世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2017年07月

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なにかと辛いニュースが多いパレスチナから、ときどきとびきり明るい嬉しいニュースが届くことがある。

今日は、ジェニン難民キャンプの「弟」カマールに三人目の子どもが誕生したと、カマールの母親マハから写真が送られてきた。

ところで、パレスチナでは、ビックリするほど出産後の退院が早い。あるとき、病院の前で若いカップルが小さな赤ちゃんを抱いて歩いてきたので「おめでとう!かわいいね」と声をかけると、そのまま世間話がはじまった。「いつ生まれたの?」と聞くと「昨日」との答え。「え~、もう退院できるの?」と聞くと「え~、そんなの全然めずらしくないよ」と返ってくる。

思えば、ビリンの「実家」でも、生まれて間もない小さな真っ赤な顔をしたシワシワの赤ちゃんを連れて帰ってきていたな。

マハから送られてきた赤ちゃんの写真も、いかにも「生まれたて」という感じ。

その赤ちゃんのお兄ちゃんでもある、この写真の、イマードも数えてみればもう四歳になる。この子がゼロ歳から一歳にかけて、ワタシは「家族の一員」として、よく抱っこしてこの子の面倒をみたものだった。

イスラエル軍に「逮捕」拉致され、拷問に遭い、体調を崩して亡くなっていった祖父イマードの名を受け継いだ。カマールに次に誕生した子どもには、2014年3月にイスラエル軍との戦闘で射殺された幼なじみハムザの名がつけられた。イマードの名も、ハムザの名も、その名を呼ぶとき、ときどきどちらもワタシにとっては、悲しみや胸の痛みがともなう。でも、それ以上に、その名をつけたカマールの「忘れたくない。忘れるものか」という意志を感じる。

そして、新たに誕生した三男はイヤースと名付けられたようだ。イヤースもワタシが知らない故人の名前を受け継いでいるのだろうか?それとも、純粋に名付けたい「好きな」名前を、三人目にしてようやく名づけることができたのだろうか?

拙著『それでもパレスチナに木を植える』に、このカマールたち難民キャンプの若者の人生を「絶望とわずかな希望のあいだで振り子のように揺られる人生」と描いた。

この子たちには、希望が少しでも多いように、その人生に幸多かれと願う。それこそが、ここで命をつないでいく、この子たちの親や祖父母の希望でもあるから。

それこそが、道半ばで斃れていった故人たちが、次世代に託した希望だっただろうから。

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拙著『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』と写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真などです。そのほかの写真(ブログの記事のものも何月何日の写真とご指定いただければ可能です)も、可能な限り、ご希望に応じます。

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また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。

●『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
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ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

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「大抵のことは、神様に与えられた試練だと思って、どうふるまうべきか考えるけれど、アルアクサ-を奪われたり、分割されたりすることだけは絶対に許せない。それに対してだけは、命を懸けて闘うよ」と、普段「政治的な」ことからは距離を置いている友人が語ったこともある。

昨夜、こんな友の言葉を紹介した。エルサレム在住の友人の言葉だ。

友人は長男としての責任を重く重く受け止めている。ましてや安定した経営状態にあった美容院を他人に売ってまで母親が工面してくれたお金でエジプトでの留学生活に送り出された大学時代の彼。夢をかなえて薬剤師となって働くいま、責任は重く彼にのしかかる。

「政治的な」事柄とは、表立ってあまり深くかかわらないようにしている。一度も会ったことのない叔父は25年間イスラエルの刑務所に収監され、数年前に「釈放」されたが故郷であるエルサレムには戻ることを許されず、ガザ地区に送られた。弟は「武装組織とのかかわり」を疑われ数年間収監された。

「俺までが無責任に好きなことをやってしまうと、家族が崩壊する」と友人は話した。「俺だって本当は好きなように自分勝手に生きてみたいけどさ」。

そんな友人の冒頭の言葉なのである。とても重い言葉だと思う。

三年前の話ばかりになってしまうが、あのころもエルサレム旧市街と東エルサレムは頻繁に封鎖され、検問が敷かれ、移動の自由は妨げられ、アルアクサ-への立入りは制限され、その一方で警察に守られた入植者のグループは「神殿の丘」に立入り…ということがつづいていた。

「せっかくミカが来たからドライブにでも行こう」と友人は妹二人も乗せて、四人でドライブに出かけた。「夜景を観に行こう」と。幼い妹たちは大喜び。

しかし、すぐに幹線道路の反対側の車線で検問がおこなわれている様子が目に入った。友人は妹たちに「シートベルトをしっかり締めて、あまり大きな声で喋ったりしないように。とにかく目立たずおとなしくしているように」と注意をした。

