世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2015年04月

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昨年、関西の巡回で大好評を博した、読谷村在住の彫刻家、金城実さんの「なまぬるい奴は鬼でも喰わない」東日本巡回展が本日、丸木美術館を皮切りにスタートしました。

丸木美術館での展示は5月9日(土)まで。
入館料900円で実さんの作品はもちろんのこと、丸木位里、俊さんの「原爆の図」シリーズなどの常設展もご覧になれます。

なんと5月5日(火・祝)には、実さんご本人によるギャラリートークが予定されております。

これまで実さんの作品をご覧になったことのない方も、久しぶりにご覧になる方も、是非とも足をお運びください。

丸木美術館は決して交通の便のいい場所とは言えませんが、ゆったりとした里山のなかにある広々とした空間で、ゆったりと一日自然に触れることもできます。

丸木美術館
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/

東日本周辺で、こんな機会はなかなかありません。実さんは大阪で永年暮らしていらっしゃったため関西での展示や講演などは多いものの、関東ではあまりそのような機会も多くありません。

「戦争だけは絶対にしてはならん。子や孫を戦場に行かせてはならん」沖縄戦を体験したおじいの、魂の言葉、彫刻に、是非とも会いに来てください。ワタシからの切なるお願いです。

転載、シェア、拡散、大歓迎です。

言い忘れていました。ワタシの写真「写真でみる金城実さんの世界」も展示中です。、

以下、巡回展はつづきます・・・(予定※日時やイベントの内容などは変更の場合があります※)
彫刻展の入場料は無料です。
各イベント参加費やイベントの追加情報などについては追ってブログ等にてお知らせします。

★5月13日(水)~17(日)日本教育会館(千代田区)
10時から18時

★5月20日(水)~24日(日)ギャラリー古藤(練馬区)
11時から19時
・23日(土)14時からスライドトーク「パレスチナに生きる人々」高橋美香
・24日(日)18時から金城実ギャラリートーク

★5月27日(水)~31日(日)アミダステーション 延立寺別院(八王子市)
13時から19時
・30日(土)14時からMilkKyatライブ
・31日(日)14時からスライドトーク「パレスチナに生きる人々」高橋美香

★6月5日(金)~7日(日)カフェ・レストラン 銀河のほとり(福島県須賀川市)
銀河のほとりがつなぐ沖縄・水俣・福島
金城実・彫刻展を中心に、日替わりイベント
・6月5日(金)
午後~オープニングイベント
映画「のさり~杉本栄子の遺言」上映&トーク
上映&トークは水俣に通い交流をつづけているグループが企画を担当予定
終了後、主催・参加者希望者オープニングパーティー(会費制)

・6月6日(土)
午後~映画「沖縄・福島~女たちのレジスタンス」上映
写真家・高橋美香スライドトーク「パレスチナそこにある日常」
トークは「原発いらない福島の女たち」の活動報告と参加者との意見交換

・6月7日(日)
午後~映画「獅子たちの抵抗~国策の強制に抗う人々」上映
トークは「原発いらない福島の女たち」を中心に
Milk・Kyat(沖縄八重山民謡を唄い、水俣にもつながる女性グループ)によるライブ(要請中)


★6月12日(金)~14日(日)喜多見M.A.P.(狛江市)

主催:金城実東日本巡回展実行委員会
問い合わせ:info★hattori-ryoichi.com
メールを送る際は★を@に変えてください。

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ひょんなことから、日程的にも金銭的にも結構無理をして沖縄に行くことになった。もちろん、目的地は金城実さんのアトリエ。実さんの現在の活動や制作をみつめるとともに、辺野古での闘いの現場にも行ってみようと足を運んだ。

車の運転もできないワタシにとって、実さんの家へ向かうのに重宝しているのが日航アリビラに向かうリムジンバス。実さんの朝夕の散歩コースにも入るこのリゾートホテルは、実さんのアトリエから歩いてすぐの場所にある。

安いチケットだったので、午前三時半起き。前夜はほとんど寝てないのに、飛行機のなかでは予習のためにと読んでいた辺野古についての本がやめられない。結局全然機内でも眠れず、このリムジンバスのなかで気絶したように眠りこける。気が付けば眞栄田岬。久しぶりの見知った光景に懐かしさがこみ上げる。

アリビラから真っ赤に咲き乱れるアカバナーなど南国特有の植物を眺めながらアトリエまで歩く。実さんのアトリエに到着したら「おう、よう来たなあ」と実さんと奥さんの初子さんが迎えてくださる。

実さんはちょうど瀬長亀次郎胸像を制作中。五月に辺野古の座り込みテントでいくつかの作品の展示計画があるという。ただ、「地元住民からテントの撤去要請が出ておる。どうなるか。慎重にことを運ばな」と実さん。「権力の側はそういうやり方を取る。地元の反対の声ということで圧力をかけてきよる」。

とはいえ、実さんは、一心に作り続ける。この亀次郎さんの像は、「初めて粘土でやってみた。100均の子ども用の粘土や。雨に弱いから上から糊を塗らなあかん。試しに粘土で作ってみたけど、高うつくし、やっぱり漆喰の方がええな」と実さん。

このあとも、辺野古の闘いが始まってから亡くなった闘いの現場に立ち続けた方々の像、実さんの前原高校の恩師で(生物を教わったと)金武湾の反CTS闘争をおこなった安里清信さんの胸像など、「次々につくるもんがある」と。

「自分が何のために表現をするのか、作品を作るのか、芸術とは何のためのものなのか、おまえもそこを考えなあかんぞ。何々展で賞を取って表彰されて、キレイなガラスケースのなかに飾られて、それが何になるのか?」常に闘いの現場に居ながら、芸術を通して闘う、ああ、同じような言葉をイスラエルのパレスチナ人俳優のサーレハ・バクリーからも聞いたなと思い出す。

夕方、早々に実さんと再会を祝しての泡盛の乾杯。普段ワタシはあまり飲まないことにしているのだが、こんなときは喜んでお付き合い。そうこうしているうちに、作家の山口泉さんが出たばかりの週刊金曜日を持って訪ねてこられる。実さんのことを書かれた記事が掲載された号。

こうして久々の沖縄でのあっという間の一日目が終了。

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