世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

カテゴリ: パレスチナのちいさないとなみ

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猛烈にバタバタしているうちに、あっという間にもう来週はゴールデンウィーク。もちろん、普段は連休だとかあまり縁のない生活をしているが、今年はこの期間中、仙台で写真展「パレスチナのちいさないとなみ」&パレスチナ・オリーブの刺繍展示販売を開催します。

詳細はチラシまたは下記をご覧ください。

また、期間中トークイベントがふたつあります。
・5月2日(火)19時から21時
 オープニングトーク(皆川さん+高橋)
 パレスチナ風軽食付き
 参加費2500円(定員10名様)

・5月6日(土)14時から16時
 高橋美香スライドトーク「パレスチナのちいさないとなみとママとマハ」
 『パレスチナのちいさないとなみ』と新著の『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』の登場人物の   ことやその背景をお話する予定です。
 パレスチナ風紅茶(マラミーヤ入り)、クッキー付き
 参加費1500円(定員20名様)

どちらも定員制のため要予約です。


「パレスチナのちいさないとなみ」
高橋美香写真展&パレスチナ刺繍展示販売
日時:2023年5月2日(火)〜7日(日) 11:00~19:00(最終日17:00)
主催:パレスチナ・オリーブ 
パレスチナ・オリーブ Palestine Olive (paleoli.org)

場所:SARP 仙台アーティストランプレイス スペースB
仙台市青葉区錦町1-12-7門脇ビル1階

2023.5.2~5.7 「パレスチナのちいさないとなみ」 高橋美香写真展&パレスチナ刺繍展示販売 – SARP (sarp-sendai.com)
開催中期間中のお問い合わせ 070-6954-3156(パレスチナ・オリーブ皆川さん)まで。

*パレスチの刺繍商品のほか、オリーブオイル、オリーブ石けんなども販売します。

みなさまのお越しをお待ちしております。

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2023年1月写真絵本『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版)を刊行しました。
お近くの書店でのご注文をお待ちしております。
版元のかもがわ出版のページ
かもがわ出版|パレスチナに生きるふたり ママとマハ (kamogawa.co.jp)

版元ドットコムのページ
パレスチナに生きるふたり ママとマハ 高橋 美香(著/文 | 写真) - かもがわ出版 | 版元ドットコム (hanmoto.com)

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もう気が付けばあと十日ほどになってしまいましたが、7月22日(木・祝)にZoomを使ったオンライン研究会「パレスチナのちいさないとなみー写真と文学・映画から」に、岡真理先生とともに登壇します。

ご参加には、下記の登録フォームより、事前の登録が必要です。
2021年7月22日パレスチナのちいさないとなみ (google.com)

詳細は下記のとおり、研究会のページより転載します。


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占領下のガザに対するイスラエルの大規模軍事攻撃は、5月21日に停戦となりました。ガザへの空爆が停止しても、根本的な問題は何一つ解決されていません。1948年に占領されたイスラエル領、1967年に占領された東エルサレム、西岸、ガザ地区では、ユダヤ人至上主義のアパルトヘイトと現在進行形の民族浄化のもとで、パレスチナ人は対等な人間性と自由を否定されています。しかし、占領による日常的な構造的暴力は、主流メディアではほとんど報道されません。
 また、報道されるガザの攻撃であっても、犠牲になった人々は「数」でしか表されません。でもその一人一人に人生があり、大事な人がいて、大切な営みがそこにありました。顔の見える一人一人として、パレスチナの人たちのことを考えるためのきっかけになればと、研究会を企画しました。パレスチナに暮らす人々の日々の暮らしとその息吹を、写真と文学・映画の力を借りて届けます。
 どなたでもご参加いただけます。ぜひふるってご参加ください。

日時:2021年7月22日(祝・木)19:00~21:00
会場:Zoomを用いたオンライン開催

◇司会:
 嶺崎 寛子(成蹊大学)
◇語り手:
 岡 真理(京都大学)
 「パレスチナの人々―文学と映画から」
 高橋 美香(写真家)
 「パレスチナのちいさないとなみ―写真から」

