世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2018年08月

イメージ 1

Eid Mubarak!現地は犠牲祭を迎えた。エジプト、パレスチナ、アフガニスタンの友人から「おめでとう」の挨拶をもらう。

もう四年も前のことになるが、2014年に14年ぶりに現地で犠牲祭の日々を迎えた。ジェニン難民キャンプや、エルサレムの友人宅やあちこちの家から「犠牲祭はうちで過ごしな」とお誘いをいただいていたが、一番強靭に「イード(祭り)の日くらいうちにいなさい」というママの言葉を振り切れなかったので、犠牲祭はビリン村で過ごすことになった。

子どもたちは、新しい服を買ってもらい、おもちゃを買ってもらい、ごちそうが食べられることにはしゃぎまわっている。大人たちは、短い祝日のあいだにどう効率よく親戚へのあいさつ回りをこなしていくか、頭を悩ませている。

散髪を済ませ、きれいな服に身を包み、親戚へあいさつに行く。子どもたちにはイーディーヤというお年玉のようなお小遣いや小さな子にはお菓子が配られる。ワタシもすっかり増えた「甥や姪」に配るため、服を買ってあげるため、けっこうなお金を使ってしまった。

訪問した家では、この日のために用意されたクッキーやナッツがコーヒーとともにふるまわれる。これを欠かしてはならないと、イードの前には菓子屋に行列ができる。お菓子作りが得意なひとなら自分で焼く。

肉屋では、小屋につながれた羊を選び、それを購入した人が見守るなか、肉屋さんが羊を屠る。頸動脈を切り、血をできるだけ出し切った後、足からつるしてナイフで皮をはいでいく。そのあとは部位ごとに切り分けていく。余裕のある人は、自分の家族が食べる部分をのぞいて、親戚、近所、また地域の自治会のようなものやモスクを通じて恵まれない人に肉を配る。みんながみんな肉を買えるわけではないので、こうやって配られたお肉が「年に一度か二度のごちそう」という家庭もある。

ビリン村にも何軒か肉屋がある。必ずしもショーケースに肉を入れた店舗として構えているわけではなく、要望があればその場で屠って切り分けるという肉屋もある。マハムードの肉屋もそんな一軒で、大忙しの叔父を手伝うために二ダールが手伝っていたのを撮影に行ったのがこの写真。頸動脈が切れた血まみれの羊の写真もたくさんあるが、ここではやめておきましょうか。

このビリン村が舞台の、分離壁との闘いを描いた映画『壊された5つのカメラ』のなかで、逮捕、拘束されて、軟禁されて、何度も撃たれて怪我を負って、それでも毎週のように分離壁反対デモにカメラを片手に向かおうとする監督のイマードに向かって、奥さんのソライヤが「今日は行かないで、イードなのに」という場面がある。このひとことが、ものすごく印象に残っている。

どんなにおめでたい、お祝いの日でも、そこに抑圧と占領があり、それに抗うために命を懸けて出向く村人の姿。そして、逆に、どんなにひどい抑圧や占領の日常があろうとも、人びとはイードを祝い、日常を続けていく姿。そのどちらもが、パレスチナの人々の姿。

なにはともあれ、ムスリムの友みんなが心穏やかなイードを過ごせますように。

******************************************

8月29日、30日に川崎市とどろきアリーナで予定されている「軍事見本市」開催に反対します。

オリンピック開催に向けて「安全対策」の名のもとに、パレスチナの人々を監視し、人権を侵害し、抑圧、暴力をともない、傷つけ、殺しながら開発されている「安全保障関連の品々」を出品する見本市。

29日には、開催される場合は、会場となるとどろきアリーナ入り口前レンガ広場において11時半より「イスラエル軍事見本市をやめろ!大抗議行動」(主催:川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会)が予定されています。

関連記事
神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/article/354048

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201808/CK2018081702000164.html



*********************************************

さいたま市大古里公民館で開催される「第30回平和のための三室戦争展」にてパレスチナのお話をします。
8月26日(日)14時半からスライドトーク(約70分間)

☆交通機関
路線バス (浦31系統)JR京浜東北線北浦和駅東口からさいたま市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
JR京浜東北線浦和駅西口から市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
(浦和08系統)JR京浜東北線浦和駅西口から南台行「三室」下車徒歩5分(国際興業バス)

☆所在地
住   所 〒336-0911 さいたま市緑区三室2614-2
電話番号 048-810-4155
FAX 番号 048-810-4156
駐車場 有り・15台(但し公民館施設利用者が多い場合は満車になり駐車できないことがあります)


********************************************

『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i



また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。

『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 重版が決定しました。
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1

