世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2008年10月

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今日は仲間の「タイ山岳民族子ども笑顔の会」のthinkiwiさんが横浜の某中学校で講演を行った。世界中のすべての子どもが持っているはずの「学ぶ権利」についての講演。彼らが支援するタイ北部の山岳民族の村の学校の子どもたちの現状をベースにした、日本人が何の疑問も抱かずに「義務教育」として当然の如く受けている教育についての話。

thinkiwiさんの活動のブログはコチラ→http://blogs.yahoo.co.jp/thinkiwi

カレン族の置かれた現状、定住化政策の犠牲になり伝統的な焼き畑農業を続けられず定住化を強いられ、タイ語も話せないために社会の底辺での生活を強いられたり、騙されたりしている現状。そしてそれを変えていくにはタイ語も含めた教育が不可欠であること。そこでこの地域への支援が始まったこと。

彼は、実際に現地に行ってみて、学校や寮を見て「満足な支援が行き届いているのではないか?自分にこれ以上することはないのではないか?」と感じたと言う。

しかし、子どもたちと接して対話を重ねるうちに、親から遠く離れた村で寮生活をしながら学んでいる子どもたちの、どうしようもない寂しさと望郷の念を感じていく。運良く、滞在中に「母の日イベント」で故郷から保護者が子どもたちを訪ねてくるイベントに接し、普段はしっかり者の子どもたちが親に甘え、親が去る姿に肩を落とす姿に遭遇する。

「年に2回しか故郷に帰り、家族に会えない子どもたちの心に寄り添いたい!大きな箱ものプロジェクトではなくて、もっと小さな忘れられがちな日々の生活に必要なものを届けたい。そして、子どもたちと心の交流を丁寧に重ねて見守っていきたい」そう感じた彼は、家族や仲間とその目標に焦点を当てた支援活動を始めた。そして、今に至る。

「今日は講演を手伝いに行きます!」なんて言っておきながら、実際に力仕事すら必要ではなくて、機材にも疎い私は昼夜二食も御馳走になった挙句、講演を生徒さんたち以上に聞き漏らすまいと耳を傾けていただけ。何の役にもたちゃあしない(笑)

大きな拍手に送られながら、これから自分の手で将来を作り上げていく日本の子どもたちの心に、しっかりと大切なことを残して去る仲間の姿が眩しかった一時間数十分。

講演後に生徒さん達からお礼の言葉と花束が。キレイな花に彩られて、恐縮しながら微笑むthinkiwiさんと奥さんのKさんを眺めていると、とっても嬉しくなってきた。

そして、thinkiwiさんのお子さんたちと合流し、しばし家にお邪魔し、メキシコ料理屋で夕食を御馳走になった。図々しすぎ!

物質だけが支援じゃなくて、きちんと現地の人の心に寄り添って行く活動をすること。支援という言葉からはなかなか見えてこない、自分たちの側こそが彼らから多くを貰い、学ばせてもらっていること。そういう姿勢に深く共感しながら、約一年thinkiwiさんたちと交流を重ねてきた。この交流から、お互いの活動がもっともっと高まっていくといい。

こんな素敵な仲間たちと再び一緒に行う東中野ビタミン・ティーでの写真展。より多くの人に、より深く伝わる写真展にしていきたい。

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ようやく無理やりHDDを開けて、釧路の写真を入れられた!大きな画面で真っ先にチェックしたのは…釧路市動物園の写真。カムイであるシマフクロウの写真も気になったけれど、一番気になってたのがコレ。撮った瞬間「面白い!」と思ったんだ。

二頭のレッサーパンダが、まるで玄関先で回覧板持ってきた時みたいに立ち話…に見えない?

自分的には大ヒット。

さて、表題の写真とは関係ない話を。

今日は、山の学校の仲間と会場に打ち合わせの最終確認に行ってきた。もう来週末9日には報告会本番。今年は子どもたちの笑顔の写真もさることながら、アフガニスタンの音楽演奏のミニライブも開催。カルダモ―ン入りのアフガンティーやアフガンからもって帰ったナッツ類とともに、子どもたちの笑顔に囲まれる時間。多くの方々にご来場いただきたいなあ。
詳細はhttp://www.h-nagakura.net/yamanogakko
当日いきなり時間が空いたという方も、予約不要なので是非お越し下さい。

さらに、13日から18日には東中野のギャラリー、ビタミン・ティーで仲間のthinkiwiさん達とアフガンとタイの子どもの笑顔の写真展を開催。こちらにも是非お越し下さい。
詳細はhttp://www.vitamin-tee.jp