【登壇者紹介】
◆岡 真理(京都大学)
 現代アラブ文学、パレスチナ問題、第三世界フェミニズムを専門とする。著書に『ガザに地下鉄が走る日』(2018、みすず書房)『アラブ、祈りとしての文学』(2015年、みすず書房)『記憶・物語』(2000年、岩波書店)など。
◆高橋 美香(写真家)
 パレスチナに通い、パレスチナの人々と生活を共にし、人々の暮らしを写真とエッセイで伝える。著書に『パレスチナのちいさないとなみ』(皆川万葉と共著、2019、かもがわ出版)、『それでもパレスチナに木を植える』(2016、未来社)、『パレスチナ・そこにある日常』(2010、未来社)など。

【参加方法】
 ご参加希望の方は登録フォームまたはポスター内のQRコードよりお申し込みください。

【共催】
 ・科研費基盤研究(A)「イスラーム・ジェンダー学と現代的課題に関する応用的・実践的研究」グループ研究「ポスト紛争後の修復的正義とジェンダー」
 ・科研費学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築」A03「移民・難民とコミュニティ形成」班  https://connectivity.aa-ken.jp/
 ・科研費基盤研究(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的、領域横断的研究」
【問い合わせ先】
 イスラーム・ジェンダー学科研事務局( office@islam-gender.jp )

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実は、当日司会を務める成蹊大学の嶺崎寛子先生は、遠き昔の「エジプト留学生仲間」なのです。寛子さんは、当時よりメッチャ勉強されていて、同じ「留学生」なんて言葉ではくくれないんですけど。ウラマー(イスラーム法学者)の見解が示されたファトワー集を懸命にエジプト人の先生と読み解き、研究されていた姿が忘れられません。私はそのあいだ、スーフィダンスに夢中になり、スーフィダンサーと親しく付き合い、その撮影に夢中な日々でした。ああ、遠い青春。

そんな背景はともかくとして、第一線でご活躍される先生方の研究会のなかで、いったい自分のような野良フリーランサーに語るべきことがあるのだろうか?と、最初は躊躇して完全に腰が引けていましたが、「一般の方々に向けた発信」とのお言葉を聞くにつれ、お引き受けする気持ちになった次第です。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

当日は、先日のイベント「パレスチナを考える」ではあまり触れることのできなかった、難民キャンプの家族のお話をするつもりです。まさに「ちいさないとなみ」のお話を。

私の話はともかく、岡先生のお話は必聴です。多分、私が一番、先生のお話を聞くことを楽しみにしています。

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先週、ある仕事のギャラが入ったので、十条のパレスチナ料理ビサンに行ってきた。

それまでのいきさつは、先日の「おなかがすいた、ビサンに行こう」をご覧ください。
http://mikairvmest.livedoor.blog/archives/5833942.html

現在のオープン時間は17時から20時の三時間。先日も書いたように、お店を開けるのも閉めるのも苦渋の決断だろう。そんな思いを考えるとヒリヒリしてくる。

「大丈夫。パレスチナ人は『仕事がない』ってことに慣れてるよ。できることをやるしかない。いまね、『ほかのこと』もしているんだ。そっちが結構忙しい」と、どこまでもアイディアをカタチにしようと進み続けるスドゥキさん。ポッカリ空いた時間で楽しんでいることの話、これからやろうとしていることの話、それに関連して出てきた、スドゥキさんの故郷のおじいちゃんの思い出話を聞いた。

