世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2014年08月

イメージ 1

パレスチナの写真集を出版するという企画が進行中。

プロデューサー役を、常日頃よりお世話になりっぱなしのビタミンTeeの石塚さんが引き受けてくださり、コンセプトの段階から話し合いを重ね、本のデザインを引き受けてくださっている。

思えば、初めて出会った7年前から、夢を見失いかけた一会社員に過ぎなかったワタシを、ずっと見守り、励まし、アドバイスを与え続けてくださっている恩人。右も左も分からないまま、ビタミンTeeで個展を重ねることで少しずつ色々なことを教わり、学んだ。

壁にぶつかるたびに、石塚さんは、ご自身が感じたことを伝えてくださってきた。その言葉が、どんなにヒントになったか、考えるきっかけになったか。

その石塚さんから版元のビーナイスの杉田さんを紹介をされたことで、今回の話を引き受けることになった。何年か前にご紹介を受けていたが、今回ようやく重い腰をあげてお引き受けしたのは、杉田さんが、どんな風に懸命に一冊の本をつくり、その本を懸命に売って歩いていらっしゃるかということが分かったから。何度かお目にかかることで、杉田さんの、本づくりへの愛情に気付いた。

そして、「こんな方と一緒に本づくりをしてみたいな」と思った。「全面的に協力するから」との石塚さんの言葉も、大きく背中を押してくれた。

そしてこの企画がスタートしたのが春。打ち合わせをしながら、どんな本にするのか三人で決めていった。そして、ほとんどラフをつくりあげて、石塚さんと杉田さんに原稿を渡した後に、またガザへの空爆と侵攻が始まった。

いつも自分がこだわっていること、その日常を追うことで見えてくるもの、伝えられること、それをこの本にこめたつもり。ガザで殺され、苦しめられる人々のことを思いながら、本にこめた笑顔の日常とのギャップに自分自身が「これでいいのか?」と悩む。

でも、殺され、苦しめられている方々にも、間違いなく笑顔の日常があったはずだと。だからこそ、それを大切にできる世の中を願う。その願いを本にこめる。

何をやるにしても、なかなか正解もゴールも見えてこない。一生それを探し続けるのだろう。

いま自分にできることを、いまやるだけだ、と言い聞かせる。

写真集「ボクラ」は11月ごろ刊行予定。→※来春の予定になりました。

今日は、石塚さんがつくってくださった版下(案)をチラ見せ。

ビタミンTee
http://www.vitamin-tee.com/

ビーナイス
http://benice.co.jp/index.html

イメージ 1

今年の映画祭期間中、まるまる某国へ行っていたワタシは結局なにひとつ手伝えなかった。

紹介した映画監督や、また来年ここで会おうと約束をした方々や、もちろん実行委員のみんなを含む多くの方に不義理をしてしまった。

第二回の映画祭につなげるべく、昨年一年間は月イチ上映会などをして、正直これはキツかった。

まあ、いろいろとそういうことも重なり、なーんとなく、足が遠ざかっていた。

今月のアタマ、「パレスチナのことをなにかやりたい」と電話をもらったときも、今だからこそ、やらなければならないという思いの一方で、なんとなく気が進まない自分もいた。

いまだからこそ、という思いもありながら一方で、その「いまだからこそ」に反発するという分裂した自分がいる。

こういうときだけしか注目されないから、何も根本的に解決できないんだ…と、叫んでしまいそうな自分がいる。空爆だけが、軍事侵攻だけが、悲惨で目に見えやすいことだけがパレスチナの苦しみではない。

でも、きっと、そういうことも「いまだからこそ」聞いてくださる方もいらっしゃるのだろうと、重い腰を上げる。

下記は、その上映会の詳細。

**********************************************

喜多見と狛江の小さな映画祭+α特別上映会

“グッバイバーセム”
“Good Bye Bassem, A Friend To Us All” シャイ・ポラック監督作品
  (※活弁でお送りします。)
  訳:川本かず子 弁士:高山正樹

スライドトーク:高橋美香

日時:8月29日(金)14時〜、19時〜(※開場は30分前)

会場:M.A.P.
 狛江市岩戸北4-10-7-2F
 小田急線喜多見駅徒歩5分 島田歯科2階
   
会費:1,200円 学生500円
お問合せ:M.A.P. 03-3489-2246

〜映画グッバイバーセムについて〜
ビリン村の分離壁をめぐる闘いのなかで命を落としたバーセムを追ったドキュメンタリー
石ひとつ投げなかった青年バーセムが、ただそこで声をあげていたから殺されるという不条理。
投石があったからという嘘。殺した兵士は裁かれず。

イメージ 1
いつもお世話になりっぱなしのパレスチナで未来につながる恩返しが出来たらいいなとふと思う。

よく取材費のカンパをとお声がけいただくのだが、基本的には固辞している。ありがたいとは思うものの、自分のやりたいことくらい自分のカネでやれと思うから。ポストカードやプリントなどを買っていただくならまだしも、ただ頂戴することには、非常に大きな抵抗がある。つまらないプライドなのかなぁ。

それより、是非オリーブの苗をおくるためのカンパを募りたいと思う。そして贈るひとと、それを育てるひとをつなぐことが出来たらいいなと思う。

具体的には、次回の訪問時に苗を買う、必要とする農家に渡す、出来れば一緒に植樹する。その木を継続的に訪ねる。いつか出資された方々にも木を訪ねてもらう。それが10月であれば一緒に収穫作業をする、という計画。

場所は、ビリン、東エルサレム、ナーブルスのアシーラシャマレイヤとサーレムとベザリヤとビッディヤなどを考えています。

我こそは!という方がいらっしゃいましたら、お声がけください。
こちらにメールをください。
mikairv@gmail.com


イメージ 1

今回の講座では、パレスチナよりもアフガニスタンの話をしようと思っていた。このお話をいただいた時点では。

ところが、またもやガザに空爆、地上侵攻と攻撃が加えられ、その話を語らないでは済まされないだろうと思っている。

実はワタシには、いままで会ったことのない友達がガザにいる。彼もフリーのカメラマンで、彼が写真を提供するエージェンシーのひとつに、ワタシのとても仲のいい友達(西岸在住)が属していて、その友達の紹介で仲良くなった。

ワタシは彼が撮る写真がとても好きで、彼は「売れる・売れない」にかかわらず、センセーショナルではない、悲惨な状況下でもまだそこにある「人間の美しさ」や「尊厳」を切り取る。普段、こういうことがなければ、ガザのきれいな風景とかをよく撮っている。

彼の写真からは、限りない、彼の優しさを感じる。ご遺体となった、命の灯が消えてしまった方々への敬意を感じる。バラバラになってしまったご遺体よりも、それを拾い集めて、整えて、抱きしめて泣くご遺族を彼は撮る。

そんな彼と、先ほどチャットをしていた。すぐに、リアルタイムに返ってくる返事に、この忙しいさなかにこんなことで貴重な時間をつぶさせている申し訳なさと、それでも貴重な時間を使ってわざわざ返事をくれる彼の律義さと、なによりも、いまこの瞬間、彼は間違いなく生きているということに、なんだかジーンときた。

この講座の当日、許可を得たので、彼の写真も使って、ガザの状況もお話しできればと思う。

講座は市内在住、在勤者以外の方も空きがあれば参加可能。
要問い合わせ。

講座の詳細はコチラ
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/event/kyoiku/kouminkan/shikubonokouza.html

あわせて、是非こちらもご一読を
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156060

写真は講座会場の芝久保公民館のご担当者Yさんより。
来週からは写真展をやります。

↑このページのトップヘ