世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

カテゴリ: アフガニスタン 2014

居候先の「かあちゃん」がお出かけ。母ちゃんに代わり、夕食にミックスサラダを用意するアクバルとそれを眺める一家の三男バーエス。

どーでもいー日常のひとコマ。であるがゆえに、愛しく、かけがえのないひとコマ。

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この春「山の学校」を卒業したマリナが高校に進学できたのかどうか、ずっと気になっていた。

というのも、彼女の三人の姉、アズィザ、ザルミナ、アズィマは高校へは行かなかったからだ。

三人の姉と比べて、ずっと成績の良かったマリナはどうするのか?昨年、中学三年生になったマリナにそのことをたずねてみると、横にいる父親を意識しながら「分からない。カーブルにお嫁に行っているかも」と冗談とも本気とも判断の付かないような言葉を発した。実際に、長女のアズィザは中学を卒業することなく嫁入りした。

マリナの家から、下の町の高校までは歩いて一時間半以上。父親のホラム先生は、職業柄教育の重要さは理解しているけれど、つい数年前まで、女子は学校に行けたとしても小学校で終えることも稀ではなかった。中学を終える、ましてや下の町の高校に行くなんて、数年前までは考えられないことだった。

しかし、ここ数年、少しずつ高校に進学する女子が増えてきた。親の理解が着実に広がってきた。

11人の子どもをもつホラム先生は、まったく余裕のない生活のなかで、娘の進学については悩んだだろうと思う。授業料は無料とはいえ、学用品などの費用が掛かる。それでも、マリナの同級生のムシュゴーンとタマンナが一緒に高校へ進学すること、家の手伝いは姉のザルミナがしっかりとになっていること、ずっと成績が良かったことから、結局ホラム先生はマリナの高校進学を許した。

ある朝、下の町、居候先のヤシン家からアクバルの運転する車で「山の学校」へとのぼっているとき、通学中のマリナとすれ違ったあの日の朝の感動は言葉に言い表わせない。「ああ、マリナ、高校へ行けたんだね、よかったね」と、涙が出そうになった。

そして数日後、ホラム先生が「マリナとアズィマがミカを招待したいと言っているからご飯を食べにおいで」とお誘いを受けた。

再会したマリナは、相変わらずの利発さで「高校を卒業したら弁護士になりたい」と言った。

もし大学に合格した場合、大学の授業料は無料だが、生活費、寮費などにかかるお金の試算はいまのところ、約60万円ほど。

なんとか用意してあげたいなと思う。

それがいまのワタシの一番の夢かもしれない。

ご賛同のうえ、ご協力いただける方は、mikairv@gmail.com にご一報ください。

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