世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2020年04月

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先週、ある仕事のギャラが入ったので、十条のパレスチナ料理ビサンに行ってきた。

それまでのいきさつは、先日の「おなかがすいた、ビサンに行こう」をご覧ください。
http://mikairvmest.livedoor.blog/archives/5833942.html

現在のオープン時間は17時から20時の三時間。先日も書いたように、お店を開けるのも閉めるのも苦渋の決断だろう。そんな思いを考えるとヒリヒリしてくる。

「大丈夫。パレスチナ人は『仕事がない』ってことに慣れてるよ。できることをやるしかない。いまね、『ほかのこと』もしているんだ。そっちが結構忙しい」と、どこまでもアイディアをカタチにしようと進み続けるスドゥキさん。ポッカリ空いた時間で楽しんでいることの話、これからやろうとしていることの話、それに関連して出てきた、スドゥキさんの故郷のおじいちゃんの思い出話を聞いた。

いわく、「昔は畑を耕して、ヤギや羊を育てて、金銭的には豊かではなくとも、なにも困らない自然な生活をしていた。いつの頃からか、イスラエルでの労働という貨幣経済に組み込まれ、金銭的にはそっちの方が稼げるから、多くのひとが畑をほったらかし、手入れをせず、土地を売り、イスラエルに『出稼ぎ』に行った。そして壁が造られ、検問所で出入りがコントロールされるようになって、多くのそういう労働者が仕事を失った。もう一度畑に帰ろうとしても、荒れた土地ではもう難しかった。子どものころはモモやアプリコットなど、いろんな果樹があって、そういうものをたくさん中東諸国に輸出していた。その何十台も連なったトラックの大きさを覚えているよ」(一字一句正確ではありません。要約)。

お店が混んでいたら、テイクアウトを頼もうと思っていたが、残念ながら貸し切り状態だったので、たくさん話を聞きながらゆっくりいただく。普段、自分ひとりのときはなにかにつけて、極限まで節約生活なので、ギャラの8割をビサンで使って豪遊するのは、本当に気持ちがよかった。一番食べたいものを、金に糸目をつけず、食べたいだけ食べまくる…人生にそんなこと何度あるのだろうか。本当に満足な、幸せな時間だった。

ビサンで一番好きなラム串(上の写真)。柔らかく、ジューシーで最高だ。夢にまで出てくる味。スドゥキさんは、「お店からのサービスだよ」と頼んでいないものも出してくれた。ホンモスとオリーブと一緒にパンにはさんでいただく。

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最初にオーダーしたのは、ラム串と甲乙つけがたい大好物のタッブーレ。レモンの酸味とパセリと玉ねぎとトマトのそれぞれの豊かな味がたまらない。クスクス(ブルグルかも)入り。これを食べているだけで元気が出る。

チキンステーキは初オーダー。いつもむしろ鶏モモ串を頼んでしまうので。スパイス(といっても辛いわけじゃない、念のため)がしっかり効いた味。柔らかい。ジューシー。懐かしい味。「パレスチナ人はバーベキューが大好きだからね。バーベキューのときのチキンの味。おかあさんが楽したいときは、バーベキュー。鶏をビネガーやレモンですすいでスパイスで下味をつければ、あとは焼くだけ」とスドゥキさん。ビリンのハイサムの家でもよくやったな、バーベキュー。

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お店にいろいろなモノが貼ってあり、飾ってある。ワタシの写真が、仲間入りをしていて嬉しくなる。

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最後の〆は、アラブコーヒーで。お供はバスブーサ。

他人から見れば「不要不急」だろうけど、ワタシにとっては、一番好きなビサンのご飯を食べ、なによりもひとりで奮闘するスドゥキさんの顔をみて、話をして、ビサンを応援する気持ちを伝えたかった。スドゥキさんの作るご飯を、こんなにも楽しみにしている人間がここにいるよと伝えたかった。こんな困難なときに、ひとりよがりな迷惑な話かもしれないとは思うけれど。

