
一方、休日の金曜日だからこそ大きな抗議デモ、抗議集会になることも多い。金曜日だけがという訳ではないにしても、金曜日に抗議に参加していた人が殺されることが多い。いまに始まったことではないにしても、パレスチナの現地時間で午後が近づくと、段々落ち着かない気持ちになってくる。
イスラエルでは、ついに「パレスチナ人襲撃者」とみなされてユダヤ系イスラエル人が射殺された。それ以前にも同じく誤認で撃たれて怪我をさせられたケースや、先日は誤認でエリトリア人の青年が射殺された。「テロリスト」、もしくは「テロリスト」とみなされたパレスチナ人はその場で射殺されるが、このエリトリア人青年が撃たれたあと、血を流すまま横たわった彼を助けるどころかベンチを投げつけ、蹴りをいれと暴行に加わった群衆は、保釈金を払って釈放された。これが、この国の「民主主義」。
写真集「ボクラ」に収めた写真の紹介も、もう残り僅か。
今日ご紹介する写真は、ジェニン難民キャンプの居候先の「弟」、四男のサリームと甥のイマード。兄弟の父親が2002年のイスラエル軍侵攻の際に連れ去られ拷問を受けて体調を崩し、若くして亡くなったことは何度も述べてきたが、長男のカマールは、初めて誕生した我が子に、父親の名前を付けた。今年、カマールには第二子が誕生したが、その子には殺された幼なじみの名前を付けた。名前とともに、彼らの生前の思い出も受け継がれていく。
父親が亡くなり、たてつづけに難民キャンプの幼なじみたちが殺され、このころ、一家のわずかな希望は、この幼いイマードの存在と成長だけだった。父親の介護のため高校に行くこともできなかったサリームには、一日中肉体労働の現場で泥だらけになって汗を流す仕事しか、いまのところみつからない。危険な現場も多く、仕事中の事故で大けがを負ったこともある。彼は、まだ六歳だったころ、イスラエル軍兵士に脚を撃たれて大けがを負ったこともある。
サリームは、クタクタに疲れて帰ってきても、いつも笑顔で甥のイマードをあやしていた。イマードが一番機嫌がいいのはサリームの腕のなかにいるとき。子どもは、自分を愛してくれる人、そうでない人を敏感に感じる。
イマードはいまごろもう喋っているんだろうな。「ンマ」しか言えなかった彼は、いまごろみんなとどんな会話をしているのだろう。ワタシにとっての一年と、子どもたちにとっての一年の違い。最近、しみじみと人間は(も)受け継いで、引き継いで、次世代に譲りながら去っていくものなのだなと感じる。だとしたら、ワタシは誰に何を引き継ぎ、渡すことができているのだろうと、自省する。
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下記の通り、写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」とスライドトーク「パレスチナに生きる人々」を開催することになりました。
いま、パレスチナでは、非常にひどい状況が続いています。いや、いまに始まったわけではないのですが。「目に見えやすく」ひどい状況が続いていると言った方が正確かもしれません。
パレスチナで生きる人々の置かれた状況、マスコミの報道からは伝わってこない現在を生きる人々の状況をお話しして、海辺のカフェで集いながら、私たちに何ができるのか、集う皆さんと考える時間が持てればいいなと思います。
写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」
10月22日(木)~24日(土)お店の開店時間と同じ
入場料は必要ありませんが、必ず飲食オーダーをお願いいたします
スライドトーク「パレスチナに生きる人々」
24日(土)17時半から
投げ銭制(いくらでも結構ですので、お気持ちを頂戴します)
また、24日(土)16時半から、スライドトークの前には、なんとRabi Sariライブ!
応援のため、ご出演を快諾してくださいました。
アラブの音色に酔いしれる夕べを
こちらも投げ銭制
Rabi Sari メンバー紹介
常味裕司(ウード)
日本では数少ないウード演奏家。はじめスーダンのウード奏者、89年よりチュニジアで、アラブ世界を代表するウード奏者 故アリ・スリティ氏に師事、本格的にアラブ音楽を学ぶ。日本においてはアラブ・トルコ古典音楽を中心にソロ活動およびアラブ音楽アンサンブル Farhaや Arabindiaなどを主宰。
和田 啓(打楽器・作曲)
幼少の頃から学んだ江戸里神楽をもとに独自の音世界を表現をするアジア系ハンドドラム奏者。特にアラブ古典音楽において重要な位置を占める打楽器レク(アラビックタンバリン)は、エジプト・カイロで、ハニー・ベダール氏に師事。常味裕司とともにアラブ音楽アンサンブル「Farha」をはじめ様々な音楽シーンをサポートしている。また、作曲家として数多くの楽曲を舞台、舞踊、映画などに幅広く提供している。
松本 泰子(ヴォーカル・作曲)
幼少の頃より教会に通い聖歌に親しみ、ピアノのレッスンも受ける。’86年UCCジャズヴォーカル新人コンテスト特別賞受賞。90年を境に様々な民族音楽と出会い、ジャンルにとらわれず、歌うようになる。そして自らの作詞作曲によるオリジナル等も手掛けている。様々なシーン(コンサート、演劇やダンス公)においてボイスパフォーマンスを行い好評を得る。
※ライブ、スライドトークともに参加費は投げ銭制ですが、必ず飲食オーダーをお願いいたします
場所:鎌倉 由比ガ浜海岸 Daisy's Cafe
鎌倉市長谷2-8-11 江ノ電長谷駅より徒歩3分 国道134号線沿い
0467-23-9966
皆さまのお越しをお待ちしております