いわく、「昔は畑を耕して、ヤギや羊を育てて、金銭的には豊かではなくとも、なにも困らない自然な生活をしていた。いつの頃からか、イスラエルでの労働という貨幣経済に組み込まれ、金銭的にはそっちの方が稼げるから、多くのひとが畑をほったらかし、手入れをせず、土地を売り、イスラエルに『出稼ぎ』に行った。そして壁が造られ、検問所で出入りがコントロールされるようになって、多くのそういう労働者が仕事を失った。もう一度畑に帰ろうとしても、荒れた土地ではもう難しかった。子どものころはモモやアプリコットなど、いろんな果樹があって、そういうものをたくさん中東諸国に輸出していた。その何十台も連なったトラックの大きさを覚えているよ」(一字一句正確ではありません。要約)。

お店が混んでいたら、テイクアウトを頼もうと思っていたが、残念ながら貸し切り状態だったので、たくさん話を聞きながらゆっくりいただく。普段、自分ひとりのときはなにかにつけて、極限まで節約生活なので、ギャラの8割をビサンで使って豪遊するのは、本当に気持ちがよかった。一番食べたいものを、金に糸目をつけず、食べたいだけ食べまくる…人生にそんなこと何度あるのだろうか。本当に満足な、幸せな時間だった。

ビサンで一番好きなラム串(上の写真)。柔らかく、ジューシーで最高だ。夢にまで出てくる味。スドゥキさんは、「お店からのサービスだよ」と頼んでいないものも出してくれた。ホンモスとオリーブと一緒にパンにはさんでいただく。

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最初にオーダーしたのは、ラム串と甲乙つけがたい大好物のタッブーレ。レモンの酸味とパセリと玉ねぎとトマトのそれぞれの豊かな味がたまらない。クスクス(ブルグルかも)入り。これを食べているだけで元気が出る。

チキンステーキは初オーダー。いつもむしろ鶏モモ串を頼んでしまうので。スパイス(といっても辛いわけじゃない、念のため)がしっかり効いた味。柔らかい。ジューシー。懐かしい味。「パレスチナ人はバーベキューが大好きだからね。バーベキューのときのチキンの味。おかあさんが楽したいときは、バーベキュー。鶏をビネガーやレモンですすいでスパイスで下味をつければ、あとは焼くだけ」とスドゥキさん。ビリンのハイサムの家でもよくやったな、バーベキュー。

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お店にいろいろなモノが貼ってあり、飾ってある。ワタシの写真が、仲間入りをしていて嬉しくなる。

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最後の〆は、アラブコーヒーで。お供はバスブーサ。

他人から見れば「不要不急」だろうけど、ワタシにとっては、一番好きなビサンのご飯を食べ、なによりもひとりで奮闘するスドゥキさんの顔をみて、話をして、ビサンを応援する気持ちを伝えたかった。スドゥキさんの作るご飯を、こんなにも楽しみにしている人間がここにいるよと伝えたかった。こんな困難なときに、ひとりよがりな迷惑な話かもしれないとは思うけれど。

でも、応援するつもりが、なんだか元気づけられて帰ったのはワタシのような気がする。

正直に言うと、ただでさえいろいろと困難が生じているのに、スマホは不具合を起こしいくつかのアプリを開けず(そもそもスマホが古すぎる)そのうえ今月の終わりまであと十日も残して無残にもパケ死。自宅のネットの契約容量も大きくないので、仕事の送受信でせいいっぱい。(なので、ブログを更新している場合じゃない気もする)。

さらに自宅台所の配水管が詰まってしまい、黒い水があふれ流れゆかない。ヘドロのようなにおいにシロもプンプン。シンクをチラチラ見ながら大声で抗議しているが、ワタシにもどうしようもない。どれだけシュポシュポやっても、下手なのかうまくいかない(そして、それを放置したまま、仕事部屋にこもる)。

本当にありがたいことに、集中して取り組まなくてはならない仕事がいくつかあるので、パケ死ということもあるし、しばらくSNS(特に容量の問題でスマホのアプリを捨てたFB)から遠ざかる予定です。

