池之端古書ほうろうさんで開催中の写真展『パレスチナの人びと』とクルドのおかあさんのオヤ展示販売は、いよいよ残すところあと三日となりました。
写真展開催中に、古書ほうろうのミカコさんがツイッターのタイムライン展として、ずっと展示写真とキャプションをご紹介くださっていたので、それにまつわる思い出をいくつもよみがえらせ、パレスチナのことばかり考えて思い出す一か月半となりました。
楽しい思い出、悲しい思い出、心のなかにしまいっぱなしの思い出、ありとあらゆる思い出と記憶に溺れそうなときがあります。それらを、原稿を書く、写真展をする、トークをするなどして自分の外に解き放っていられるあいだはいいのですが、コロナ禍と自分の怠慢によりそのような機会がグッと減ってしまったこの一年は、欲求不満のカタマリのようでもありました。ましてや取材や撮影もままならず、カメラを持って行きたい場所に行く、撮りたいものを撮る、会いたい人に会う、ただそれだけのことが、こんなに難しく、その結果、自分の日々がいとなみが、こんなに味気なく彩りもなくどんよりした暗いものになるなんて。
この時勢に合わせて、臨機応変にどんどん新しいことにチャレンジして、グイグイ進んで行ける人を、心よりうらやましく思います。自分はすっかりそんな気力もなくしていると、この一年間感じ続けています。このどんよりとした日々が、いったいなににつながるのか、ここからなにを学び得て、生み出せるのか、自分にもわからないままですが、写真展開催中にたくさんのことを考えたおかげで、「自分がこの先なにがしたいのか」はハッキリと見えてくるようになりました。
若いころは、自分の時間や人生に限りがあることなんてあまり感じなかったし、やりたいこととできることの整理をして順序立てるなんて考えもしなかったけれど、これから先はそれが必要になってくることを痛感しています。でも、その一方で、「やれるあいだに、やりたいことを、やりたいように、やりちらかせば?まとまりなんてつかなくてもいいじゃん、まとめようなんて思わなくてもいいじゃん」と思っている、本来の自分もいます。多分、結局後者が勝っちゃうんだろうな。人間、なかなか変わるもんじゃないようです。よほど変わりたいか、よほど意識して努力しない限りは。
ダラダラと思いつくままに駄文をしたためてきましたが、できるだけいろんなことを考えないようにして、現実逃避ばかりしていたこの自分に、しっかりと考える機会を与えてくださった古書ほうろうのおふたりに、心より感謝しております。モノゴトは、誰かとの言葉や心や気持ちのやりとりからしか生まれないんだなと思います。ひとりで作っているようでも、ひとりでなにかをしているようでも、それはたいがい誰かとの関わりから生み出されるもの。写真を撮ることも、当然同じ。今日の写真(スマートフォンで撮影)は、ジェニンの市場のイチゴ屋さん。パレスチナではガザのイチゴが有名ですが、ジェニンは西岸地区の最北部なので(遠いという意味)ガザ産のものではありませんでした。今日もみんなのいとなみが、つつがなく、変わることなくつづいていますように。パレスチナの市場という市場をカメラを片手に巡り、写真を撮りまくる日を夢想しています。
写真展は今週末まで。足をお運びいただければ幸いです。
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写真展『パレスチナの人びと』@古書ほうろう
台東区池之端2-1-45
1月13日(水)~2月28日(日)
12時から20時(月火定休)
窓辺喫茶は月火水休
ただし会期中でも感染状況により休業の可能性もあります。お店のHPやツイッターをご確認ください。
古書ほうろう @legrandsnes
古書ほうろうの窓辺喫茶 @mampukutei
HP
https://horo.bz/
お店のオンラインストアでクルドのおかあさんのオヤやパレスチナの刺繍クラフトなどが購入できます。
ぜひこちらもご活用ください。
https://koshohoro.stores.jp/
ワタシからのお願い
写真展は無料ですが、コーヒーやチャイやおやつなど窓辺喫茶を利用してひと息ついたり(テイクアウトも可能、すぐ近くには上野公園不忍池があります)、店内外の本を買ったり、クルドのおかあさんのオヤを買ったりしてもらえると嬉しいです。ついでにワタシの著作やポストカードを買ってもらえると、それもまたワタシが個人的に嬉しいです。
感染状況拡大のこの時期に、なんの躊躇もなく「足をお運びください」と申し上げることは、なかなか難しいのですが、もしお近くにご用事があったり、気分転換にお散歩したくなったり、またお近くの方はぜひともお立ち寄りください。
どんなお店も事業所も、この状況の中で、お店を開ける、閉める、そのご決断はとても重いものであろうことが想像されます。懸命に対策を重ねて、今日も「そこにあった決断」に思いをはせます。やはり、お店が開いている限りは、「足をお運びください」と言いたいです。もちろん、ワタシに言われるまでもないことですが、みなさん、ご無理のないように。まずは、ともかく命とからだと心を守りましょう。
でも、お店にふらりと本を探したり、棚をのぞいたり、喫茶を楽しんだりするために立ち寄られた誰かの心になにかを残せたらいいなと、あらためて思います。
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