イメージ 1

現場という現場にいち早く駆けつける、パレスチナでも著名なジャーナリストでPalestine TVのレポーターでもあるアリーが昨日早朝ラマッラー近郊の自宅から連れ去られた。イスラエル軍による「逮捕」だとのことだが、ジャーナリストの自由な報道は「罪」ではない。しかし、ここ最近頻繁に現地のジャーナリストたちが同様の目に遭わされている。

アリーはビリンでもよくみかける。中継の最後に「アリー・ダール・アリー、ラマッラー、ビリンから」と締めくくるひとことは、もはや決め台詞と言ってもよく、必ず中継の最後はそれで締めくくられる。現地ではテレビで、日本からはネットにあがったニュース映像でそれをみると「ああ、今日もアリーは元気なんだな」と思う。

中継の途中で催涙弾を撃ち込まれたり、兵士に暴力的に排除されたり、一時的に拘束されたり、撃たれたり…パレスチナのジャーナリストたちは、みんなそういう目に遭わされながら、現場に立ち続けている。そういうジャーナリストの友人たちは毅然と立ち向かうので、怖くないのか?と聞いてみた。「怖いに決まっているだろー」という答えが返って来て安心した。みんな怖いんだ。それでも、伝えたいことがあるから、現場に立ち続けているのだ。

現場で「現在ここは軍事閉鎖区域に指定されたから撮影禁止」と一方的に自由な報道を阻まれることが頻繁にある。「根拠を示せ、裁判所の令状を出せ」と抵抗すると、それだけで一時的に拘束されることがある。「兵士を撮影した場合は10年以下の懲役刑」という法案まで提出された。この法案によると兵士による暴力、人権侵害を撮影するジャーナリストは「罪」になる。

こういう国が、人びとの暮らしを根こそぎ破壊して、人権を無視して、弾圧を繰り返し、人びとを監視下に置いて、自由を阻み、傷つけ、殺し、その日々積み重ねられる「実績」をもとに開発された品々が、オリンピックに向けた「安全」を確保するためと称されて、日本に売り込まれている。その見本市が今月末に川崎市とどろきアリーナで開催されようとしており、研究者、ジャーナリストの反対声明を提出する際の一員として名を連ねたことは先日報告した。

すべては、つながっていると思う。

この反対声明と市民団体との共同記者会見を受けて、何社かが報道した。ただ、新聞ではひとめをひくセンセーショナルな見出しや小見出しが大切だということはわかってはいても、「日本のイメージ悪化」という一文にはため息が出た。少なくとも私自身は「日本のイメージ悪化」が心配で反対しているのではなく、パレスチナの人々が日常の暮らしを阻まれ、命まで奪われながら開発されているようなものに、反対している。

ガザ地区の封鎖と空爆や「大帰還行進」への継続的な弾圧という「目に見えやすい」非道だけでなく、西岸地区で静かに繰り返されている日々の監視、人権侵害、「小規模な(ガザと比較すれば、という意味)」軍による弾圧、経済的な支配、入植地をとりまく問題など、どちらかというと一見しただけでは「目に見えにくい」非道にも反対する。空爆や封鎖だけがパレスチナの人々を苦しめているのではない。イスラエル国内で「二級市民」として暮らすことを強いられている人々の苦しみが「軽い」なんて、決して思わない。

今年もビリンでは相変わらずゴム弾、催涙弾、深夜の少年たちの連行が続いていたし、村をカバーする監視カメラも稼働している。ジェニン難民キャンプ近郊では「容疑者捜索のため」ドローンがずっと飛んでいたし、エルサレムにもどんどん監視カメラが増えていた。これらすべてが「実績」だ。日本はオリンピック開催に向けて「安全確保」のため、このようなものを導入しようとしているのだ。少なくとも、その意図のもとに、わざわざISDEF Japanが開催されようとしているのだ。ここまで来てしまったんだなと思う。

アリーをはじめとするジャーナリストたちを返せ。「軍事見本市」反対。あまりの自分の無力さに、情けなくなってくるけれども、意志だけは示し続けたいと思う。

29日には、開催される場合は、会場となるとどろきアリーナ入り口前レンガ広場において11時半より「イスラエル軍事見本市をやめろ!大抗議行動」(主催:川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会)が予定されています。

関連記事
神奈川新聞
http://www.kanaloco.jp/article/354048

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201808/CK2018081702000164.html

写真は、ビリンに集ったアリーを含めたジャーナリストたち。デモが始まる前のくつろぎのひととき。

*********************************************

さいたま市大古里公民館で開催される「第30回平和のための三室戦争展」にてパレスチナのお話をします。
8月26日(日)14時半からスライドトーク(約70分間)

