最後の夜。まったく悔いなく、晴れやかな気持ちでパソコンに向かっている。
最後の一日は、迷おうとも、どうなろうとも、気の向くままにイスラミックカイロの奥深くへと決めていた。朝の十時半にダウンタウンの宿を出発して、大体の方向感覚だけを意識して、地図も見ず、通りの名前も見ず、とにかく人々の息吹の感じられる町を歩いた。ありとあらゆる問屋街、家具や金属細工の職人街、何でこんなところへ!と出会う人々に驚かれながらも、ガイドブックや地図には載っていないような道をとにかく歩きつくした。勿論、時々進むべき方向が分からなくもなり、地元の人に広い通りを何度か指し示されながら、たくさんの笑顔に出会いながらただひたすら歩いた。
そして、昼過ぎにようやく迷路のような町を抜け出し、死者の町へ。以前にも書いたように、イスラエルとの戦争で住む所を失ったシナイ半島の人々や、爆発的に増える人口のために、中世の貴族の墓だったこの町に、多くの人が住み着いた。ガイドブックには貴重品は身につけて行かないようにとか、ごくまれに強盗や傷害事件に遭う外国人もいると書かれているので、後輩も一緒のことだし、最大限に振る舞いに注意しながら歩く。精一杯アラビア語で挨拶しながら、マズイと感じたらすぐに身を引きながら、大通りの場所を常に意識しながら、古くからある中世の墓や、モスクを訪ね歩く。途中、サンドウィッチを食べて行け、お茶を飲んで行け、たくさんの親切を受けながら、進んでいく。一番の目的は、苦しい生活の中でもメッカへのハッジ、巡礼を済ませた人と、その人の家の壁に描かれたハッジペインティングに出会うこと。そんな人を捜し歩きながらの散策。この町には裸足の人や、身なりの貧しい人が多いことも確かだが、これもまたカイロの一つの側面。
15時ごろ、ようやく歩みを止め、2005年にオープンしたばかりの丘の上に造られたアズハル公園へ。広大な敷地に緑が生い茂り、イスラミックカイロを一望できる展望台やレストランがある。ここで噴水のそばに陣取りランチ。歩きつかれた体を癒す。ここで夕暮れを迎えようと、芝生で寛ぎながらモスクのミナレットの向こうに見える夕日を眺める。真っ赤に染まるイスラミックカイロ、響き渡る夕暮れのアザーン、あまりの美しさに、ただただ身を委ねて夕暮れのカイロの町を眺めた。
また帰りも、バザールのハーンアルハリーリで最後の買い物を楽しみ、アタバの地元の人用のスークや問屋街を歩きまくり、帰り道に友達に挨拶しながら帰ってきた。所要時間11時間の旅。ただひたすら自分の足で歩き、みつめたカイロ。
最高の締めくくり。
寂しいし、帰りたくないけど、不思議とああすれば良かった、あそこに行けばよかったなんて悔いはまるでない。出会うべきものに出会い、撮った旅。
エジプトが好き。言葉に尽くせないくらい。
またすぐに、帰ってこよう!
出会ったすべての人に、ありがとう。
最後の一日は、迷おうとも、どうなろうとも、気の向くままにイスラミックカイロの奥深くへと決めていた。朝の十時半にダウンタウンの宿を出発して、大体の方向感覚だけを意識して、地図も見ず、通りの名前も見ず、とにかく人々の息吹の感じられる町を歩いた。ありとあらゆる問屋街、家具や金属細工の職人街、何でこんなところへ!と出会う人々に驚かれながらも、ガイドブックや地図には載っていないような道をとにかく歩きつくした。勿論、時々進むべき方向が分からなくもなり、地元の人に広い通りを何度か指し示されながら、たくさんの笑顔に出会いながらただひたすら歩いた。
そして、昼過ぎにようやく迷路のような町を抜け出し、死者の町へ。以前にも書いたように、イスラエルとの戦争で住む所を失ったシナイ半島の人々や、爆発的に増える人口のために、中世の貴族の墓だったこの町に、多くの人が住み着いた。ガイドブックには貴重品は身につけて行かないようにとか、ごくまれに強盗や傷害事件に遭う外国人もいると書かれているので、後輩も一緒のことだし、最大限に振る舞いに注意しながら歩く。精一杯アラビア語で挨拶しながら、マズイと感じたらすぐに身を引きながら、大通りの場所を常に意識しながら、古くからある中世の墓や、モスクを訪ね歩く。途中、サンドウィッチを食べて行け、お茶を飲んで行け、たくさんの親切を受けながら、進んでいく。一番の目的は、苦しい生活の中でもメッカへのハッジ、巡礼を済ませた人と、その人の家の壁に描かれたハッジペインティングに出会うこと。そんな人を捜し歩きながらの散策。この町には裸足の人や、身なりの貧しい人が多いことも確かだが、これもまたカイロの一つの側面。
15時ごろ、ようやく歩みを止め、2005年にオープンしたばかりの丘の上に造られたアズハル公園へ。広大な敷地に緑が生い茂り、イスラミックカイロを一望できる展望台やレストランがある。ここで噴水のそばに陣取りランチ。歩きつかれた体を癒す。ここで夕暮れを迎えようと、芝生で寛ぎながらモスクのミナレットの向こうに見える夕日を眺める。真っ赤に染まるイスラミックカイロ、響き渡る夕暮れのアザーン、あまりの美しさに、ただただ身を委ねて夕暮れのカイロの町を眺めた。
また帰りも、バザールのハーンアルハリーリで最後の買い物を楽しみ、アタバの地元の人用のスークや問屋街を歩きまくり、帰り道に友達に挨拶しながら帰ってきた。所要時間11時間の旅。ただひたすら自分の足で歩き、みつめたカイロ。
最高の締めくくり。
寂しいし、帰りたくないけど、不思議とああすれば良かった、あそこに行けばよかったなんて悔いはまるでない。出会うべきものに出会い、撮った旅。
エジプトが好き。言葉に尽くせないくらい。
またすぐに、帰ってこよう!
出会ったすべての人に、ありがとう。