世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著、かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

タグ:中東

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昨年より準備を進めてきた新たなパレスチナについての本『パレスチナの ちいさな いとなみ』が、いよいよ6月に刊行予定です。

この本の宣伝を始めようとすると「来年の話をすると鬼が笑う」とか「捕らぬ狸の皮算用」(ちょっと意味違うな)とか、なぜかそんな言葉ばかりアタマに浮かんでくるのです。あまりきちんとかたまっていないうちからこの本の話をすると、身動き取れなくなりそうで、ずっと言えないままでした。

今回は、初の共著です。本の話が出たときに、スタート地点で「いま一番いっしょにパレスチナを語りたい!」と思ったパレスチナ・オリーブの皆川万葉さんとの共著を提案し、万葉さんにもお願いしました。

そもそもワタシは、パレスチナにかかわり、人びとの暮らしのなかからモノゴトをみつめるなかで、パレスチナの人びとにとって「仕事がある」ということは、とても重要なことなのだと気づかされました。そんなの自分の身に置き換えてみれば当たり前のことなのですが、「紛争地」という事情に気を取られすぎていて、そんな「当たり前」になかなか気づけませんでした。

本のなかで、それがどういうことか語っている(つもりな)ので、ここではこれ以上語りませんが、そのことに気づいたとき、パレスチナの人びとに継続的に「仕事」をもたらすことができるというかかわり方こそ、一番必要なことなのではないかと思いました。現地で起きていることを伝える、彼らとともに占領に抗う…と同じか、それ以上に。

パレスチナに関する、ありとあらゆるイベントなどに呼んでもらうことがあるなかで、その多くの場所で「パレスチナ・オリーブ」のオリーブ石鹸やオリーブオイル、刺繍製品などを目にしていました。普段は100円、200円の交通費をうかすために何駅も何キロも歩いているような生活でも、「このお金がパレスチナにつながるんだ」と思わず石鹸やオイルを買ってしまいます。そんな製品を長年扱っていらっしゃるのが皆川万葉さんでした。

そんな万葉さんと出会い、とんとん拍子で一緒にパレスチナを歩き、毎晩ホテルのベッドの上であーだこーだと語り合うなかから、この本は生まれたような気がします。

パレスチナ・オリーブのサイト(石鹸、オリーブオイル、刺繍製品などが買えます!)
http://paleoli.org/

この本は「中学生にも手に取ってもらえるように」というものを目指してつくっております。本の内容やコンセプト、パレスチナのなにを伝えたいのかは、いまはひとまずチラシからご想像ください。

ブログを書くより、原稿を書けよ!ではありますが。

毎日、パレスチナからは辛いニュースがつづきます。グレートリターンマーチの参加者への過剰で異常な弾圧。西岸でも一昨日はカランディア難民キャンプで、昨日はフワーラ検問所で青年たちが射殺されました。昨日はシュアファット難民キャンプ(分離壁と検問所でエルサレムから「切り離され」た、エルサレムの難民キャンプ)で、友人と一緒に訪ねたスポーツ施設が「不法建築」だとして破壊されました。

こんなニュースのなかで、自分のしていることがなにになるのか?と、虚しさに負けてしまいそうなときもしょっちゅうです。そんな心情を前著『それでもパレスチナに木を植える』でも吐露しました。進歩ないなあ、と自分でも思います。

それでも、たっぷり落ち込んで、また進みます。カメの歩みのようでも。なにになるわけでもなくても。これが自分の人生だから。人間の一生なんて、終わってしまえば、きっとあっという間。あんまり先のことは考えず、いま自分が一番大切だと思っていることを、ただ積み重ねていくのみです。

ああ、書き始めると長くなる。このへんで終わりにします。

6月の刊行(予定)をお楽しみに!

★★★追記(5月22日)★★★

ブログの更新がすっかり滞ってしまっておりますが、本の刊行準備は順調に進んでおります。現在は再校ゲラと格闘中。6月半ばに刊行されます。

追加の情報をいくつか。

まず、チラシでは第三章が万葉さんとワタシの対談予定でしたが、対談を起こして確認するうち「これはこの対談をもとに、Q&A方式で書き直そうか」という話になり、本の背景について、それぞれが文章にしました。


★★★★

『パレスチナのちいさないとなみ』出版記念会開催決定!

