世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

カテゴリ: エジプト 街角の笑顔

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モスクって、大半の日本人には馴染みがなくて、いかめしくて近寄りがたいイメージだと思うんです。馴染みがないからイスラームに対する親しみのあるイメージがあまり浮かばないのと同様に。

こんな光景はどうでしょう?

モスクはもちろんお祈りの場です。誰しも自分の家や職場の近くに馴染みのモスクを持っています。旅先で祈る場合はともかく、金曜日の集団礼拝などは、その馴染みのモスクで行います(普段はあまりモスクで祈らない人も金曜日には行くという人が結構います)。お祈りが終わって、馴染み同士茶屋に向かったり、食事をしたり、談笑したりと社交の場でもあります。

そして、お祈りをする人、クルアーン(コーラン)の勉強をする人にまじって、昼寝を楽しむ人も居ます。これは結構一般的なモスクでの過ごし方。一日5回のお祈りの時間には居ないけれど、それ以外の時間には、多く見られる光景です。

ね?少し親しみが湧いたでしょう?

イスラームって、テロだの原理主義だの、西洋経由のいかめしいイメージが植えつけられてしまっていますが、基本的には平和と寛容の宗教なんです。一部の狂信者の行動だけを見て、イスラーム教徒全体がそうであるかのようなイメージの植え付けには、断固声を上げたいです。

基本的には、自分と神の間の契約を守ることがイスラームの信仰の基本。他人に宗教的な強要をしたり、干渉したりは、ごく普通のムスリムにはありません。だから、モスクでクルアーンを読もうが、昼寝をしようが、それは個々の自由。

でも、さすがに異教徒の我々がモスクで好き勝手に過ごすのは止めましょう。そんな態度は、相手の文化に礼を尽くさない態度ですから。

なあんて、今度は何処のモスクで休憩しようかな。

エジプト行きまであと5日!

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二十日間もある…のか、二十日間しかない…のか、行きたいところ、やりたいことだらけで日々頭を悩ませているエジプトの旅のスケジュール。

☆カイロ☆
ピラミッド、考古学博物館、イスラミックカイロひと回り(最低二日間は練り歩きたいな、一日中)、カイロ動物園、オールドカイロ(キリスト教地区)などなど書ききれない…

☆ルクソール☆
西岸の遺跡(ルクソール神殿、カルナック神殿、ルクソール博物館)、東岸の遺跡(王家の谷、王妃の谷、ラムセウム、ハトシェプスト葬祭殿、メムノンの巨像などなど)

☆アスワン☆
イシス神殿、ヌビア村、岩屈墳墓群、ナイル川でフルーカ(舟)

☆アブシンベル☆
アブシンベル神殿

☆アレキサンドリア☆
カイトベイ要塞、ノズハ動物園

☆バハレイヤオアシス☆
白砂漠、黒砂漠

☆スエズ☆
スエズ運河

☆タンタ☆
ガーミア・アハマド・アル・バダウィー(モスク)とその門前町ひと回り

☆シーワオアシス☆
砂漠とオアシス(ロバ車にも乗れる)

どれだけ叶うかなあ。水曜・土曜夜はスーフィダンス撮影だし、イード(祭り)の間は特に仲の良いエジプトの友の家庭にお邪魔するだろうし…。

やっぱり、二十日間しかないとしか言いようがないな。

たくさんの笑顔に出会いたい。一コマでも多くのエジプトを切り取りたい。

エジプト行きまであと9日!