☆交通機関
路線バス (浦31系統)JR京浜東北線北浦和駅東口からさいたま市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
JR京浜東北線浦和駅西口から市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
(浦和08系統)JR京浜東北線浦和駅西口から南台行「三室」下車徒歩5分(国際興業バス)

☆所在地
住   所 〒336-0911 さいたま市緑区三室2614-2
電話番号 048-810-4155
FAX 番号 048-810-4156
駐車場 有り・15台(但し公民館施設利用者が多い場合は満車になり駐車できないことがあります)


********************************************

『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i



また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。

『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 重版が決定しました。
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1

イメージ 1

「世界ねこの日」でパレスチナのねこを紹介したら、今度は我が家のシロの近況を紹介したくなった。

公園でシロと出会って一年が経とうとしている。

昨日、ずっと公園でシロにご飯をあげて命をつないでくれていたおじさん1(夕方担当)とおじさん2(朝担当)のおふたりがそろって公園にいらっしゃったので、シロの近況をご報告。毎朝ワタシの布団の横でウトウトしながら待ちかまえ、ワタシが起きる気配を感じるや否や隣に横になり、顎を差し出してきて「かいてかいて」とばかりに甘えるシロの様子を撮った写真を見せると「いやはや、感慨深い!」とおふたり。

保護、というより捕獲してからの一か月は壮絶だった。ブログにも一度記したことがある。人間の記憶というのは不思議なもので、あれだけ大変だった日々のことは、すっかり忘却の彼方。具体的な詳細を思い出すこともない。それでも、「しんどかったなあ」という思いは残る。もう一度あの経験を繰り返せるか?と聞かれたら間違いなく「ノー」だ。あの大変さを知らなかったからこそ、シロをうちの子にするという途方もない計画を実行したのだと思う。知っていたら絶対にできなかった。

パレスチナから帰ってきてからの日々は、行く前に少しずつ縮めた距離の縮めなおし。まったくワタシには懐かず、ワタシが不在のあいだにひとりでシロの面倒を見てくれたパートナーにだけ寄せる信頼と親愛の情。「シロが幸せならそれでいいんだよ」と、物わかりの良い自分を演じながら、寂しさとやりきれなさが押し寄せる。

そして5月、アフガニスタンに行ってから帰ってきたあとかな、劇的にシロが甘えてくれるようになった。「おい、またどこに行ってたんだよー」とばかりに。今度は旅程が短かったせいか、忘れられることもなかった。

それからは、シロはのんびり「うちの子」として暮らしている。まだまだ警戒心にスイッチが入り、子猫のころから飼い猫である子のようにはいかないこともたくさんあるけれど、ワタシたちは、シロの気持ちやシロのペースを尊重するように心がけるのみだ。

毎日、シロのいろんな表情を撮ることが楽しみ。毎朝、シロが至近距離で隣に横になり、吐息を感じながらその毛と体に手を差し伸べるとき、その感触、感覚のすべてで幸せだと思う。

雨の日、台風の日、嵐の日、シロは大丈夫かとただただ案じるしかなかった去年の今ごろのことを思うと、シロが手を伸ばせば届く距離にいてくれることがかけがえのないことだと感じる。

保護(捕獲)して、連れて行った病院でFIV(猫エイズ)キャリアだと診断されて、覚悟はしていたのに、思わず涙がこぼれた午後を忘れない。どうか発症しないでいつまでも元気で健やかに過ごしてほしい。

シロを幸せにしたい。シロとともに幸せでありたい。そんな「世界ねこの日」。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

今日は世界ねこの日だそうだ。それにちなんで、パレスチナで出会ったねこのことをご紹介しよう。たまにはそんな日があってもいいのでは?

いつも旅先で、路地などでねこに出会えば思わずその姿をカメラ片手に追いかけてしまう。今回のパレスチナ行きはそれが極端だった。

というのも、約半年のあいだ毎日毎日通いつめて(多い日には一日三回)、保護(というより捕獲だよな)した公園のノラ猫シロと暮らし始めて、わずか一か月で家を離れなければならなかったから。

どこにいても、なにをしていても、シロのことがアタマに浮かぶ。元気かな。寒くないかな。なにしてるのかな。退屈してないかな。病気になってないかな。。。

街角で出会うねこたちにも、つい思い入れたっぷりになってしまう。ノラなのかい?ごはん食べられているかい?誰かにかわいがってもらっているの?と。もう、本来の取材、撮影そっちのけになりそうだ。

パレスチナの人々は、ごくごく自然にねことの距離を保ち、かわいがっているひとも多かった。市場などでは肉屋、魚屋さんが店先で商品にならない部分などをあげている姿もよく見かけた。

