世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2010年04月

学校が終わって、今日は家庭訪問へ。Pebalという集落に暮らす用務員ムハンマディン・ハーンさん(50歳)の家を訪問。彼には11人の子どもがいる。

家にお邪魔してみてビックリ。あれ?ファルマンもクラムディーンも彼の息子で、兄弟だったんだ!学校で会うだけだとなかなか判明しない家族、兄弟関係。

Pebalは学校から三十分ほど川沿いを歩いた数軒の集落。ムハンマディンおじさんの家の敷地は広く、家畜が放し飼いになっている。

左からシュクランディーン(6年生)、アミルディーン(5年生)、クラムディーン(6年生)、ファルマンディーン(3年生)兄弟
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木々が満開の花を咲かせてキレイだね!
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畑仕事をするラハマディーン(奥・7年生)とクラムディーン
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家の中でお茶をいただいた。お兄ちゃんのサラムディーンは、下の町の中学校に通う9年生。かつては山の学校に通っていたが、人数が足りなくて「中学部」が開けなかった年に、下の学校へと転校した。現在では、人数も安定して集まっているため山の学校にも9学年あるが、サラムディーンは二時間以上かけて、歩いて下の学校へ通っている。
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ファルマンとさらに小さな弟を抱くシュクラン
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帰りに家の外で会った娘さんは、近所の小さな子どもたちの面倒をまとめてみていた。笑顔がカワイイ優しい子だ
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家庭訪問を済ませると、翌日からぐっとその子たちとの距離が縮まる。こうやってたくさんの子どもたちの家に遊びに行くのが何よりも楽しみだったりする。

 
毎日、山の下の町から車(なんとカローラで!トヨタの人が観たら、泣いて喜ぶんじゃないかってくらい、過酷な道に耐えるカローラ!)で一時間近くかけて(歩くと二時間)、子どもたちが通う山の上の学校へと赴いた。岩だらけの道、そばには轟音をとどろかせる川、そして車から流れるのはアハマド・ザーヒルの歌声。ワタシにとっては、これがアフガニスタン!

 

土曜日、休み明けの朝、また今日も学校が始まる。「今日は仕事がたくさんあるなあ」とりあえず6年生の教室をのぞきに行く。ヤシン先生が受け持つ図画の授業だ。

早速、ボスとMさんと図画の授業のために、日本から持ってきたものを配る。

クレヨンは、会の予算で買ったものと、かつての職場の仲間たちが子どもたちのためにボランティアをして購入してくれたものが半々だ。某T電鉄某S管区の愉快な仲間達、ありがとう!!!ひとり一箱は必ず確保できるようにと数をそろえた。

そして、いつもスタッフ会議をする多摩地区某市の発行したカレンダーが気に入って、教室の数分取り寄せた。それは同年代の日本の子ども達が描いた絵がカレンダーになったもの。

もうひとつ、数年前に子どもたちが描いてくれた絵を会のポストカードにした。それを子どもたちに渡した。総会などで6枚セット500円で販売中。「頑張って描いてねえ。ポストカードにもなるかもよ!」と子どもたちに声をかける。自分の絵がカードになった子は、やはりどこか誇らしげ。
(これらのカードは通信販売もおこなっております。詳しくは「アフガニスタン山の学校支援の会」HPをご参照ください→http://www.h-nagakura.net/yamanogakko)

ブログ友達のくりーちゃーさんが、子どもたちのために想像を絶するほど多くの色が入った、水彩クレヨンをプレゼントしてくださった。くりーちゃーさん、ありがとう!!!子どもたちは、クレヨンをみながら目を輝かせていたよ。
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そして、ご本人の希望により匿名で、ブログ友達が子どもたちと同年代のお嬢さんに「みんなともだち」というテーマの絵を描いてもらい、子どもたちにプレゼントしてくださった。「日本の子はこういうふうに描くんだね」とみつめる子どもたち。素敵な交流をありがとう!!!
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いつもは騒々しいバシール画伯も、黙って真剣に画用紙と格闘中
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ゼケルラー画伯、握った黒と緑のクレヨンは何に色付けのためですか?
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マリナ画伯、真剣に色塗りに励んでます
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出来上がりの絵は、総会や報告会で展示するよ!お楽しみに☆

 
休日の金曜日、ヤシン先生とアクバルと、地域の英雄、故マス―ドが設計した、平和になった故郷の、彼が暮らすはずだった、緑あふれるおうちへと散歩に行った。
 
今日の「一日カメラマン」はヤシン先生。手にしたカメラに、子どものように喜び、はしゃぐ二人だった。
 
いつまでも、そんな二人を眺めていたい午後だった。
 
彼らの笑顔が、二度と消えませんように。

授業が終わって、みんなが上の集落に帰るのに付き合って、お散歩がてら校長宅へ昼食をお呼ばれに行った。家に着いてもまだ風船に夢中な5年生のシャボナと4年生のムシュゴーン
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そのまま校長宅に泊まるボスと別れて、用務員のおじさんモハンマディン・ハーンさんの案内で、再び山を下りて帰る。
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道の途中には、キレイな高山植物も。
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そしてあたり一帯、村人たちの努力で開墾された畑が広がる。三年前よりも、畑も用水路も、水力発電の電線もずいぶん増えたと思う。
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この季節は、長い冬が終わり、待ち構えていたようにアンズやアーモンドの花が咲き乱れる。今年はサクラのお花見が日本で出来なかったけれど、こっちも負けず劣らずキレイだよ。
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帰り道は40分ほど。行きのしんどさが嘘みたいだ。ここからまたモハンマディン・ハーンおじさんは、山の上まで歩いて帰る。申し訳ないっす。

ここから先の案内役は、車で迎えに来てくれたヤシン先生と、末っ子のワーセルと、弟のアクバル。
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「さあさあ、山を下りてドライブでも行こうか!」

みんな、ありがとう。

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