世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2013年05月

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講演のために四日ほど地元に帰ってきた。そのあいだ、アフガニスタンの「山の学校」のあるパンジシールの入り口にある州庁舎、ワタシも何度もその前を行き来してきたあの場所が、タリバン兵士に襲撃されて、爆破までされるというニュースに動揺した。

春の雪解けとともに、タリバンの活動が活発になるとは毎年言われることではあるが、それにしてもワタシたちがアフガニスタンを離れてしばらくしてから、あちこちで自爆が続いている。カブールなどここ最近、頻度を増している。

講演の準備をしながら、パレスチナのことを考えようとしても、アフガニスタンのことが頭を占める。タリバンは警官の制服まで着ていたという。パンジシールにも、タリバンに通じたひとが手引きをしているのだろうか?あの検問を潜り抜けてきたのだろうか?それとも、山道を峠を越えて歩いてやって来たのだろうか?

パンジシール出身の友達に電話をしてみる。「もう、戦闘も終わったし、鎮圧されたし、大丈夫」と軽く言われる。アフガニスタンでは、いちいちひとつのことを重く受け止めすぎて立ち止まっていては、とても生きていけない。子どもたちも、そんなことに関係なく、元気に日々を過ごしていることだろう。

子どもたちは山道を駆けぬけて学校へやってくる。きっと、こんな日も、今日も、そんな光景が変わらなくあの山にはあるに違いない。

アフガニスタンで、もう子どもたちの笑顔が消えるようなことが起こりませんように。

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アフガニスタン「山の学校」の多くの子どもたちのなかでも、サラームは特に気になる子のうちのひとり。彼は病気で耳がほとんど聞こえず、各学年を何度も留年して繰り返しながら、ようやくいま五年生。もし、耳の病気がなかったらもう中学生。

サラームは、マリナと同じ集落に住む親せきの子なので、ワタシがマリナの家に遊びに行くと、必ずサラームも遊びに来る。学校でも、家でも「おとなしい子」という印象がずっとあったのだが、それは彼の本来の性格なのではなくて、病気のせい、他人とコミュニケーションがスムーズに図りにくいためなのだろうと思う。

何年も前に、サラームの親御さんに話をして、彼をカブールの専門医に診せるようにと、必要な支援をした。その後、投薬で少しは症状がよくなるとの話だったが、本人が薬を飲むのを嫌がると聞いた。

それからまた数年。徐々にサラームの表情が明るくなっていったことに気付いた。耳元で大きな声でしゃべればかすかに聞こえていること、周りの子どもたちや先生たちが、サラームとコミュニケーションを図る方法を確立できてきていること、そういうことが、彼の本来の明るい性格を引き出してきているようだった。

そして、サラームは人前で不明瞭な言葉を発することも、厭わなくなっていた。昔は、けっして家族以外の人前でしゃべろうとしなかったけど。サラームの声がずいぶんかわいい声で、じーんときた。

今年、マリナの家に遊びに行ったとき、サラームもマリナの家に遊びに来た。はらぺこあおむしの神経衰弱カードゲームをすると、周りの子に比べて断トツの記憶力で、嬉しそうにどんどんカードを取っていった。そのとき、ワタシは初めて「ああ、サラーム、すっごい賢い子なんだなあ。耳の聞こえない子をケアーできる専門の学校であれば、きっとその才能を伸ばしてあげられるんだろうなあ」と、その利発さに対する嬉しさとともに、何とも言えない切なさも感じた。

でも、きっと、この山のうえがサラームの生きていく場所。サラームのことを理解する家族や集落の人間のなかで、畑を耕して、ここで生きていくこと、コミュニティの一員としてその力を蓄えていくことが、彼の人生に必要なこと。彼がカブールの病院に行きたがらないのも、薬を飲みたがらないのも、ワタシたちが勝手に思うほどには、本人がそれ=耳が聞こえることを必要としていないからなのかもしれない。