ただ、「ねこに名前を付けて家の中で一緒に暮らす」というのは一般的ではないようで、ワタシが知る限りは「完全室内飼い」をしている家は一軒だけ。名前を付けて外猫にしている家が一軒。あとは、みかければご飯をあげるけど「責任をもって飼っているわけではない」というケースが大半。

たいがい「うちのねこにはシロという名前があり、家の中で暮らしている」というと驚愕される。「日本や先進国のねこは、きっと俺たちパレスチナ人よりも『人権』ならぬ『猫権』がしっかり守られているんだろうな」とため息まじりで言われる結果に。パレスチナ人だけでなく、シリア人、イエメン人、アフガン人などなど…置き換えてみると、否定しきれないところが悲しい。返す言葉もない。

写真のねこたちは、上からナザレ、エルサレム、エルサレム、ナザレ、ナザレ、ナーブルス、ナーブルス、エルサレム、ジェニン難民キャンプ。ねこの周囲を取り巻く「余裕」の差なのか、やはり難民キャンプの居候先の裏庭に現れたねこさんが一番痩せて毛羽立っている。そのほかは、各地の旧市街の街中で撮った写真が多い。古い石畳の街並みをしっぽを立てて悠然と歩くねこの姿をみつけるだけで「おおおー」と内なる興奮がわきあがる。周囲のひとに呆れられながら、石畳に這いつくばって写真を撮る。だいたいそれを見たパレスチナ人は、そんなワタシをクスクス笑っている。「うわ、あのガイジンねこ撮ってるよ」とひそひそ。

そんな時間がちょっと懐かしい。でも、やっぱり毎朝シロに起こされる「我が家の暮らし」が最高だ。


*******************************************

8月29日、30日に川崎市とどろきアリーナでひらかれるISDEF Japanの開催に反対します。

パレスチナの人々を殺し、傷つけながら開発されている「安全保障関連」の「装備品」と、東京オリンピックを前に「テロ対策」との名目でおこなう、この国の「防衛装備移転」政策に反対します。

会場となる「とどろきアリーナ」の利用許可取り消しを川崎市に求める署名サイト
https://www.change.org/p/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82%E9%95%B7-%E7%A6%8F%E7%94%B0%E7%B4%80%E5%BD%A6-%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82%E3%81%AF-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%9D-%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%A9%E3%82%8D%E3%81%8D%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%A8%B1%E5%8F%AF%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%B6%88%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=698969159&utm_source=share_petition&utm_medium=copylink&utm_campaign=share_petition&utm_term=undefined

*********************************************

さいたま市大古里公民館で開催される「第30回平和のための三室戦争展」にてパレスチナのお話をします。
8月26日(日)14時半からスライドトーク(約70分間)

☆交通機関
路線バス (浦31系統)JR京浜東北線北浦和駅東口からさいたま市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
JR京浜東北線浦和駅西口から市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
(浦和08系統)JR京浜東北線浦和駅西口から南台行「三室」下車徒歩5分(国際興業バス)

☆所在地
住   所 〒336-0911 さいたま市緑区三室2614-2
電話番号 048-810-4155
FAX 番号 048-810-4156
駐車場 有り・15台(但し公民館施設利用者が多い場合は満車になり駐車できないことがあります)


********************************************

『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i



また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。

『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 重版が決定しました。
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1

イメージ 1

ザアタル(ハーブの一種、畑で栽培されるもの、野山で採れるもの)と塩っぽいチーズを挟んで焼いたフティール(ピザのようなパイのようなパン)が大好物だ。でもこの写真を見ると、少しほろ苦い思い出もよみがえる。

ジェニン難民キャンプの居候先のかあちゃんは、ワタシが滞在中毎日清掃の仕事に出かけていた。ワタシも毎日それに付き添ってついて行った。

現場はジェニンの郊外にあるアメリカン大学の学生寮というか学生向けマンション。あちこちの寮というかマンションというかのオーナーや管理人との契約で、指定された部屋を掃除する。オーナーや管理人から依頼がある場合は、たいてい長期の休み前にいったん退去した学生の部屋の清掃とゴミ出しが仕事。

驚いたのが、裕福な子弟が多いアメリカン大学(大半はイスラエル領のパレスチナ人子弟が学生寮というかマンションに住む)、その退去した部屋というのが、まるでいまにも「ただいま」と帰ってきそうな部屋そのもの。エアコンは点けっ放し、電気は点けっ放し、衣類は散乱し、食べかけのピザ、飲みかけのコカ・コーラが散乱している。