この日、入植地近郊のシルワド村で入植者に四歳の少女が意図的にひき殺されるという事件が起きたばかりだった。後部座席に座る友人の妹は同い年の四歳だ。

エルサレム居住者である彼らは、いつでもある程度基本的には好きな場所に行ける。それはガザ地区や西岸地区に押し込められたパレスチナ人たちと一番大きく異なる点だ。この日のように西エルサレムにドライブに行く自由もある。

とはいえ、「アラブ系住民」「パレスチナ人」というだけで襲われ、暴行され、殺されることがあるのも事実だ。実際に「衝突」がエスカレートすると、そんな事件も頻繁に起きる。ひとこと付け加えれば、「アラブ系」「パレスチナ人」と間違えられたアラブオリジンのイエメン系、モロッコ系、イラク系などの「ユダヤ人」が襲われたり、殺されたりすることも起きる。ワタシたち人間とはなんて愚かなのだろう。

幹線道路から西エルサレムに入り、夜景を眺めていても、はしゃぐ妹たちの表情をよそに、友人はどこか緊張した険しい顔をしていた。

西エルサレムから彼らの家がある東エルサレムへと戻り、幹線道路をはずれると「さあ、もうシートベルトを外してもいいぞ」と友人は言い、険しかった表情が緩んだ。

たった数キロ先へ行くというだけでも、「なにが起きるか分からない」という緊張を強いられるのだなと、友人の表情から知った。そんな思いをさせてまで、こんな日にワタシのために申し訳なかったなとも。でも占領されたエルサレムで生きるというのは、こういうことなのだと少しだけ肌で感じた。

この友人一家をとおして、ワタシはそれまで以上に東エルサレムで生きるパレスチナ人の置かれた現状を知ることになる。

この灯りの下には多くのひとの営みがある。「ナニジン」が灯すあかりの色も同じなのに、なんでこんなことになっちゃうんだろうなと、夜景を眺めながら悲しくなったことも、いま突然思い出す。

「命よりも尊厳が大事」「命を懸けてでも守らなければならないものがある」と彼らは言う。パレスチナのみんなに𠮟られれてしまうだろうけど、それでも、もう誰も死なないでほしい。生き抜いてほしいと思ってしまう。でもこの言葉は、彼らの前では口に出せないで飲み込んでしまうことばかりだが。

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ふとしたときに思い出す言葉がある。忘れられないひとことがある。

先々週の金曜日に、エルサレム「神殿の丘」でイスラエルで大きなアラブ人口を抱える町ウンムエルファハム出身の三人の男性がボーダーポリスの隊員を襲って殺傷するという事件が起きた。殺傷されたボーダーポリスはドルーズだった。

ドルーズはイスラム教から派生した宗教で、異端視されることが多い。しかし、ドルーズの人びとはアラビア語を話し、イスラエル北部からゴラン高原にかけて集住する。

そして、イスラエル国内のドルーズには兵役義務がある。これぞ「分断して統治せよ」の典型。アラビア語を話すドルーズは最前線でアラブ人と直接対峙させられる。部隊のなかで差別されないために、率先して暴力的に振舞う兵士も多いと聞く。そして、一般的にアラブ系住民、パレスチナ人からは、そのようなドルーズの兵士たちは蛇蝎のごとく嫌われている。

かつて兵役に就いていたドルーズの元兵士に話を聞いたことがある。「兵役を拒否すれば自分が収監される。隊のなかで差別を跳ね返そうと思えば、パレスチナ人に対して暴力的にふるまわざるをえないこともある。どんな気分だったかって?最悪だよ。こうやって、俺たちはアラブに嫌われ、(ユダヤ系)イスラエル人にも同化できるわけもなく、アラビア語が喋れるからアラブ人に向き合わされる」と彼は話した。

そして、実際に警察、ボーダーポリス(武装国境警備隊、職業軍人のようなもの)の隊員にはドルーズの隊員も多い。ビリンやヘブロンでも多くのアラビア語が母語のボーダーポリス隊員に出会う。この構図を考えると暗澹たる気持ちになる。実際に「アラブの兄弟に銃を向けることなんてできない」と兵役を拒否するドルーズの青少年もいる。しかし、兵役を拒否した後の人生は、逮捕、収監から始まり、兵役に就いた実績がないことによる就職難などがずっとつきまとう。

