えながら紹介するとして、とにかく楽しくて、とにかく思う存分撮影を楽しめた二日間だった。

双子ちゃんのお母さんである母グマのララ、あなたは偉大だ~。

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