皆様どうぞよろしくお願いします。

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ラマダーン(断食月)に合わせて旅に出た。イスラーム社会では、ラマダーンの間日没後は毎晩お祭り騒ぎ。カイロのイスラーム地区、フセインモスクの周辺も、日没後は夜を楽しむ大勢の人々で賑わう。このフセインモスクは、喜捨により賄われる無料のイフタール(日没後の最初の食事)が振舞われる場所としても有名。モスクの周りに設えられたテーブルとイスに着席し、見知らぬ隣の人とイフタールを楽しむ人々の姿が見られる。イフタールが終われば、この広場に集い、お茶を飲み、おしゃべりに興じるカイロっ子で大混雑だ。

この周辺には、衣類を扱う市場も点在する。ラマダーン明けのお祭りのために、家族の新しい衣服を揃えようと家族連れで夜遅くまで買い物を楽しむ。エジプトの子どもや赤ちゃんは、結構宵っ張りなので、ネムネムながらも遅くまで親に連れられて歩いている。

ラマダーンの間は、ファヌースという特別のランプがあちこちに飾られる。街の彩りを見ても、やっぱり特別な日々。だからこそラマダーンに合わせて訪れたかった。

カイロに到着してふた晩目の写真。我ながら興奮冷めやらぬ様子が写真から伝わってくる。エジプトのエネルギーを少しも撮り逃すものかという興奮が…。

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カイロ動物園の記事を続けようかと思ったんだけど、ふと気が変わった(笑)まあ、気まぐれなもんで。最近時間さえあれば、エジプトの5000枚の写真を必死で整理している。容量の小さいうちのノートパソコンでは、このままでは釧路の写真を入れられない…。思い切って、ザックザク捨てているのだが。そうしてるうちに、ピンときた。今日はこの写真で行こう。

本当はイードの三日間の間に訪れたかった、大好きな街タンタ。アレキサンドリア方面の国鉄に乗って急行で1時間ほど。何度も言うように、ガーミア・アハマド・バダウィというスーフィ宗教家の建てたモスクを取り囲むように街が栄えている門前町の風情。外国人旅行者は少ない街だが、私にとって、訪れると必ずいい出会い、いい写真をもたらしてくれる幸運の街。イードに沸く街を撮りたかったが「日記」でもお伝えした通り完全ダウンで果たせなかった。帰国の二日前に慌ててすっ飛んで行ってきた。

小さな街なので、同じところをグルグルしながら人々と言葉を交わし、楽しい被写体を探す。そんな時にモスクの裏側で屋台を開いている商人たちが椅子に座ってザクロを食べていた。通りがかりに、ザクロを持ったお兄さんと目が合ったので、どちらからともなく挨拶を交わした。とても素敵な笑顔だった。
「ほら、これ食べなよ。カメラベタベタにならないように気をつけて」
とニッコリとザクロを差し出してくれたお兄さん。

たった数分の遣り取りだったけど、深く印象に残っている出会い。

やっぱりタンタは外せない。

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さあ、もっと中に入っていってみよう。

新しい洋服を着て、ピカピカの子どもたちが小銭を握りしめて、コシャリ(エジプト混ぜご飯)を買ったり、泡が出てくるスプレーを買って吹きかけあって遊んだり、買ったばかりのゴーストのお面をつけてはしゃぎ回ったり…。まるで神社の秋祭りの屋台が並んでいるよう。正月の初詣も思い起こさせられる。新しい服を着て、家族や友人と過ごす特別な日、そういうものは世界中どこに行っても変わらない。

あ、ようやくライオンに会えた。でもかなり遠いので撮れないや。ラクダの親子が居る。子どもラクダは涙の跡があるぞ。

カイロ動物園は、動物たちの目の前に居る飼育員にチップを渡すと、餌である草を動物たちに食べさせることが出来たり、至近距離で動物と記念撮影が出来る。どうやらそのチップで飼育員さん達の生活費は賄われているのでは?というくらいに各々熱心に勧誘に励んでいる。子ども連れの親などは、ここぞとばかりに子どものかわいいスナップを撮りたいので、嫌がる子どもをなだめすかしながら動物たちの傍へ行かせようとする。怖がる子も多いんだよね。そういうカイロっ子の親バカぶりも見ていて楽しい。でも、自分が親だったら、その行列に並んで同じことするのかな?けれども、そんなに各家庭にカメラが普及する前に携帯の方が先に普及したので、大抵みんな携帯のカメラで撮って、満足げな顔で写真を眺めている。エジプト人の友達に、会えばまず携帯に入っている家族の写真を見せられるのはそう言う訳。

まだまだ続きます~。

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