世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

2021年03月

昨日、見頃を過ぎた桜にも散りゆく独特の美しさがあると書いた。それをカメラを片手に探す夕刻が自然と向き合い、自分自身と向き合う貴重なひとときとなった。今日は、そんな昨日のひとときの写真などを。

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桜を窓から眺めるシロ。この冬も無事に(とひとことで書くには、何度か体調悪化のちいさな危機はあったものの)大病することなく乗り切れて、春を迎えることができた。シロはノラ猫のころ、またはノラ猫にされる前(つまり公園に棄てられる前)、どんな景色を眺めていたのだろう。舞い散る桜の花びらを振り払ったり、追いかけたりもしたのだろうか?

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花が散り、真っ赤になった花の中心部が「役目を終えた」とばかりに、きれいな花びらをまとうのをやめて風に揺られている。その姿が妙に美しく感じられる。はなびらをまとっていたときには、色も真っ赤ではなかったし、こんなに存在感なかったな。
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曇り空の夕暮れに、花びらのはかない白さが浮かび上がる。太陽の光を受けて輝いているときと、なんと表情を変えることか。

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緑の葉が出てきている。もうすぐ緑がいっぱいの季節になる。人間はどれだけ愚かなことを繰り返していても、自然は移ろい、季節は巡る。

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窓から夜桜を眺めるのも、今年もそろそろ終わりだね。シロも堪能したかい?

「おいらは桜より、ちゅーるのほうがいいけどね」(シロ)

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「おやすみにゃさい」(シロ)

シロは、震災以来通い続けている三陸宮古でお世話になっている方から送られてきた魚が詰められた発泡スチロールの箱で作った寝床がずっとお気に入り。ノラ猫から我が家の子として迎え入れるとき、間に合わせで用意した箱なのに、三年半ずっと使っているよ。

このなにげない日常が今日も守られていることに感謝して。そして、その日常が奪われている世界中のひとたちのことを思いながら。

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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

パレスチナ・オリーブのサイト
http://paleoli.org/

読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。

もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。

ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。

★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/1026.html


アマゾンのページ
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%BF&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&ref=nb_sb_noss_2


★過去の著作★

★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
 
アマゾン
http://amzn.asia/bUm0U7i 


★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
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上記の書籍、およびクルドのおかあさんのオヤのネックレスなどを、引き続き二月末まで写真展を開催してくださった古書ほうろうさんにてお取り扱いいただいております。同店のオンラインストアでも購入可能です。
https://koshohoro.stores.jp/

一月から二月の写真展「パレスチナの人びと」について
https://horo.bz/event/takahashimika20210113-0228/


★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)

http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
https://benice-books.stores.jp/items/5e8ec7102a9a42515415e38b

http://benice.co.jp/index.html


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ここ二日ほど桜の撮影をサボっているあいだに、すっかり桜が散り始めており、もう散りかけているのに撮ってもしょうがないよなあ…などと考えていたが、やっぱり撮りたくなり、わずかな時間をみつけてカメラをつかんで今日も飛び出す。「見頃は短い」「散りゆく花は撮ってもしょうがない」そんな風に感じていた自分を恥じる。満開ではなくても、一番の「見頃」は過ぎてしまっても、散りゆく花にもその独特の美しさがある。「滅びの美学」なんて言葉も思い出す。

とまあ、そんなことを感じながら撮った写真をアップする前に、まだ満開の「見頃」の写真のアップが終わっていないので、こちらを先に。

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撮影をしていると、いろんなことを考える。普段考えないようなこと、普段気づかないようなことまで思い到るときがある。「すべてのものを創ったのは神、人間はそれを発見するだけ」というようなこと(うろ覚えなので不正確だったらスミマセン)を言ったのはガウディ。あれだけのものを「つくりあげ」たガウディですら、「自分は神が創った自然から見つけ出したに過ぎない」と感じていた、その言葉を、自然と向き合いながら作画していると何度も思い出す。カメラを手にしていなければ、ファインダーをのぞいてシャッターを押していなければ、そんなことを感じ取ることもなかっただろう。

「それどころじゃない」ことだらけの日常のなかで、こんなことを感じられる時間がもてる幸せを思う。

今日はパレスチナの「土地の日」だ。大地に根差す木の根っこをみつめながら、土地を奪われること、人生を奪われること、尊厳を奪われること、何十年も放置されることを思う。

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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

パレスチナ・オリーブのサイト
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★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
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★過去の著作★

★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
 
アマゾン
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★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

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★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
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すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。

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今年は桜を撮る気力もないなあ、今朝の今朝までそう思っていた。うちの窓から目の前一面にほぼ満開の桜の木が見渡せるのに、窓の外をしみじみ眺める気力もなくしていた。「あ、シロが窓辺で花見をしている。写真を撮ろう」と、久しぶりにカメラを取り出したが、仕事も撮影の機会も激減したいまや、カメラの電池も切れていたというお粗末さ。ああ、いつからこのカメラ使っていないんだっけ。仕事で最後にこのカメラ使ったのいつよ。苦笑する。別のカメラを取り出す。(窓の外の光景を鮮明にしないため、桜をオーバーで飛ばしてあります)

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ところが、今日、ふと午後からカメラを持って小一時間ばかり近所をぶらつく気になった。用事があってちょっと出なきゃいけないのがちょうどよかったのかも。用事を済ませて、カメラをつかんで飛び出した。

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風に揺れる桜の枝を見上げる。どの花びらのどの表情を切り取ろうか。見上げた先に無数の花が目に入るが、そのなかのどの花を、どんな風に切り取ろうか。どのコ(花ですけど)にどんな光が当たって、どんな表情を見せてくれているのかな?そんなことを考えながら、視線を走らせる。

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サクラなんて、どの花も同じ・・・じゃない。花びらの個性や咲き方はもちろんのこと、光の当たり方、背景の色、カタチ、さまざまな要素で写し取られる表情が変わる。それが面白くて、知らず知らずと夢中になっている。ああ、ファインダーをのぞいて、被写体と向き合い、その表情を切り取る・・・ただそれだけのことが、こんなに楽しいんだな、ワタシはこんなにも撮影が好きなんだなと、ふと忘れていた気持ちに気づかされて驚く。シャッターを押す高揚感、思うように表情が切り取れた喜びに夢中になる。

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一年前のこの時期にも、思うようにならない焦りと苛立ちと、そんななかで桜を撮ったときの気持ちが「花のチカラ」として残されていた。一年かあ、進歩ないな。でも、写真を撮ることがこんなにも楽しいと思えるうちは、まだ大丈夫な気がする。

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うん、まだ大丈夫。とってもそんな気がした一日でありました。

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2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

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★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
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版元ビーナイスのページ
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