イスラエル国内で「二級市民」として扱われるアラブ系住民に殺されたのは、そんなドルーズのボーダーポリスであるということを、忘れたくない。

2014年の秋も、いまと同じように頻繁に旧市街へのアラブ系住民への立ち入り制限、アルアクサ-への入場制限がなされていた。あちこちに検問を敷き、「ただ安らかな気持ちでお祈りをしたい」というだけのひとたちが18歳から50歳男性であるというだけではじかれた。人々はそれぞれの門(検問所が敷かれている)の付近で、集団礼拝をおこなった。

こんなことがなければ、アルアクサ-へ毎日お祈りに行くというおじさんもアルアクサ-の入口の検問所ではじかれた。50歳を超えていないから。警察にIDカードを差し出してその場で追い返されたおじさんは、その様子を横で見守っていたワタシに向かって、ワタシの目をまっすぐみつめながら「もうすぐだよ。近いうちにきっとこんなことは終わる」とゆっくりと静かに言った。その向こうでは、入場拒否に強く抗議した青年がふたりの警察に囲まれ、強い口調でなにかを言われていた。きっと「これ以上騒ぐなら逮捕する」ということなのだろう。

おじさんは、アラビア語で言った。ワタシに聞かせる言葉ではなく、きっと自分自身に語りかけたのだろうと思う。

こんな不正義が許されるはずはない。こんな不条理がいつまでも続くはずがない。神はきっとみておられる。この試練には必ず意味がある。こんな言葉を多くのひとから聞かされてきた。

「もうすぐだよ。近いうちにきっとこんなことは終わる」とおじさんが言ってから三年が経とうとしている。終わらないどころか、年を追うごとにひどくなっているとワタシは感じてしまう。

「大抵のことは、神様に与えられた試練だと思って、どうふるまうべきか考えるけれど、アルアクサ-を奪われたり、分割されたりすることだけは絶対に許せない。それに対してだけは、命を懸けて闘うよ」と、普段「政治的な」ことからは距離を置いている友人が語ったこともある。だからこそ、いま、何千何万というひとが命を懸けて旧市街に集まり、アルアクサ-の近くに集まり、祈りをささげているのだと思う。

過剰な弾圧がなされている。もう誰も死なないでほしいと思う。でも、それは「命を懸けてでも闘う」という彼らの思いが理解できていない証拠なのだろう。

「占領に屈して、声も上げず、黙ったまま、屈辱をのみこんで生き永らえることが生きるということじゃない」とワタシに語ったパレスチナの友の言葉を思い出す。命と尊厳。その重みや意味が常に問われているのがパレスチナで生きるということ。命の重みばかりを考えてしまうワタシは、尊厳を脅かされて踏みにじられて生きているという経験がないに等しいから、この「命を懸けてでも闘う」という言葉の意味を完全には理解しきれていないのだろう。

友の死に直面して泣くばかりのワタシに「泣くな、喜んでやれ」と言った、ジェニン難民キャンプの弟たちの言葉もまた同様に。
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今年のナウローズ(アフガニスタンの新年、春分の日に相当)にロンドン在住のアフガン人の友ラフィが「新年おめでとう」のメッセージをくれなかったら、きっとこのタイミングでロンドンへ行くことはなかっただろうと思う。ずっと気になっていたパリで難民申請をしている友の様子を見に行く決断も、ラフィがナウローズのあいさつをくれたからこそ。12年ぶりと3年ぶりのふたりのアフガン人の友との再会の旅。

行ってみるまで、こんなにもロンドンやパリを好きになるとは思ってもみなかった。アート鑑賞も好きなので、そういう意味ではロンドンもパリも「さすが」の地だった。でも、知識も勉強も足りなすぎて、本当に猫に小判、豚に真珠だと感じたので、再訪を誓ってほどほどで切りあげた。

ロンドンの思い出は、大英博物館とテートモダンとラフィと過ごした時間と彼の笑顔で十分だった。

さてさて、最後に番外編。

ロンドンでも粗食続きでございました。この歳になって、まだ高いレストランとか気後れがして入れない。ゆっくりくつろいだ気持ちで食事を楽しむこともできない。本当に貧相でお恥ずかしい限り。今回、ロンドンでの唯一の贅沢な昼食は、なぜかトルコ料理屋。なんとなく入ったお店が偶然トルコ料理屋だったのだ。トルコ料理を食べようと思って入ったわけでもないのに。本当に中東臭がどこまでもついてまわる人間だと、われながらビックリする。

