
パレスチナで年越しをするのは二度目。前回はエルサレムで上がった花火を眺めながら、2010年を迎えた。2011年の幕開けは最悪で、その日、ビリン村でジャワーヒルが亡くなった。前日のガス中毒で。そして2012年、その一日目は、普段と何も変わることのない一日だった。みんなで朝ごはんを食べて、マハの実家に行って、たくさんの人に囲まれながらお茶を飲み、ジェニン難民キャンプに帰った。
あれから一年かあ。
今年は、かなり私生活も精神的にも揺れた年だった。悪い時に悪いことは重なるもので、どうにも身動きが取れない時期に、カルミーの命が失われた。「もう苦しまなくていい、天国はカルミーにとって心地よいところなんだ、逝かないでほしいと思うのは遺されるもののエゴなんだ…」そんな風に、自分を納得させようと努めた。
いいこともあった。大間と祝島という、対照的な「原発と闘う」地で、たくさんの人に出会えた。そして、なんといっても、ビリン村が舞台の映画「壊された5つのカメラ」が日本で公開された。夢みたいだ。ビリンの闘いを多くの人に知ってもらえた。そして、監督のイマードは日本にやってきた。
宮古に行きたいな。もちろんパレスチナにも。沖縄の実さんにも会いに行きたい。毎日のようにそんなことを考えている。
来年はいい年になりますように。当たり前に働く普通の人々が普通に暮らしていける、そんな世の中でありますように。
今年一年、ありがとうございました。みなさま、よいお年を。