彼の成長を見守りたい。この先、もし彼本人が耳が聞こえるようになることを切実に欲することがあれば、そのときは、手伝いができるといいなとも思う。

サラームの笑顔に、いろんなことを教えられている気がする。

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そう、この映画祭のきっかけはまぎれもなく、金城実さん。

実さんのアトリエで出会った映画監督の西山正啓さんの映画の上映会が狛江であった。その上映会を主催されていたのが高山さんと路さんだった。

それ以後、実さんの東京での個展やトークや上映会での打ち上げでもお会いした。けれども、特別に親しくなるということもないままなんとなく年月は過ぎた。

そして今年、ツイッターでの情報を見たと、川崎での「壊された5つのカメラ」の上映後トークに高山さんが来てくださった。

そして、その数週間後に、高山さんのオフィスでおこなう西山監督の映画の上映会にお邪魔して、その打ち上げの席で、「西山さんと壊された5つのカメラ上映しよう。写真展もトークも琉球舞踊も全部入れて、お祭りやっちゃおう」と、始発電車の時間まで語り合った。

ワタシも、ノリだけはいいので、早速すぐにその実行委員会のためのフェイスブックページをつくって、その場にいた人に参加を促した。そして、その後アフガニスタンにとんずら。高山さんと路さんが、ひたすら奔走してくださり、カタチが出来上がる。

じゃーん、これが、その映画祭の全容。

ワタシも実行委員として動く以外に、6月21日(金)と29日(土)「壊された5つのカメラ」上映後のスライドトークと常設写真展「パレスチナに生きる」「彫刻家 金城実」をやります。


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西山正啓監督作品の試写会のようなちいさな上映会の後の飲み会でのこと。誰からともなく…
「この場所で映画祭やっちゃおうか」
「いつやる?」
…そんなノリで始まったのです。

もちろんコンセプトみたいなものもちゃんと考えました。でもそれってだんだん育っていくもの、それでいいじゃないか。まずはこのちいさな事務所の暖かいこの場所で、それぞれ出来ることをやって、いろんな考えの人が集って、今まで知らなかったことを知って、話す時間を共有する、それだけでいいじゃないか。そしてそこからどんなものが生まれるのか、それは先の話にしよう…

力まず、無理をせず、そんなつもりだったのです。いや今だってそうなんです。

ところがたくさんの人が面白がって、瓢箪から転げ落ちた駒が、いまやでっかい戦車みたいになっちゃった!

いやいや、戦車はいやだな、えーと、うーんと… 
なんでもいいや。

ということで、皆さん是非遊びに来てください。

料金はメイン企画1つ観て1.200円です。
(お得な3枚綴り3,000円,12枚綴り10,000円チケットもあります。)

20人ちょっとで一杯となる小さな会場です。お早めに御予約ください。
【御予約・お問い合わせ】
M.A.P.:03-3489-2246(担当うぶかた)
(FAX:03-3489-2279 mail:mpro@mbh.nifty.com)

コリッチからの申し込み
http://kitamitokomae-artfes.com/ticket.html

※基本的に期間中10:00、14:00。19:00(日曜日は17:00)にメイン企画。間にミニ企画あり。
また常設の写真展、BGMやBGVも見もの。

さまざまな関連グッズなども販売もします。


「喜多見と狛江の小さな映画祭+α」公式HPは・・・
http://kitamitokomae-artfes.com/index.html

映画祭フェイスブックページ
http://www.facebook.com/events/181288825360243/

※以下、5月18日現在のスケジュールです。
※詳細や最新情報は公式HPをご覧ください。

【21日(金)】
(1)10:00~●『シバサシ』監督:輿石正
 (※上映後、琉球舞踊「前の浜」)

(2)14:00~●『飯館村 第1章・故郷を追われる村人たち』監督:土井敏邦
 ゆふいん文化・記録映画祭第5回「松川賞」
(※17時から特別企画「沖縄やんばる高江を考える」)