最後に、先日ワタシの投稿をご覧になって、ビサンに仕事帰りに立ち寄り、そのうえワタシにも「もう一品追加して食べて」とばかりにカンパをお店に託してくださったNさん。本当にありがとうございました。なんとお礼を申し上げていいのか。この場をお借りして、心よりお礼を申し上げます。

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もうひとつ、シロさんポストカードをご注文くださったみなさま、ようやくプリンターのインクが届いたので、続きを製作のうえ今週中には発送します。もうしばらくお待ちください。

十条近郊にお住まいの方、十条にご用事のある方、ぜひとも晩ご飯にパレスチナ料理(のテイクアウトも)をご検討ください。

ビサンのHP
http://bisan.biz/

スドゥキさんから聞く話、彼の生きざま、まさに『パレスチナのちいさないとなみ』で伝えたかった姿なんだよなあと、いつも会うたびに思います。

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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

パレスチナ・オリーブのサイト
http://paleoli.org/

読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。

もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。

ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。

★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/1026.html


アマゾンのページ
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%BF&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&ref=nb_sb_noss_2


★過去の著作★

★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
 
アマゾン
http://amzn.asia/bUm0U7i 


★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。


★ポストカードセット
パレスチナ
8枚組600円+送料実費(2セット以上より発送)

うちの猫シロさん
3枚組500円+送料実費(2セット以上より発送)
ノラ猫シロさん(保護前の公園暮らし時代)セットと家猫シロさん(我が家の一員となってから)セットあり



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十条にあるパレスチナ料理ビサンは、ワタシにとって「心のオアシス」「ライフセーバー」みたいなものだ。ただ「パレスチナ料理が食べられる」というだけではない。本当に美味しいのだ。

パレスチナではレストランで食事をするよりも、お互いの家を訪ね合って、家庭料理でわいわいもてなしあうのが一般的。最近は都市部では若者を中心にレストランやカフェの利用が増えてきているけれど、でもそれは一部の「新しい文化」。圧倒的大多数は、祝祭日や休日金曜日の家族で囲む昼食が一番のごちそう。「母ちゃんの手料理」が一番のごちそう。

とはいえ、当然、その「母ちゃんの手料理」にも上手い下手はある(ド下手なワタシに言われたくない、という前提は忘れてください)。何百軒もの家庭料理をごちそうになってきた経験から、「うわー、ここのご飯美味しい!」と舌鼓を打つことも、「あれれ???(以下略)」なことも(すみません、できないワタシがエラソーなことを言える筋合いは全くないんです、でも話を進めます)。

友達が「長いあいだ、うちの母ちゃんの料理がスタンダードだと思って生きてたんだけど、子どものころから親戚や友達の家でご飯を食べるたびに、『あれ?なんか家よりうまいな』と薄々感じてた。家を出て、思いっきり離れてみて『ああ、うちの母ちゃんは料理が得意じゃない、好きじゃないんだな』と気づいた。母ちゃんを傷つけないように、恐る恐る聞いてみたら、本当にそうだった。それからは、暇さえあれば俺ができるだけ作るようにしてるよ。母ちゃんは、素直に喜んでる。『あんた、料理うまいね』って」と、手料理をふるまってくれたことがある。お母上は「私は料理が下手なんだけど、息子は上手くてね!助かるよ」とおっしゃっていた。お母上と料理ベタあるある話で盛り上がったことは言うまでもない。

あたりまえのことだけど、みんな得意、不得意があるってこと。それでも、圧倒的に家庭では女性が台所に立ち、料理をすることが多いパレスチナ。あ、日本もそうだな。パレスチナでは、茶さえ自分で淹れられない男がいる。これワタシの友達にも本当にいる。わざわざ隣の家の母親か妹に淹れてもらうの、たまげた、ホントに。

さて、話を戻そう。そんなパレスチナの家庭料理がビサンの料理。そして、あちこちの美味しい家庭料理をいただいてきたが、スドゥキさんの料理の美味しさは突出している。スドゥキさんも、お母さんから学んだそうだ。そのあたりの話は、ぜひお店でご本人に聞いてみてね。ワタシは何回聞いても、努力家で頑張り屋さんのスドゥキさんらしいエピソードだなって思う。