結果的には、このお店に入ったのは大正解で、ラムのケバブがメチャクチャ美味しかった。お店の名前は忘れてしまったけれど。

ラフィと別れ際に交わした約束。「市民権を得て、どこにでも行けるようになったいま、僕は長い休暇のたびにヨーロッパのあちこちを長距離バスを乗り継いで旅することを楽しみにしているんだ。今度は、時期を合わせてミカちゃんと一緒にどこかへ行きたいな。スペインとかイタリアとか」「いいね、いつか実現しよう」

12年ぶりに再会できたワタシたちだもん。きっとまた、約束は叶えられるよね。叶えようね。それまで、しばらく、サヨウナラ。ロンドンよ、ラフィをよろしく頼みます。

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「ミカちゃん、今日はグリニッジに行こうよ。カティサークを観に行こう。ちょうどトールシップフェスティバルやってるんだよ」と大はしゃぎのラフィ。とても早朝から八時間の仕事を終えてきたとは思えないテンションの高さ。よくわからないままに、ラフィがそんなに行きたいというなら…という気持ちでついて行く。トールシップが帆船のことだとすら知らなかった。

グリニッジにいたるまでのウォーターフロントの開発具合に圧倒される。車窓に迫るのは現代的な建築物ばかり。ロンドンオリンピックにあわせて開発された地区だとのこと。

グリニッジに到着。海のない国で生まれ育ったアフガン人のラフィ。グリニッジがあるのは川沿いだが、帆船のような大きな船はやはり海を連想させる。いつもわりと冷静沈着なラフィが、珍しく大はしゃぎしている。「ミカちゃん、船だよー!」と笑っている。大海とは言えないまでも、海のある広島で生まれ育ったうえに、島国日本出身のワタシには、海にも船にも、そこまでの思い入れはないらしい。ラフィがそんなに嬉しそうな顔をしていることに、ワタシは嬉しくなる。

カティサーク号は19世紀に中国からイギリスまで紅茶を輸送する快速帆船として「活躍」した船。107日から122日で紅茶を輸送することができたそうだ。しかし、スエズ運河が開通したことで、カティサーク号の出番はなくなったらしい。スエズ運河は無風なため、帆船では通過できなかったようだ。ちなみにワタシの大学の卒論はスエズ運河についてでした。

そうそう、テムズ川クルーズ…なんていうと格好よく聞こえてしまうけれど、その実態は水上バス…したかったんだった。「帰りは水上バスで帰ろう」とラフィにチケットを渡す。「水上バスに乗るのは初めてだよー」とまた喜ぶラフィ。

水上バスからの眺めは絶景。本当にいい時間だった。でも、寒い。寒すぎる。時期を誤らなければ、最高でした。震えながらテムズ川沿いのロンドンの街並を楽しむ。

水上バスを降りて、ロンドン塔を眺めて、タワーブリッジを渡って、川沿いを散歩。「次はどこ行く?」と聞かれたのでカムデンタウンへ。駅の周辺のチープなお土産物屋さんが並んだ通りをみていると「なんか、ここ原宿みたいじゃない?」と思わず口をついて出る。「原宿かあ、懐かしいな」とラフィ。

そのチープなお土産物屋さんからは、なぜかやたらダリ語(ペルシア語?)が聞こえてくる。店員さんの顔をみると、あれ?アフガン人?イラン人?というひとが多い。それも何軒も。ラフィが「店に入って、ダリ語で店員さんに話しかけてみなよ」とやたら固執する。「ラフィが話しかけなよ」「僕じゃあ面白くないよ。日本人のミカちゃんだから面白いんじゃん。多分、スゲー驚かれるよ」と何度も何度もそう言う。でも、自分は絶対に声かけないのね。なんだろう、ラフィ、本当は寂しいのかな?と感じる。同郷のひとと話したいのかな。

ラフィは、このロンドンで本当にうまくやっているように見えた。ここまでの道のりは、決して楽じゃなかっただろうけど。いまは、本当にささやかで穏やかな日常を営んでいるように見えた。12年たって、ようやく「ロンドンこそが自分の居場所だと思えるようになった」という言葉に、やっぱり安心した。異国での辛いばかりの日々を生き抜き、ようやく手に入れた市民権とささやかな日常。ラフィの笑顔が嬉しかった。

帆船に大はしゃぎするラフィと再会できてよかった。12年の年月を経ても、また会えたことに感謝した。ラフィ、ずっと幸せでいてね。故郷には帰らないと決めた、その苦渋の決断を補って余りある幸せが彼にもたらされますように。
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●写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

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ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

●写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1

さあ、ロンドンの話も終わりが見えてきたぞー。

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