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ラマダーン・カリーム!身近にムスリムの方がいたらこう言ってみて下さい。断食月の間のご挨拶の決まり文句。

いよいよ昨日、ラマダーンに突入した。去年のこの時期にも同じことをお話ししたけれど、イスラーム社会では、これから先一か月は太陽が出ている間は断食をして日没から夜明けまではいつも以上の御馳走が並ぶお祭り騒ぎ。日没後の最初の食事を招待し合ったり、家族でゆっくり楽しんだり、親戚同士訪ね合ったり、イフタールをどこで誰と食べるか、とても大切な日々の重要ごと。

もうエジプトに十回近くも通っていて、特に旅の目的が観光ではない私の場合、やはりエジプト行きはこういう行事に合わせたくなる。ラマダーンとラマダーン明けのお祭りイードルフィトルか犠牲祭に合わせてみんなを訪ねたい。それこそ盆暮れの帰省のように。

今年はようやくその願いが叶い、ラマダーンの最後の数日間とお祭りの間、エジプトに居られる。ラマダーン用のランプが軒先に灯り、華やかに飾られた町並みや、夜遅くまでお出かけを楽しむみんなの姿に出会える。

断食することで食べ物のありがたみを知り、満足に食べられない貧者へ思いを寄せ、施し、慈悲の心を養うラマダーン。苦境にある人ほど、多くの笑顔が浮かべられますように。

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下町中の下町、イスラーム地区の最東端に「死者の町」と呼ばれる場所がある。この地域は中世からの墓地で立派な廟も立ち並ぶ地域。いつの間にやら住宅難からこの残された廟や墓地に住み着く住人が現われ「死者の町」と呼ばれるようになった。墓と言っても立派な建物で、子孫が墓参りに行く時は住人が席を外すという暗黙の了解。子孫も声高に所有権を主張したりせず、墓に住人をそのまま住まわせることで徳を積んでいるという訳。

この一帯は、滅多に観光客は立ち入らない地域。正直言って治安も良くないと言われている。一種のスラムだから無理もない。でも1400年代を中心とした名建築が建ち並ぶということで、イスラーム建築を専攻していた当時のカナダ人のフラットメイトと共に出かけて行った。

猫に小判、豚に真珠なので私にはちっともその名建築の素晴らしさが分からない。イスラーム建築物の専門のガイドブックを片手に小難しい顔で眉間にしわを寄せる友を尻目に、私はひたすら付近の住人と語らい、茶を飲み、遊んでいた。

見学を終え、そんな私を遠くから羨ましそうに見つめていた友の姿が今でも浮かぶ。イスラーム建築が専攻のくせに、ちっともイスラーム世界の人々に文化に馴染めないと苛立つ可哀想な友。エジプト人の人懐こさ、裏を返せば尋常じゃなく大きなお世話なところが、彼には馴染めなかったらしい。

彼がカナダに帰国してから、二度とこの辺りには行くことがなかった。私が暮らしていたのはカイロの西の端、この辺りは東の端、遠かったこともあるかもしれない。

久しぶりに行ってみたいなあと写真を眺めながらふと思った。

本日、バッチリ休暇の許可が取れました。
もう後は、前進あるのみ。

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エジプト行きの航空券を予約する際…

「25日に出発するから、そうすると何日まで休めるか、何日に日本に帰ってくればいいか、自分の休暇残数計算してはじき出して」
最初に後輩にそう告げた。

「はい、目一杯休んで○○日に帰ってくれば大丈夫です」

その答えを元に、今回の旅の日数が決まった。私自身は後輩よりも休暇残数がたくさんあるので、先に帰国させて後から帰ろうかとも思ったんだけど、まあ何かと面倒くさいし…。

今日、その後輩が
「MESTさん、大変です。実は伯父が亡くなったのですが休暇がないので変番(勤務のシフトを変えて)で葬式に行きました。こんなことってあるんですね…」

「お前さあ、そいうことまで含めて考えて計算しろよお。だから何度もその日数で大丈夫かって聞いたじゃんよお!」

ちょっとキレ気味な私。何かあってアイツが欠勤の危機のたびに責任感じなくちゃいけないこの先数か月。

面倒くさいから、航空券の日程変えるなら自分でやってくれー。

「いえ、すみません、大丈夫です。乗り切ります、次の休暇が出るまで…」

頼むよお。

そんな日は、エジプトの街角を再びお届け。

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