そしてワタクシゴトになるが、普段、文字どおり爪に火を点すような生活をしている。交通費を節約するため5キロくらいなら歩いたり、昼食は基本的に150円以内だったり・・・枚挙にいとまがないが。でも、そんな生活のなかでも、自分に許していることは「好きな本を買うこと(もちろん全部じゃないけど)」「美術館で絵の展覧会をみること」「旅先でほしいものを買うこと(たいてい帰国後に持て余すんだけど)」とともに、「ビサンに行くこと、行ったときくらいは好きなものを存分に食べること」。

パレスチナが恋しくてたまらないとき、パレスチナの味が恋しくてたまらないとき「ビサンがある」というだけで、ワタシの心は救われる。さっそく仲の良い友達に連絡を取って、連れ立って食べに出かける。ある程度の人数で行った方が、いろいろなものを食べられるから。


でも、昨今のこのご時世で、飲食店も厳しい状況が続いていると聞く。ワタシはもともとあまり外食をしないので、その様子を実感として感じる機会は少ないのだが、そういう話をあちこちで聞く。


ただでさえ、ビサンに行きたい、スドゥキさんの料理が食べたいとの思いが限界に近づき、夢にまで見る始末なのに、外出を控えている友達を誘えないうえに、自分にはいまほとんど収入もない。応援の意味でも行きたいのだが、なかなか行けない。

でも、休業補償がない限り、お店は感染のリスクがあってもなかなか閉められないだろうなと、勝手に察する。そこで、ふと、「勝手に応援」と題してフェイスブックとツイッターで投げかけてみた。

【勝手に応援】
ワタシにとって、絶対になくなったら困るのが、十条のパレスチナ料理ビサン。コロナ禍により、飲食店も全体的に影響を受けている昨今、応援のために食べに行きたいのに、いまワタシにもほとんど収入がない。

ビサンでは、普段からテイクアウトはもちろんメニューにない料理なども気軽に相談に乗ってくれるので、お近くの方は、お近くの方でなくてもいろんな意味で余裕がある方は、是非とも買って食べて支えていただけたら幸いです。

...

ビサンに行きたいよー。夢にまで出てくる、スドゥキさんの料理、笑。いま収入がほとんどないワタシには無理だけど、お金が入ったら行くからねー!

スドゥキさん、ホントに大きなお世話だったらごめん。「忙しいのに、これ以上忙しくしないで!」だったらごめんね。でも、そうだったら嬉しいな。
(FB投稿より)

 
すると、その夜スドゥキさんからメッセージが来た。
「収入がなくってもいつでも来てね。ミカさんはワタシの家族だよ」と。

心配しているつもりが、心配されてどうするよ。その厚意に、好意に甘えるわけにはいかないの。お店に食べに行く限り、ワタシは客でありたい。お金をきちんと払いたい。ワタシが写真を撮り、文章を書く仕事できちんとお金を受け取りたいように。好意や厚意を期待されて無償で仕事をお願いされたくないように。だから、ありがたいお言葉だけど、「次のギャラが入ったら真っ先に行くから」と返事をした。

やはり、お客さんは減っているようだ。「でもゼロじゃないから」とポジティブなスドゥキさん。めっちゃ前向きで、めっちゃコツコツ努力家。

昨日、スドゥキさんのFBでテイクアウト用の「おべんとう」の投稿をみた。シャワルマ(いわゆるケバブ)とホンモス(ひよこ豆のペースト)、ムタッバラ(ナスのペースト)と思しきペースト、ポテトフライ、サラダ、おそらくピタパン付きと思われる写真だった。ランチセットの値段と同じく1320円(税込み)とのこと。定番なのか、たまたまこの日のセットなのかは不明なので、お店に聞いてみてね。