でも、応援するつもりが、なんだか元気づけられて帰ったのはワタシのような気がする。

正直に言うと、ただでさえいろいろと困難が生じているのに、スマホは不具合を起こしいくつかのアプリを開けず(そもそもスマホが古すぎる)そのうえ今月の終わりまであと十日も残して無残にもパケ死。自宅のネットの契約容量も大きくないので、仕事の送受信でせいいっぱい。(なので、ブログを更新している場合じゃない気もする)。

さらに自宅台所の配水管が詰まってしまい、黒い水があふれ流れゆかない。ヘドロのようなにおいにシロもプンプン。シンクをチラチラ見ながら大声で抗議しているが、ワタシにもどうしようもない。どれだけシュポシュポやっても、下手なのかうまくいかない(そして、それを放置したまま、仕事部屋にこもる)。

本当にありがたいことに、集中して取り組まなくてはならない仕事がいくつかあるので、パケ死ということもあるし、しばらくSNS(特に容量の問題でスマホのアプリを捨てたFB)から遠ざかる予定です。

最後に、先日ワタシの投稿をご覧になって、ビサンに仕事帰りに立ち寄り、そのうえワタシにも「もう一品追加して食べて」とばかりにカンパをお店に託してくださったNさん。本当にありがとうございました。なんとお礼を申し上げていいのか。この場をお借りして、心よりお礼を申し上げます。

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もうひとつ、シロさんポストカードをご注文くださったみなさま、ようやくプリンターのインクが届いたので、続きを製作のうえ今週中には発送します。もうしばらくお待ちください。

十条近郊にお住まいの方、十条にご用事のある方、ぜひとも晩ご飯にパレスチナ料理(のテイクアウトも)をご検討ください。

ビサンのHP
http://bisan.biz/

スドゥキさんから聞く話、彼の生きざま、まさに『パレスチナのちいさないとなみ』で伝えたかった姿なんだよなあと、いつも会うたびに思います。

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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

パレスチナ・オリーブのサイト
http://paleoli.org/

読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。

もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。

ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。

★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/1026.html


アマゾンのページ
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★過去の著作★

★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
 
アマゾン
http://amzn.asia/bUm0U7i 


★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
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★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。


★ポストカードセット
パレスチナ
8枚組600円+送料実費(2セット以上より発送)

うちの猫シロさん
3枚組500円+送料実費(2セット以上より発送)
ノラ猫シロさん(保護前の公園暮らし時代)セットと家猫シロさん(我が家の一員となってから)セットあり



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十条にあるパレスチナ料理ビサンは、ワタシにとって「心のオアシス」「ライフセーバー」みたいなものだ。ただ「パレスチナ料理が食べられる」というだけではない。本当に美味しいのだ。

パレスチナではレストランで食事をするよりも、お互いの家を訪ね合って、家庭料理でわいわいもてなしあうのが一般的。最近は都市部では若者を中心にレストランやカフェの利用が増えてきているけれど、でもそれは一部の「新しい文化」。圧倒的大多数は、祝祭日や休日金曜日の家族で囲む昼食が一番のごちそう。「母ちゃんの手料理」が一番のごちそう。

とはいえ、当然、その「母ちゃんの手料理」にも上手い下手はある(ド下手なワタシに言われたくない、という前提は忘れてください)。何百軒もの家庭料理をごちそうになってきた経験から、「うわー、ここのご飯美味しい!」と舌鼓を打つことも、「あれれ???(以下略)」なことも(すみません、できないワタシがエラソーなことを言える筋合いは全くないんです、でも話を進めます)。

友達が「長いあいだ、うちの母ちゃんの料理がスタンダードだと思って生きてたんだけど、子どものころから親戚や友達の家でご飯を食べるたびに、『あれ?なんか家よりうまいな』と薄々感じてた。家を出て、思いっきり離れてみて『ああ、うちの母ちゃんは料理が得意じゃない、好きじゃないんだな』と気づいた。母ちゃんを傷つけないように、恐る恐る聞いてみたら、本当にそうだった。それからは、暇さえあれば俺ができるだけ作るようにしてるよ。母ちゃんは、素直に喜んでる。『あんた、料理うまいね』って」と、手料理をふるまってくれたことがある。お母上は「私は料理が下手なんだけど、息子は上手くてね!助かるよ」とおっしゃっていた。お母上と料理ベタあるある話で盛り上がったことは言うまでもない。

