ニュース番組で、まだ豚インフルエンザの感染者の出ていないエジプト政府が「外国人食肉向けに飼育している35万頭の豚を砂漠の無人地帯に移す」→「やはり、これらの豚を全頭処分する」と発表し、その声明に眉をあげながら「政府は初めていいことをした」なんて答えるカイロっ子のインタビューを観ていて、ああ実にエジプトらしいな…と、笑いがこみ上げてきた。
豚肉はイスラームではハラーム(禁忌)でイスラム教徒は豚肉を食べない。一説には、イスラームが広まる以前に十分に火を通さないで食べた豚肉による疫病が流行ったことが原因と言われている。確かに砂漠の宗教であるイスラーム、この地域で十分な燃料を確保することは、その時代には至難の業。当時はとても理にかなったものだったに違いない。そして、今でもイスラム教徒は絶対に豚肉は口にしないし、エジプトなどでは一般的に売られてもいない。
エジプトに留学している間に、一度も豚肉を食べられなかったワタシは、かつては西の育ち(一般的に西ではあまり豚肉を食べないんですよ。東京で肉うどんの肉が豚肉ですっげー驚いたし。トンカツ以外のメニューで食卓に豚肉が載ることは稀だったなあ)ゆえに、豚肉を食べられないことに何の渇望感も感じなかったけれど、さすがに1年も経ってくるとトンカツが食べたい、チャーシューが食べたい…。遂にはトンカツの夢まで見た始末(笑)。でも、これは貧乏学生ゆえ。ちゃあんと駐在員やお金に余裕のある外国人向けレストランなどにエジプトでも豚肉を供給していたわけ。
このたび、その豚たちが大量処分されると言う。多分大半の国民の「穢れたブタなんか飼ったり、食べたりしているバチが当たったんだ!」との深層心理や感情を意識しての措置なのだろう。インタビューに答えていた人のコメントにも如実にそれが現われている。「ブタのことなんて話したくもない」と言った表情とともに。
それにしても、エジプト政府のこの対応の素早さ。よほど支持率が下がっているのか、よほど舵取りが危ういのか…。何はともあれ、国民に突き上げをくらう前に先手必勝。この件を議題にのぼらせたエジプトの国会議員さんってのも…。
もう、すべてが実にエジプトらしくて、一人で笑ってしまったのである。
写真は、街中にある一般的な肉屋。97年ごろのアスワンでの写真。もっとも、売っている肉は羊・牛・鶏が中心。
豚肉はイスラームではハラーム(禁忌)でイスラム教徒は豚肉を食べない。一説には、イスラームが広まる以前に十分に火を通さないで食べた豚肉による疫病が流行ったことが原因と言われている。確かに砂漠の宗教であるイスラーム、この地域で十分な燃料を確保することは、その時代には至難の業。当時はとても理にかなったものだったに違いない。そして、今でもイスラム教徒は絶対に豚肉は口にしないし、エジプトなどでは一般的に売られてもいない。
エジプトに留学している間に、一度も豚肉を食べられなかったワタシは、かつては西の育ち(一般的に西ではあまり豚肉を食べないんですよ。東京で肉うどんの肉が豚肉ですっげー驚いたし。トンカツ以外のメニューで食卓に豚肉が載ることは稀だったなあ)ゆえに、豚肉を食べられないことに何の渇望感も感じなかったけれど、さすがに1年も経ってくるとトンカツが食べたい、チャーシューが食べたい…。遂にはトンカツの夢まで見た始末(笑)。でも、これは貧乏学生ゆえ。ちゃあんと駐在員やお金に余裕のある外国人向けレストランなどにエジプトでも豚肉を供給していたわけ。
このたび、その豚たちが大量処分されると言う。多分大半の国民の「穢れたブタなんか飼ったり、食べたりしているバチが当たったんだ!」との深層心理や感情を意識しての措置なのだろう。インタビューに答えていた人のコメントにも如実にそれが現われている。「ブタのことなんて話したくもない」と言った表情とともに。
それにしても、エジプト政府のこの対応の素早さ。よほど支持率が下がっているのか、よほど舵取りが危ういのか…。何はともあれ、国民に突き上げをくらう前に先手必勝。この件を議題にのぼらせたエジプトの国会議員さんってのも…。
もう、すべてが実にエジプトらしくて、一人で笑ってしまったのである。
写真は、街中にある一般的な肉屋。97年ごろのアスワンでの写真。もっとも、売っている肉は羊・牛・鶏が中心。