「ここ本当に退去したあと?間違いなんじゃないの?いまにも帰ってきそうだよ」と驚くばかりのワタシはかあちゃんに言うが、「いつもこんなものだよ。お金持ちはなんでもかんでも残していく。片づけることすら面倒くさいから全部そのまま残していく。でも全部ゴミなんだよ。もう引き取りにも来ない」とかあちゃん。

クローゼットには山のようなまだキレイな新しい服。ひどいときには、新品のまだタグも取っていないジーンズが三本投げ出されていた。冷蔵庫には食べかけ、飲みかけの食料品、飲料の山。冷凍庫には肉やソーセージまで入っている。

ゴミ出しの最後に、ゴミのなかから持ち帰っていいかどうかを管理人にたずねる。食品や日用品はほぼOKが出る。かあちゃんは「実際にもらえる給料は安いけれど、洗剤からシャンプーから食料品までありとあらゆるものが手に入るから助かる」と、タクシーを雇って持ち帰る。そして近所や親戚にどんどん分け与える。それがまたお礼となって、なにかのカタチで返ってくる。

でも、まだ使えるものの山ばかり眺めていると、どんどん気持ちが沈んでくる。こんなに金銭的に豊かな、たかだか二十歳そこらの学生がウジャウジャいる一方で、彼らがわずか一分で使う金銭を得るために、一日かけてしんどい仕事をこなすかあちゃんのような人がいる、そのパレスチナの格差を目の当たりにして、またまた仕事をとおして肌で感じて、どんどん沈み込む。

洗剤でヒリヒリ、ガザガサ、キレギレになった手を洗って、かあちゃんが仕事に来る前に町中で買ってくれたザアタルパンを食べる。ひとり分5シェケル(160円ほど)の昼食。家の水道から使い古しのペットボトルに汲んできた水を流しこむ。ゆっくり食べる暇もなく、また清掃に戻る。

毎日毎日、仕事に行く前にかあちゃんが買ってくれたザアタルチーズパン。半日以上かかって広い部屋をふたつ終えて、ようやく手に入れられる80~100シェケル(2600円から3200円ほど)。交通費を払って、帰りのタクシー代を払って、晩ご飯のための買い物を終えると手元には翌日の交通費とザアタルチーズパン代しか残らない。

かあちゃんは、ため息をつきながらも毎日仕事に出かけていく。

*******************************************

8月29日、30日に川崎市とどろきアリーナでひらかれるISDEF Japanの開催に反対します。

パレスチナの人々を殺し、傷つけながら開発されている「安全保障関連」の「装備品」と、東京オリンピックを前に「テロ対策」との名目でおこなう、この国の「防衛装備移転」政策に反対します。

会場となる「とどろきアリーナ」の利用許可取り消しを川崎市に求める署名サイト
https://www.change.org/p/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82%E9%95%B7-%E7%A6%8F%E7%94%B0%E7%B4%80%E5%BD%A6-%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82%E3%81%AF-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%9D-%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%A9%E3%82%8D%E3%81%8D%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%81%AE%E5%88%A9%E7%94%A8%E8%A8%B1%E5%8F%AF%E3%82%92%E5%8F%96%E3%82%8A%E6%B6%88%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84?recruiter=698969159&utm_source=share_petition&utm_medium=copylink&utm_campaign=share_petition&utm_term=undefined

*********************************************

さいたま市大古里公民館で開催される「第30回平和のための三室戦争展」にてパレスチナのお話をします。
8月26日(日)14時半からスライドトーク(約70分間)

☆交通機関
路線バス (浦31系統)JR京浜東北線北浦和駅東口からさいたま市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
JR京浜東北線浦和駅西口から市立病院行き「北宿」下車徒歩5分(東武バス)
(浦和08系統)JR京浜東北線浦和駅西口から南台行「三室」下車徒歩5分(国際興業バス)

☆所在地
住   所 〒336-0911 さいたま市緑区三室2614-2
電話番号 048-810-4155
FAX 番号 048-810-4156
駐車場 有り・15台(但し公民館施設利用者が多い場合は満車になり駐車できないことがあります)


********************************************

『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
店頭にない場合は、書店でご注文いただければ幸いです。
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022

アマゾンからも購入できます。
http://amzn.asia/bUm0U7i



また、引き続き、下記の二冊の本のご注文もお待ちしております。

『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 重版が決定しました。
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

最寄りの書店でも、お取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』に収められた写真のカード、Tシャツ、トートバッグをこちらからお求めになれます。
ビタミンTeeのページ
http://www.vitamin-tee.jp/?mode=cate&cbid=985137&csid=1

↑このページのトップヘ