(3)19:00~●『壊された5つのカメラ』監督:イマード・ブルナート、ガイ・ダビディ
 第85回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品
 (※上映後、監督や出演者と親交のある写真家高橋美香さんのトークショーの予定)

【22日(土)】
(1)10:00~●『イエローケーキ』監督:ヨアヒム・チルナー
 (※上映後リック・タナカ「ミニトークショー」(オーストラリアから実況中継)

(2)14:00~◎「いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく」+◎「茶色の朝」
プロジェクトM短編演劇「いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく」
 作:モスクワカヌ 演出:丸尾聡 出演:今野真智子,小山貴司,横澤有紀
 2013年度劇王神奈川大会決勝審査員最高得点
丸尾聡ひとり読み「茶色の朝」(大月書店刊より)物語:フランク・バヴロフ 訳:藤本一勇

(3)19:00~●『あしたが消える』(1989年公開の幻のドキュメンタリー)
※この日のイベント3本は、いずれも原発に関連するものです。14:00の回の中で、特別企画も検討中。

【23日(日)】
(1)10:00~●『カメジロー沖縄の青春』主演:津嘉山正種
 優秀映画鑑賞会推薦、日本映画復興会議奨励賞

(2)14:00~◎山猫合奏団(白石准+高山正樹)(※テーマは山之口獏です!)
 (※山之口獏の娘さんの山口泉さんがゲスト)
(※16時から、腹話術師しろたにまもるさんの“高座”)

(3)17:00~◎「いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく」+◎「茶色の朝」

【24日(月)】
(1)10:00~●『引き際』2011.5 metoro公演 作・演出:天願大介

(2)14:00~●『なまず』2012.5 metoro公演 作・演出:天願大介
(※17時から「演劇のれっすん in Filmfes」有料企画、チケットは他のプログラムと共通)

(3)19:00~●『極私的エロス・恋歌1974』監督:原一男
 (※上映後、監督のトークショー)

【25日(火)】
(1)10:00~●『飯館村 第1章・故郷を追われる村人たち』監督:土井敏邦

(2)14:00~●『ポスターガール』+●『IVAW 明日へのあゆみ』
『ポスターガール』監督:サラ・ネッソン
 第83回アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門ノミネート
 (※言葉が早く字幕では追いつかない。舞山裕子・高山正樹が弁士を務める。)
『IVAW 明日へのあゆみ』監督:木村修

(3)19:00~●『血風ロック』監督:流山児祥
 1986年2月 ヨコハマ映画祭自主製作映画賞受賞作品。
 (※上映後、監督のトークショー)

【26日(水)】
(1)10:00~●『あしたが消える』(1989年公開の幻のドキュメンタリー)
 (※上映後リック・タナカ「原発を語る」(オーストラリアから実況中継)

(2)14:00~●『イエローケーキ』監督:ヨアヒム・チルナー
(※17時から、リック・タナカの「エネルギーの話」オーストラリアから実況)

(3)19:00~●『ポスターガール』+●『IVAW 明日へのあゆみ』
 (※舞山裕子・高山正樹が弁士を務める。)

【27日(木)】
(1)10:00~●『スケッチ・オブ・ミャーク』監督:大西功一
 沖縄宮古島の古謡や神歌を追ったドキュメンタリー 原案・監修:久保田麻琴

(2)14:00~◎「京太郎の唄」新城亘ライブ
(※14時の催しの後、19時の催しまでの時間、三線、琉球舞踊の体験コーナーあり)

(3)19:00~●『スケッチ・オブ・ミャーク』監督:大西功一

【28日(金)】
(1)10:00~●『よみがえる琉球芸能 江戸上り』

(2)14:00~●『ゆんたんざ沖縄』監督:西山正啓
(※17時頃から30分弱の作品●『沖縄の声ー山シロ博治』森の映画社最新作を上映)

(3)19:00~●『ゆんたんざ未来世~恨を解いて、浄土を生きる』監督:西山正啓
 (※上映後、西山監督のトークショー)

【29日(土)】
(1)10:00~●『壊された5つのカメラ』監督:イマード・ブルナート、ガイ・ダビディ

(2)14:00~●『ぬちどぅ魂の声』監督:西山正啓
(※17時頃から●『沖縄の声ー山シロ博治』森の映画社最新作を上映)

(3)19:00~●『カメジロー沖縄の青春』主演:津嘉山正種
 (※上映後、主演の津嘉山正種さんのトークショー)

【30日(日)】
(1)10:00~●『主権在民 女たちのレジスタンス 改定版』監督:西山正啓
 (※本邦初演!)

