
生まれたばかりの最愛の娘アダ―リと何カ月も離れて暮らすことは辛かったと。でも、そのアダ―リがビリンで安心して暮らしていけるように…と、アシュラフは毎週体を張って分離壁と占領に立ち向かっている。
何度も撃たれ、拘置所では暴力をふるわれ、アシュラフは片足を引きずりながら歩いている。持ち前のガッツとパワーで、そんなハンディは普段は感じさせないけれど、それでも冬には足が痛むのか、いっそう足を引きずっていた姿が忘れられない。
そして先日のデモで、また左足をイスラエル軍に撃たれていた。
明るくて、ひょうきんで、優しくて強いアシュラフから、彼の祖父の話を聞いた日のことが忘れられない。彼が話してくれた家族のルーツは、ハイサムからも聞いたことがない話だった。
いま、アシュラフは「自分の故郷」と愛する家族を守るために、自分の身を削ってまで闘っている。そんな友の闘いをひとりでも多くの人に知ってほしいと、ワタシも自分なりに真剣に本づくりに向き合っている。
その本は、10月下旬に発売予定。
写真は、前線をみつめるアシュラフ。飛んできた催涙弾をイスラエル軍に投げ返す炎のファイター。でも、それゆえにイスラエル軍には目ざわりで、頻繁に標的にされている。


