
ハバナの人は、工夫したおしゃれをする人が多い。個性的。決して余裕のある暮らしではないと思うが、あちこちの市場や古着マーケットなどをまわって、おしゃれを楽しんでいる。ハバナの中心部には、店舗を構えた服屋さんもあるが、それは、驚くほど高い。誰がこんなの買えるんだろーと驚くが、外貨にアクセスできる層が確実にいるらしく、アディダスやプーマなどのショップには、ひとがあふれていた。冷やかしだけの人もいるだろうけど。
出会ったハバナっこは、総じて、品物不足や「豊かな」欧米へのあこがれなどに、キューバの現在への不満を口にするけれど、それでも、いま目の前のことを楽しむということに長けていた。カルナバルを待つ人たちも、そんな雰囲気に満ちていた。
マレコン通りを歩いていると、ふたりの若者に「どこから来たの?」と声をかけられた。しばらく話していると、カバンからウィスキーを取だし、「一緒に飲みながらカルナバルを待とう!」と誘われた。他意は感じられなかったので、しばらくウィスキーをラッパ飲みしながら、いろいろと話した。
じっとしているのも飽きてきたので、街を歩くといって彼らに別れを告げると、口々に「ハバナの夜を楽しんで!」「カルナバルを楽しんで」と手を振ってくれた。
すっかり季節も変わり、ハバナでの日々が遠い昔のことのようだ。
