
この写真はメチャクチャ懐かしい思い出の光景。
ナーブルスの衣料品市場で偶然にもそこで屋台の子供服屋を出している青年ムハンマドと仲良くなった。そのムハンマドの自宅がナーブルス郊外のバラータ難民キャンプで、仕事を急遽終えて、ムハンマドがボロボロの車に乗せて「バラータを案内してやるよ」と言ってくれたのだった。
前にも書いたし、拙著「パレスチナ・そこにある日常」のなかでも書いたけれど、ムハンマドは若かりし頃武装組織の一員と誤認逮捕され、否認を続けると拷問に遭わされた。彼の首の後ろから背中にかけては大きな傷跡が残る。バラータは、武装抵抗組織の力も強く、頻繁にイスラエル軍の侵攻や「捜索」がおこなわれる。そんな「名高い」難民キャンプのひとつ。
ムハンマドは奥さんと息子さんを紹介してくれ、奥さんには「是非うちに泊まっていって」とお誘いをいただく。とてもにこやかで穏やかな三人家族。ムハンマドは「もう昔のことはいいんだ」と言う。
難民キャンプを歩き(この写真はそんななかで撮られた一枚。ムハンマドの家の近所の子たち)、キャンプの屋台で買い食いを楽しみ、ロバ好きなワタシのために農場でロバに乗り(乗馬ならぬ乗ロバ)、ムハンマドは「せっかくだからとびきりキレイなところを見せてやるよ」とオンボロ車を駆って丘をいくつも越え、鉱泉に連れて行ってくれた。
日差しが強くて、暑い一日だった。あの日のことを思い出すと、あのギラギラした日差しのことを思い出す。
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写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」を開催することになりました。
日時:8月1日(土)~9日(日)11時から18時(最終日は16時まで)
場所:NMCギャラリー&スタジオ
小平市小川西町4-14-27
西武国分寺線・拝島線 小川駅西口下車徒歩二分
入場無料
8月2日(日)14時から
松尾賢(ウード)、地主大介(ダラブッカ)両氏による投げ銭アラブ音楽ライブ
会場では、日本で暮らすクルド難民のおかあさんがつくったオヤのネックレス、スカーフ、ピアス、ブレスレット、ストラップも販売予定です
会場で、3月に発売した写真集「ボクラ」も販売予定です。
http://benice.co.jp/blog/?p=2712
「ボクラ」のプロデューサー石塚さんのお店ビタミンTeeにより、「ボクラ」に収められた写真のすべてがTシャツにもトートバッグにもなります。
(サイズや値段など詳細はおたずね下さい)
http://www.vitamin-tee.jp/
そして本日、ビタミンTeeより「ボクラ」の図柄の新商品、グリーティングカード登場!
http://www.vitamin-tee.com/boyaki/2015/07/29/81.html




