ロンドンの話を語りきらないうちにもう話はパリへ。ロンドンのセントパンクラス駅からユーロスターに乗ってパリへ。イースター休暇の真っ只中だったせいなのか、普段からそうなのかわからないものの車内は満席。大きな荷物を抱えた旅人でいっぱい。二時間半ほどであっという間にパリの北駅に到着。途中海底トンネルを長いあいだ通っていたが、そこがドーバー海峡だったみたい。とにかくあっという間。
パリ北駅には3年ぶりの再会となるアフガン人の友が迎えに来てくれているはずだったし、実際に彼は迎えに来てくれてはいたのだが…会えなかった。無謀だと思ったんだよ、ちゃんと待ち合わせ場所も決めずに会うなんて。でも友は「大丈夫。降りる場所を探して迎えに行くから」と前日まで言い張るので、まあいいか、「会えなかったらホテルで待ってるね」とメッセージを返してはいたが、案の定。降りたホームの出口の前で待つが、いっこうに会えず。半ばイライラしながらメトロに乗ってホテルへ。
ホテルがあるのは18区。ガイドブックには「18区は治安に注意」「18区を夕方以降は歩かないように」などと書いてある。ワタシは大学生のころから、パリ(というかヨーロッパというか先進国というか)にはほとんど興味がなかったのだが、パリ18区はずっと憧れの地だった。アラブ人を含む移民街、ライをはじめとする北アフリカの音楽が奏でられる街、大学生の頃シェブ・ハレドなどライにはまったワタシにとっては「18区」「バルベス」という響きは、「パリ」「シャンゼリゼ」以上に憧れの響きだった。そのバルベスがこの旅の宿泊地!
ホテルに着いてようやくWifiがつながり、友から「パリ北駅にいるけどどこ?」とメッセージが入る。「悪いけどもうホテルに移動したよ。ホテルで待ってる」と返すと20分も経たずに友は現れた。友との3年ぶりの再会は、これ自体が大きな大きな主題なので、今日は割愛。難民申請をするために欧州を横断し、ようやく1年以上かけて辿り着いたパリで、友は意外と元気そうだった。
さっそく友と街歩きを開始した。どこへ行く?なにをする?そう聞いても友は「さあ」と答えるばかり。「とりあえず昼食を食べたい」と訴えると「お腹はすいていない」と友。一番初めに目についたサンドウィッチ屋をのぞいた。「おお、ショワルマだー」といきなりテンションが上がるワタシ。そりゃそうだ、ここはバルベスだった。
フランス語はほとんどできないので英語で「ショワルマサンドウィッチくださーい」というと「はいよ!」と威勢のいい返事。ふと気づくと狭い店内に座ってオーダーを待つお兄さんはアラブ人風な外見。よく見ると店のお兄さんも思いっきりアラブ人風な外見。英語はあまり得意ではないようで(フランス語ができないワタシが悪いのだが)サンドウィッチに入れる具の中身を確かめたり、味付けを確認したり…なんだかスムーズにはいかない。
思い切って「アラビア語を話しますか?」とアラビア語で聞く。お兄さんは目をまん丸くして「もちろんだよ。俺アラブ人だもん。チュニジア出身」と答える。入れてほしい具としてほしい味付けをアラビア語で頼み、フランス語ができない外国人観光客のお会計の通訳をアラビア語でこなし「そうだったよね。ミカはアラビア語ができたんだった」と横にいる友が半ばあきれ、半ば感心し、サンドウィッチ屋の兄さんが調理そっちのけでワタシを質問攻めにし(どこから来たんだ?日本?なんでアラビア語ができるんだ?カイロに住んでた?パレスチナに通ってる?横にいる友達はナニ人だ?アフガン人?なんでおまえら友達なんだ?アフガンで会った?etc)調理が終わるとまだまだ話したそうにしていたが、友が無言で突っ立っている姿をみると「ああ、そうだよな。友とはこんな簡単な会話、他愛もない話をするのにも恐ろしく時間がかかり、難しいんだよな。これは疎外感を感じてるだろうな」と思い、お礼を言って店を出る。
結論からいうと、バルベスはもちろんのこと、パリのあちこちでアラビア語が聞こえてきたり、アラビア語で鼻唄を唄っているひとがいたり、クスクスやタッブーレが当たり前に食べられていたり…やっぱりパリでもアラブの風を感じるたびに自然と笑みがこぼれた。
我ながら、ロンドンに行ってもパリに行っても、やっぱりアラブに吸い寄せられるんだなあとしみじみ。写真はチュニジア出身のサンドウィッチ屋のお兄さん。
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次の取材旅の資金集めのため、久しぶりにプリントセールをしております。
拙著『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』と写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真などです。そのほかの写真(ブログの記事のものも何月何日の写真とご指定いただければ可能です)も、可能な限り、ご希望に応じます。
A4プリント 2500円+送料360円(レターパックライト)
2Lプリント 1500円+送料180円(スマートレター)
ポストカードセット(三枚組)A・B 各700円+送料140円
mikairv★gmail.com(★を@に変えて)
ご注文をお待ちしております。
上記三冊のご注文も同じく送料実費になりますが、承ります。
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●『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i
また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。
●『パレスチナ・そこにある日常』(未来社)
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919
アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21
●写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日
版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html
最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。
著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。
●写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1
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●写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
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