何度も過去に「パレスチナ映画の上映会や映画祭」「帰国報告会」「出版記念会」などでお世話になっている、おなじみの喜多見(住所は狛江市)のM.A.P.で6月21日(金)と22日(土)にまた「『パレスチナのちいさないとなみ』出版記念会」を開いてもらうことになりました。

日時:6月21日(金)19時から
   6月22日(土)14時から

参加費:三千円(本代込み 定価1800円+税)
※書店ですでにご購入の方は参加費1200円


場所:M.A.P. 狛江市岩戸北4-10-7-2階
小田急線喜多見駅徒歩五分
03-3489-2246

イベントについての詳細はこちらで随時発表
https://www.facebook.com/events/277705859806281/

当日は、本のテーマ「お仕事」「働いている、生きている」という切り口でパレスチナの人びとについてのスライドトークを予定しております。また、トークの前には、M.A.P.の高山正樹さんによる毎回好評の「パレスチナ入門講座」を予定しております。

現地でパレスチナの人びとに愛飲されているマラミーヤ(セージ)ティーやミントティー、アラビックコーヒーなどもご用意する予定です。(すみません、完全無料でのご提供か有料もしくはカンパでのご提供かは未定です。)

本はもちろんのこと、パレスチナの刺繍クラフトやクフィーヤ(スカーフ)、現地で買い付けてきた雑貨なども販売予定です。

そして、22日はなんと!共著者のパレスチナ・オリーブの皆川万葉さんが、パレスチナ・オリーブで扱っていらっしゃるオリーブオイル、オリーブ石鹸、刺繍製品(販売物の内容は未定)などとともにゲストでお越しくださいます。この日は、ふたりの対談も予定しております。

みなさまのご予約、ご参加をお待ちしております。

本を準備する都合上、なるべく事前にご予約ください。
上記のリンク、FBのイベントページからもご予約可能です。

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● 『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i

●『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

●写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。

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12月15日土曜日、国立の「カフェ・れら」(国立市東1-16-7)において、取材と支援活動でそれぞれ出会ったパレスチナとアフガニスタンのあるふたりの女性(難民キャンプの女性と山あいの小さな学校「山の学校」の卒業後母校の教師をしながら大学に通う卒業生)とその家族の暮らしからみえてくるものについてスライドを用いてお話します。

なお、当日販売予定のアフガニスタンのクラフトは「山の学校」の現地での協力なサポーター、アフガニスタン在住の安井浩美さんの主宰される会社シルクロードバーミヤンハンディクラフトの商品です。これらの品を買うことで同社で働く女性たちの工賃や賃金として生活を支える一助となっています。パレスチナのハンディクラフトはビリン村の女性たちが作ったものが主になります。

以下、お店からのご案内を転載します。

写真は一例です。必ずしも当日同じものがあるとは限りません。

<高橋美香さんのお話&スライド>
〜戦禍に生きるパレスチナとアフガニスタンの人びとの日々の暮らしを見つめて
12月15日(土曜)pm6時〜 1時間位を予定しています。
\1000

*高橋美香
写真家。著作に「それでもパレスチナに木を植える」「パレスチナ・そこにある日常」など。アフガニスタン山の学校支援の会運営委員。

<手織り 手刺繍のクラフト展>
12月15日〜25日 11:45〜20:00
*高橋美香さんが取材や支援活動の中で出会ったパレスチナ、アフガニスタンの女性たちの作品です。
生活 自立支援のための販売、是非見にいらしてください!

カフェ・れら

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パレスチナで十日間ほどご一緒した友達が先日主催してくれた十条のパレスチナ料理屋ビサンでのスライドトークにご来場くださったのは、大宮のベーグル屋さん小春日和のオーナー。その友達に先日「ベーグルを食べに行こう」と誘ってもらって行ってきました。

もともとベーグルのモッチモチ感がかなり好きなんだけど、小春日和のベーグルは本当においしい。併設されているカフェで食べるベーグル最高です。きれいなお庭も心安らぎます。