あたりまえのことだけど、みんな得意、不得意があるってこと。それでも、圧倒的に家庭では女性が台所に立ち、料理をすることが多いパレスチナ。あ、日本もそうだな。パレスチナでは、茶さえ自分で淹れられない男がいる。これワタシの友達にも本当にいる。わざわざ隣の家の母親か妹に淹れてもらうの、たまげた、ホントに。

さて、話を戻そう。そんなパレスチナの家庭料理がビサンの料理。そして、あちこちの美味しい家庭料理をいただいてきたが、スドゥキさんの料理の美味しさは突出している。スドゥキさんも、お母さんから学んだそうだ。そのあたりの話は、ぜひお店でご本人に聞いてみてね。ワタシは何回聞いても、努力家で頑張り屋さんのスドゥキさんらしいエピソードだなって思う。

そしてワタクシゴトになるが、普段、文字どおり爪に火を点すような生活をしている。交通費を節約するため5キロくらいなら歩いたり、昼食は基本的に150円以内だったり・・・枚挙にいとまがないが。でも、そんな生活のなかでも、自分に許していることは「好きな本を買うこと(もちろん全部じゃないけど)」「美術館で絵の展覧会をみること」「旅先でほしいものを買うこと(たいてい帰国後に持て余すんだけど)」とともに、「ビサンに行くこと、行ったときくらいは好きなものを存分に食べること」。

パレスチナが恋しくてたまらないとき、パレスチナの味が恋しくてたまらないとき「ビサンがある」というだけで、ワタシの心は救われる。さっそく仲の良い友達に連絡を取って、連れ立って食べに出かける。ある程度の人数で行った方が、いろいろなものを食べられるから。


でも、昨今のこのご時世で、飲食店も厳しい状況が続いていると聞く。ワタシはもともとあまり外食をしないので、その様子を実感として感じる機会は少ないのだが、そういう話をあちこちで聞く。


ただでさえ、ビサンに行きたい、スドゥキさんの料理が食べたいとの思いが限界に近づき、夢にまで見る始末なのに、外出を控えている友達を誘えないうえに、自分にはいまほとんど収入もない。応援の意味でも行きたいのだが、なかなか行けない。

でも、休業補償がない限り、お店は感染のリスクがあってもなかなか閉められないだろうなと、勝手に察する。そこで、ふと、「勝手に応援」と題してフェイスブックとツイッターで投げかけてみた。

【勝手に応援】
ワタシにとって、絶対になくなったら困るのが、十条のパレスチナ料理ビサン。コロナ禍により、飲食店も全体的に影響を受けている昨今、応援のために食べに行きたいのに、いまワタシにもほとんど収入がない。

ビサンでは、普段からテイクアウトはもちろんメニューにない料理なども気軽に相談に乗ってくれるので、お近くの方は、お近くの方でなくてもいろんな意味で余裕がある方は、是非とも買って食べて支えていただけたら幸いです。

...

ビサンに行きたいよー。夢にまで出てくる、スドゥキさんの料理、笑。いま収入がほとんどないワタシには無理だけど、お金が入ったら行くからねー!