ともかく、テイクアウト可能なので、ぜひともお近くの方、お近くでなくとも行ける方、買って、食べてください。

今日は、いままでビサンで撮った、たくさんの写真とともに。

ビサンのホームページ

http://bisan.biz/

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ペーストやオリーブやサラダ各種。ムタッバラとタッブーレ(パセリのサラダ)がワタシの大好物。
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これは焼いたラムが載ったごはんだったかな。
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煮込み料理も美味しいよ。ファスーリヤ(インゲン豆)やバーミヤ(オクラ)煮込みは家庭料理の定番。ご飯にかけて食べます。
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マラミーヤ(セージ)ティーとクナーファ!!!この日のクナーファは特別メニュー。中のチーズが手に入りにくいって聞いた。
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拙著『パレスチナのちいさないとなみ』のチラシを持って宣伝してくれてるスドゥキさん。インムファラジュの写真をものすごく気にいってくれているので、今度お店にプレゼントします。
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定番のペースト四種盛りとピタパン。ピタパンはいくらでも追加注文可能です。腹具合と予算に合わせて。
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これまたワタシの大好物ヤギのチーズ。
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ワタシに注文の決定権がある日は必ずオーダー、ラムの串焼き。一番の好物です。
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コフタ(アラブ風ハンバーグというかミートボールというか)
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タッブーレ
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お客さん少ない日のスドゥキさんと雑談
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モロヘイヤもご飯にかけて食べます。これも家庭料理の定番。iPhone 2018.10 213
これは、いまは完全予約制になったランチメニュー。ケバブ(左)とバーミヤ(オクラ、右)セット。それぞれ1320円(税込み)
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ファラーフェル(ひよこ豆のコロッケ)はパレスチナではファストフードの定番。
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キリがないほど写真があるので、この辺でやめます。写真は全部スマホの写真なので、イマイチですみません。実物はどれも輝くばかりのオーラです。フォトジェニックです。

予算に応じて、こちらの要望をいろいろ聞いてもらえるので、まずは問い合わせ、相談してみてね。言い忘れましたが、スドゥキさんの日本語はネイティブ並みです。安心してお問い合わせを。

以上、ビサンを勝手に応援でした。

早く行きたい。パレスチナにも行きたい。


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『パレスチナの ちいさな いとなみ』刊行記念 高橋美香×皆川万葉スライドトーク
食べて語ろう Palestine Night

 
『パレスチナの ちいさな いとなみ』(かもがわ出版)の共著者で、フェアトレードでパレスチナの商品を輸入販売しているパレスチナ・オリーブ代表皆川万葉さんと、刊行記念スライドトークイベントが神保町のブックハウスカフェにて開催されることになりました。

今回のイベントは、ワタシも大好きな十条のパレスチナ料理Bisanのオーナーシェフ、スドゥキさんがつくるファラフェルサンド(ひよこ豆コロッケのサンドイッチ)+飲み物付きです。

日 時:2019年10月7日(月)18:30~20:00(受付開始18:00)

会 場:神保町ブックハウスカフェ
東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル

参加費:『パレスチナの ちいさな いとなみ』書籍代込み3500円
参加費のみの場合は2500円
〔いずれも、ファラフェルサンド(パレスチナの軽食)+飲み物付き〕

お申込:ブックハウスカフェ 店頭・電話。メールにて
電話:03-6261-6177
メール: yoyaku@bookhousecafe.jp
メールでのお申込みの際は、件名に「10/7 パレスチナイベント」とし、本文に「お名前フルネーム(よみがな)・お電話番号・ご参加人数(大人/子ども)」をお知らせください

主 催:ブックハウスカフェ
共 催:かもがわ出版

神保町ブックハウスカフェ
https://www.bookhousecafe.jp

また、9月17日(火)~10月7日(月)には、入口横のディスプレイウィンドウにてミニ写真展とパレスチナ・オリーブの商品販売もあります。

みなさまのお越しをお待ちしております。


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