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十条のパレスチナ料理店ビサンのスドキさんのお兄さんオサマ・マンスールさんがイスラエル軍兵士に射殺された件は、繰り返しお伝えしてきた。ブログでは、お伝えしていなかったことは、オサマさんがスドキさんのお兄さんだということ。ツイッターでは、スドキさん本人の公開制限なしのフェイスブックへの投稿以来、伏せていた名前を明記することにした。本人が「多くのひとに知ってほしい、シェアしてほしい」と願っているので、ツイッターではその投稿のリンクと、FBを利用しないひとのために投稿のスクリーンショットの画像を貼ってある。

それらに書いたことは、ここでは繰り返さないので、話を先に進める。オサマさんが殺されたと知ったときに書いたブログのリンクだけ貼っておく。
http://mikairvmest.livedoor.blog/archives/8470247.html

繰り返し、繰り返しキリがないほど考えている。なにをしていても、他のことなどほとんど考えられないに等しい。そんななかでほぼ惰性でなすべきことをなしながら、空っぽなまま日常生活を送っている。

ワタシのことなど、どうでもいい。ただ、ずっと「できることなどなにもない」「なにをしても殺された命は戻ってこない」という絶望感のなかで、身動きひとつ取れないでいた。今朝、ハアレツ紙の詳細な記事(こちらもツイッターに貼ってある)を読みながら、イスラエルの人権団体ベッツェレムの調査なども反映させた記事により、知らなかったことも知る。コロナウィルスの感染や、労働許可証の問題、殺害現場となったビールナバーラを取り巻く状況(これは他社の報道でも早くからなされていた)など、多くの問題が重なって、オサマさんが殺される事件に至ったことを。(訳してきちんとした日本語に書き直す気力がないので、どなたかその作業を引き受けてくださいましたらシェアしてください。これも、ひとつの「できること」ではないかと)

オサマさんには五人のお子さんがいらっしゃる。言うまでもなくスドキさんの甥と姪だ。姪っ子のひとり双子の女の子のひとりはビサンちゃんだ。ハアレツ紙にも写真が載っている。ふと、「なにをしても、殺されたオサマさんの命が還ってくることはない、でも子どもたちになにかできないのだろうか」という気持ちに至った。

パレスチナでは、ただでさえ仕事を得るのは大変だ。一家の大黒柱を失ったということは、収入をもたらしてくれるひとを失ったということだ。そのことが、遺された家族にどれだけ重くのしかかるかは、『それでもパレスチナに木を植える』に書いた難民キャンプの一家アワード家の話を思い出してもらえばわかる。

「お金で命が還ってくるわけじゃない」。だが、この先一家が一番必要とするもののひとつは、お金であるという苛烈な現実がある。だとしたら、「なにかしたい」という気持ちは、「なにかしたい」とワタシにたくさん投げかけてくださるお気持ちは、このオサマさんの遺された五人の子どもたちを応援して、見守っていくということにつなげればいいのではないかと、ふと思った。

ただ、この話は一切スドキさんに相談していない。お金を寄せられても迷惑なのかもしれない。自分が責任を持って届けられる状況にない以上、スドキさんを巻き込み、スドキさんの手を煩わせるよりほかに方法がない。だけど、なにもしないよりはマシなんじゃないか?と思う。

現在、スドキさんとはいつでも連絡を取ろうと思えば取れるものの、スドキさんの精神的な負担を考えて、こちらからは連絡を控えるという状態にあります。だから、この件も事後承諾になります。実際に渡すときに初めて話すことになると思います。しかも、いつ渡せるという日時のお約束もできません。スドキさんが会うことや話すことができるときが来たら、そのために連絡をくれたらとしか、いまは言いようがありません。こちらからは一切「会いたい、話したい」とか言うつもりはありません。いままでずっとそうしてきたように、「元気?なにしてる?」と、連絡をくれるときまで、こちらからはアプローチをしないつもりです。ご報告も、渡したあとに、ツイッターかこのブログで一括報告になります。

もし、それでも構わなければ、みなさまからたくさん寄せられる「なにかしたい」という思いは、ご遺族へのお見舞金、特に子どもたちの今後のためのものとして、取りまとめて、スドキさんに渡します。もし受け取ってもらえない場合は、エルサレムや西岸の信頼できる友達の手を煩わせて、ご遺族に届けます。でも、この可能性と責任はワタシにとっても、とても重いものなので「信頼に値しない」と判断されましたら、直接ご自分でなさる方がよろしいかと思います。

もし、「なにかをしたいけれど、なにをすればいいのかわからない」と声をお寄せくださった方のうち、賛同される方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
mikairv★gmail.com
★は@に

その際、
・金額とお名前を先方に伝えることの可否
・金額とイニシャルならオーケー
・名前だけならオーケー
など、ご希望をお伝えください。

ご遺族へのメッセージがあれば、取りまとめて、こちらもスドキさんにお伝えします。
その際も、名前を入れる、入れない(イニシャルでお伝えします)をご教示ください。

何度もしつこいですが、いつ渡せるかというお約束はできないので、その点だけはご留意のうえ、ご了承ください。

そして、「お金を送って終わり」にはしたくありません。オサマさんの死を忘れず、この事件の意味を考え、オサマさんの子どもたちの歩みを見守っていけたらいいなと思います。幸い、知ろうと思えば、いつでも知ることのできる「距離」にいる子たちのことなので。

オサマさん、どうか安らかに。