スドゥキさん、ホントに大きなお世話だったらごめん。「忙しいのに、これ以上忙しくしないで!」だったらごめんね。でも、そうだったら嬉しいな。
(FB投稿より)

 
すると、その夜スドゥキさんからメッセージが来た。
「収入がなくってもいつでも来てね。ミカさんはワタシの家族だよ」と。

心配しているつもりが、心配されてどうするよ。その厚意に、好意に甘えるわけにはいかないの。お店に食べに行く限り、ワタシは客でありたい。お金をきちんと払いたい。ワタシが写真を撮り、文章を書く仕事できちんとお金を受け取りたいように。好意や厚意を期待されて無償で仕事をお願いされたくないように。だから、ありがたいお言葉だけど、「次のギャラが入ったら真っ先に行くから」と返事をした。

やはり、お客さんは減っているようだ。「でもゼロじゃないから」とポジティブなスドゥキさん。めっちゃ前向きで、めっちゃコツコツ努力家。

昨日、スドゥキさんのFBでテイクアウト用の「おべんとう」の投稿をみた。シャワルマ(いわゆるケバブ)とホンモス(ひよこ豆のペースト)、ムタッバラ(ナスのペースト)と思しきペースト、ポテトフライ、サラダ、おそらくピタパン付きと思われる写真だった。ランチセットの値段と同じく1320円(税込み)とのこと。定番なのか、たまたまこの日のセットなのかは不明なので、お店に聞いてみてね。

ともかく、テイクアウト可能なので、ぜひともお近くの方、お近くでなくとも行ける方、買って、食べてください。

今日は、いままでビサンで撮った、たくさんの写真とともに。

ビサンのホームページ

http://bisan.biz/

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ペーストやオリーブやサラダ各種。ムタッバラとタッブーレ(パセリのサラダ)がワタシの大好物。
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これは焼いたラムが載ったごはんだったかな。
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煮込み料理も美味しいよ。ファスーリヤ(インゲン豆)やバーミヤ(オクラ)煮込みは家庭料理の定番。ご飯にかけて食べます。
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マラミーヤ(セージ)ティーとクナーファ!!!この日のクナーファは特別メニュー。中のチーズが手に入りにくいって聞いた。
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拙著『パレスチナのちいさないとなみ』のチラシを持って宣伝してくれてるスドゥキさん。インムファラジュの写真をものすごく気にいってくれているので、今度お店にプレゼントします。
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定番のペースト四種盛りとピタパン。ピタパンはいくらでも追加注文可能です。腹具合と予算に合わせて。
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これまたワタシの大好物ヤギのチーズ。
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ワタシに注文の決定権がある日は必ずオーダー、ラムの串焼き。一番の好物です。
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コフタ(アラブ風ハンバーグというかミートボールというか)
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タッブーレ
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お客さん少ない日のスドゥキさんと雑談
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モロヘイヤもご飯にかけて食べます。これも家庭料理の定番。iPhone 2018.10 213
これは、いまは完全予約制になったランチメニュー。ケバブ(左)とバーミヤ(オクラ、右)セット。それぞれ1320円(税込み)
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ファラーフェル(ひよこ豆のコロッケ)はパレスチナではファストフードの定番。
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キリがないほど写真があるので、この辺でやめます。写真は全部スマホの写真なので、イマイチですみません。実物はどれも輝くばかりのオーラです。フォトジェニックです。

予算に応じて、こちらの要望をいろいろ聞いてもらえるので、まずは問い合わせ、相談してみてね。言い忘れましたが、スドゥキさんの日本語はネイティブ並みです。安心してお問い合わせを。

以上、ビサンを勝手に応援でした。

早く行きたい。パレスチナにも行きたい。


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SNSで医療従事者と思われる方々のいくつかのつぶやきをみた。(意訳。一字一句正確ではない)
・外出自粛のなか外に出て遊んで罹ってるひとを命がけで看護する気にもなれない
・仕事を休んでも給与がもらえる(補償される)ひとがいるなんて、働いている私たちはアホらしい

いや、ごもっともだとは思うんだよ。医療従事者の方々の命と安全と生活が守られるよう、最善の配慮がなされるべきだと思う。でも、一方で、こういう「分断」がワタシにはウィルスくらい恐ろしい。医療従事者はもちろんのこと、命がけで働いているすべてのひとに感謝する。