(2)14:00~◎斎藤哲夫ライブ
 (※「グラスソングス」(高田渡のライブ映像)を同時上映!)

(3)17:00~●映像作家 櫻井篤史+加藤到 2人展

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みなさまのお越しをお待ちしております。

転載・シェア大歓迎です。
いつもありがとうございます。

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表題のとおり、広島県府中市の府中法人会の講演会に講師としてお招きいただき、
パレスチナについての講演をおこなうことになりました。

日時:5月30日(木)17時から18時半

場所:府中商工会議所2階 204号室
   府中市元町445-1

主催:公益社団法人 府中法人会
   0847-46-3343

http://www.fuchu.or.jp/~fhk/

※入場無料※

府中市近郊の皆様のお越しをお待ちしております。

また府中市近郊に友人、知人がいらっしゃる方は、ご案内いただければ幸いです。

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いつもお世話になっている某出版社の編集者さんから今度某誌で沖縄をテーマにした増刊号をつくると聞く。そのグラビアページのお仕事をいただけるとのことで、「金城実さんを通してみる沖縄」というテーマでよければ…とお返事すると、それでいいとのこと。

その日から、いままで実さんを追い続けて撮り続けてきた数千枚の写真との格闘が始まった。暇さえあれば、読谷のアトリエ、那覇、伊江島、実さんの地元の浜比嘉島、大阪、東京…と、あちこち追いかけた写真を眺める。

ようやく候補を五十枚ほどに絞り、そこから構成を考えて、選び出した。まあ、まだここまでしか出来ていなくて、本文も推敲してない、キャプションもつけていないけど。

そんなとき、TBSの深夜番組「報道の魂」で実さんを取り上げた新しい番組が放映されると聞く。番組を作ったのは、佐古キャスター。佐古さんにとって、これで実さんをテーマにした三本目の作品だ。

実は、三月、伊江島での「実さんおっかけ旅」のとき、佐古さんも取材にいらしていて、このときの海辺でのインタビューを眺めさせてもらった。写真は、佐古さんのインタビューに答える実さん。

そんな、ワタシにとっても思い出深いこの作品を、是非とも多くの方にご覧いただけるといいなと思う。

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報道の魂#131 5月19日(日)24:55~放送

いま“琉球人”として
~金城実・レジスタンスの証~

2012年夏、彫刻家・金城実が、新たな作品に向かい始めた。その背中を押していたのは、明らかに変わった沖縄を包むある空気だった。何度10万人が集まっても、何度抗議の声を上げ続けても無視し続けるこの国とは、沖縄にとって何なのか?この国にとって沖縄とは何なのか?オスプレイに、辺野古、屈辱の主権回復の日・・・。

これでもかこれでもかと襲いかかる「国の論理」の前に、起きているのは「琉球」回帰の流れだ。彫刻をひとつの表現手段に、抗い続けてきた金城実の言葉は、そんな沖縄の本音を紐解いていく。

日本への復帰から40年以上経って、さらに明確になったこの国と沖縄の深い溝に見る風景。2010年の「ちゃーすが(どうする)!?沖縄~金城実のレジスタンス」2011年の「...金城実が靖国にこだわる理由~ちゃーすが!?沖縄再び」に続いて、金城実とその仲間たちの抵抗の記録を通して描く。

制作:TBSテレビ
取材・構成:佐古忠彦(TBS報道局)
※放送時間は関東地区の予定で、変更になる場合があります。

http://www.tbs.co.jp/houtama

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