さてさて、本題。その小春日和で今月クルドのお母さんがつくるオヤを置かせてもらい、販売することになりました。

お店のホームページ
http://www.koharubiyori-bagel.com/wp/about/

さいたま市大宮区堀の内町3-39-1
火・水・木・金の営業(土日月はお休み)
10時から18時

写真はお店からお送りいただきました。

ベーグルを購入されるついでに、オヤを手に取ってご覧いただければ幸いです。

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今年もまたこの時期に、地元に帰省します。地元皇子神社の秋季例大祭で奉納される神楽の撮影に帰ります。子どものころから、この神楽が大好きでした。

昨年同様に帰省した際に広島のみなさまのご尽力で実現した広島市でのトークにお越しくださった方のご尽力により、今年は地元、広島県府中市で「パレスチナのいま」と題されたスライドトークをおこないます。

日時:10月9日(火) 10時から11時半

場所:府中市文化センター3階会議室
   府中市府川町70番地

参加費:千円(飲み物、お菓子付き)
ワタシもアラビックコーヒーを持ち帰るように努めますね!ご来場のみなさまにもお召し上がりいただけるように努めます。もし実現しなかったらお許しください。

ご参加のお申し込みは、こちらのページからも可能です
フェイスブックのイベントページ
https://www.facebook.com/events/244782982893460/

お申し込み・お問い合わせ
miho_bluemoon★yahoo.co.jp(★を@に変えて)
杉原さん

みなさまのお越しをお待ちしております。

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『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i



また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。

『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 重版が決定しました。
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1

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出発前にお預かりしたカンパの報告、最後は(B2)の部分についてです。

ビリン村には「外に働きに出たくても出られない」様々な事情を抱えた女性たちがいます。家族の反対だったり、子どもがまだ小さかったり、失業中の夫が「体面が悪いから」と許さないこともあります。家計は火の車なのに。親族からの借金で生活をまわしている、という話もよく聞きます。たまに収入があると、それらを順番に返していくそうです。

そんな女性たちが、家のなかでも、家事の合間のわずかな時間にでもと、刺繍をしています。ただし、刺繍をしても、それだけではわずか10シェケル(330円)くらいにしかならないそうです。「資本力」と「販売力」のある「元締め」を除けば、手間賃として入る収入はわずかです。

ビリン村で、たくさんの女性たちが刺繍仕事をしてわずかな手間賃を稼いでいました。でも、誰に聞いても、「その賃金が割に合わないけれど、ほかに稼ぐ手段もない」と多くの女性が口をそろえて言いました。そこで、非常に熱心でなおかつ向上心もあり、改善の努力を惜しまない姿勢をもつ女性たちのグループに、白、黒、赤、茶、緑の布地と刺繍糸、各色裏地、各色ファスナーの材料、中古ミシンを買って提供し、その材料を使って今回の期間中に製作された品物約500ドル分を買い上げてきました。

以前、村にやってきたフランス人とイギリス人には代金未払いのまま品物を持ち逃げされ、日本人には安値で買いたたかれたとの話を聞き、それぞれどんな事情があるのかは知らないが、ゲンナリする。

なにはともあれ、プロの方があいだに入って指導されているようなグループの作品と比べると、やはり見劣りするし、かといって自分もそれ以上の労力は割けないし、またその方面の能力もないし。まあ、どこまで続けられるものやら…と思いつつ、5年続いている。途切れ途切れではあるものの。

そして、光熱費を払うことに困っていた彼女たちのうちの一人に生活支援を、また同じ村のママ…『パレスチナ・そこにある日常』の表紙のひと…の糖尿病、人工透析費用の支援の一部にも、皆様からお預かりしたカンパのなかから下記の金額を充てさせていただきました。

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:収支報告:

・収入
カンパ
(オリーブの苗木) 15,000円
(使途は高橋に一任)84,200円 
前回からの繰越金 25,570円

計124,770円

・支出
アワード家(ジェニン難民キャンプ)支援 38,500円(J)

ハイサム(ビリン村在住カメラマン)活動支援 13,800円(B)
オリーブの木購入(ビリン村) 26,400円(B)

刺繍クラフト製作支援、材料費(ビリン村)14,000円(B2)
ミシン購入支援(ビリン村) 6,000円(B2)
生活支援(ビリン村)14,700円(B2)
治療費支援(ビリン村) 11,500円(B2)

計124,900円

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