「遊んでいるから罹る」わけじゃない。補償がないから、リスクをおかしてでも働きに行かざるを得ない。外出せずにできる仕事ばかりじゃない。外出すれば罹るかもという恐れもある。でも今日の日銭を稼がなければ暮らせない。だからこそ「補償を」と言っている。医療従事者の方々に、これ以上無用なリスクを負わせないためにも、感染者と感染リスクを減らすしかない。そのためには、きちんとした補償と、それを受けて外出を慎む、ひととの接触を避けるしかないと思う。そのうえで、医療従事者やそのほか私たちのライフラインを支えるようなお仕事に従事されている方々には、手当てを追加すべきだと思う。(専門家ではないので、財源は~?とか、無用なカラミはご勘弁。まずは軍事費、あ、「防衛」費か、削ればいいんじゃない?いまや外国が攻めてくる云々より目に見えないウィルスと、それを利用して自らの保身や利権や意思を押し通そうとするニンゲンの方がよほど脅威だ)

こんなときだからこそ、立場や考えが違うひとの気持ちを考えたい。考えたってわからないことも多いけれど、少なくとも「自分の正義」みたいなものは疑った方がいい。

責任を取るとか、取らないとか、首相の言葉が話題になる。でもさ、考えてみれば「責任を取る」って本当の意味では無理なんだよね。亡くなった命は還ってこない。それでも、「責任を取る」という意識と覚悟をもって全力で最善を尽くすのか、否か、問われているのは言葉の字面ではなくてその意志の有無でしょう?その気持ちも意志もない方に、責任云々を言われても。しかも取ったことも実際にはないのに、「取ればいいってもんじゃない」とまでおっしゃる。本当に、こんな首相、政府に殺されるのはまっぴらごめんだ。大切なひとが、この意図的としか思えない無策と愚策で亡くなったらと想像するだけで、居ても立ってもいられない気持ちになる。(もちろん自分自身も、ね)

こんな、仕事もほとんど尽きて暇ばかり持て余し(とはいえ、持て余してはいないかも、なぜか結構忙しい)悶々としてる日々に、原稿書きの仕事をくださった某社某氏、「桜の写真プリントを注文して『仕事』をあげよう」とご注文くださった方、パレスチナのポストカードをご注文くださった方(8枚セット600円です。2セットより発送いたします)、シロの写真でポストカードをとご注文くださった方(ちなみに、シロでもパレスチナでもアフガニスタンでも、お好きな写真でポストカード刷ります。家のプリンターでの作成なので、こちらは少し割高です)、自社のオリーブオイルを送ってくださった『パレスチナのちいさないとなみ』共著者でパレスチナ・オリーブの皆川万葉さん、本当に本当にありがとうございます。

「ひとりじゃないよ」そう言われている気がしました。本当にありがとう。

昨日も書いたけど、いますぐ劇的に変えられることはないかもしれないけれど、声をあげる、自分にできる範囲で無理なく行動する、そういうことは力尽きない限り、続けていかなきゃと思う。

税金は、ワタシたち自身が使い方をチェックして決める。補償はなにも自分自身のためだけではない。しかも、それは「恵んでもらう」ものじゃない。政治家や官僚の「自由になるカネ」ではない。ほかの国々で「あたりまえになされていること」が、なぜこの国ではこんなに渋られるのか。本当に私たちは政治のあり方を考えなくてはならない。自分の暮らしのために政治があることを。ワタシたちは国のための便利な使い捨てのコマじゃない。

今日は、そんなことを考えながら、ひよこ豆を煮ていると夕方になっておりましたとさ。

今日も先日撮った桜の写真とシロさんの写真を添えて。

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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

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★『パレスチナのちいさないとなみ』
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★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

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二月にだんだんと仕事が消え始め、三月にほとんど仕事がなくなり、四月に突入した。

日々思うことはツイッターでつぶやき続けているので、ここではできるだけ繰り返さないが、補償がなければ、どれだけリスクが高いとわかっていても、どれだけ不安でも、仕事に行くために外出せざるを得ない。金を稼げなければ生活が成り立たない。家で仕事ができる職種なんて限られている。

それでも「補償はしない、外出自粛を要請する」というのは、結局、よほどの資金力や体力がない会社も人間も生き残れないけれど、政府に「生き残る必要なし」と言われているに等しいと感じる。ずっとずっと「自己責任」が叫ばれ、どんどんひとの心に刷り込まれてきた国だもん。その「なれの果て」だと感じる。

でも、それを意図の有無はともかくとして、放置して許してきたのは自分自身なのだ。虚無感で倒れそうになる。でも、すぐに劇的に変わることなんて、なにもないんだ。あきらめたらそこで終わりだ。次世代になにを残すかだ。そうパレスチナで学んできたじゃないか。しんどいから、ときには休み休み。そうはいっても、やっぱり疲れる、落ち込む。ときには激しく落ち込む。収入がほとんどないからなおさらだ。

「緊急事態宣言が出たらホームセンターも休止要請」というのを目にしたので、銭と気力と買い占めなどで在庫が尽きる前に、当面のシロのご飯を買いに行く。ノラ猫だったシロは、公園に捨てられて腹をすかせた日もあれば、みずたまりの泥水をすすっていたこともある。そんなシロも、いまでは結構選り好みする。いくら最終手段としてネットで買えるとはわかっていても、当面の在庫くらいは確保しておきたい。

そんなことを考えながら歩いていると、近所の花壇に色とりどりの明るい色の花が咲いていた。どれだけ暗い気持ちでいても、春になれば明るい色の花が咲く。そんな当たり前のことに、妙に感動したのだった。視界から受ける感動、そんなに滅多にあるわけではないが、理屈ではなく、目の前の光景に感動した。「花ってスゴイな」と思わずつぶやいてしまった。滅多に花も買わない、飾らないような粗忽な人間だ。一輪挿しも花瓶もほこりをかぶったまま部屋の隅に置かれている。ほこりをかぶっていないものは、花の代わりにシロの玩具のひものついた棒が挿してあるような始末だ。「ああ、花でも買って帰ろうかな。お金ないんだけどな。でも、こんなときだからこそ、花なのかな」と思うも、結局、買えず。

でも、どこにも行けない日々に、桜盛りの近所の公園をひとりで歩きながら撮り歩いたじゃん。ちょっとそれを眺めてみようと思う。

いま、自分にできることはなにもないに等しい。取材に出られるわけでもないし、それどころか次の取材費として貯めてあったものが、どんどん減るばかりだ。このままでは、「次の取材」なんて夢のまた夢。そう考えるだけで、もう起き上がれないような気持ちになる。もう、なにもしたくなくなる。幸か不幸か、本当にこのままなにもしなくても誰にも迷惑が掛からず、誰も困らない。なにも考えず、ただひたすらふて寝していることだって可能だ。しばらくは。ひととして、恐ろしいことだと思う。自由すぎる自由(ただし、収入の伴わない)に戦慄する。

『パレスチナのちいさないとなみ』のまえがきで、ビリン村のパパのことを書いた。仕事を失って、宙をみつめて煙草を吸うばかりのパパ。数年経ち、ついに煙草の煙すら見えないまま同じ場所に座り続けているパパ。あのころのパパの心のうちの焦り、絶望、悲しみ、苦しみを想像すると泣きたくなる。「仕事をする」って(収入の多少、有無はとわない)誇りを保つことなんだな。いまの自分には、より実感をもって、わかる。

なにもできないけれど、身のまわりの写真だけは撮り続けようと思う。そして、写真を撮るために必要な「心」だけは、失くさないようにしたいと思う。

一番、この写真を見せたいのはビリン村のパパ。でも、もうパパの目には、なにも映らない。

写真はすべてオリンパスEP-2、レンズ40-150mm(F4-5.6)にて撮影。
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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

パレスチナ・オリーブのサイト
http://paleoli.org/

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ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。

もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。

ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。

★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/1026.html


アマゾンのページ
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%BF&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&ref=nb_sb_noss_2


★過去の著作★

★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
 
アマゾン
http://amzn.asia/bUm0U7i 


★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

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