
ワタシも昔はそうだったと思う。テレビから流れてくるのは戦車の侵攻、ミサイル攻撃、逃げ惑う人々…という姿ばかりだった。パレスチナに行ってみたいと思ったのは、きっとそこが「戦場」だと思っていたからなんだと思う。「戦場」を撮りたかったからなのだろうと。
しかし、実際に足を運んでみると、「紛争地」と呼ばれる場所にも、当たり前の日常が存在することを知った。本来「赤の他人」でしかないワタシを、実の娘のようにかわいがってくれる、実の「兄弟姉妹」のように大切にし、ときには壮絶なケンカもし、それでも抱きしめてくれる人々がいることを知った。かけがえのない友もたくさん得た。
「戦争」でひとの命が奪われることは本当に辛いこと。ただ、目に見えやすい空爆や軍事侵攻だけが悲惨なのではなく、「当たり前の日常」を繰り返し、じわじわと奪われることも、同様に悲惨なことなのだとワタシはパレスチナで実感する。目に見えにくいからこそ余計に、その日常をじわじわと奪われる絶望感は強く、しかし遠い海のこちら側には伝わりにくい。
ワタシにできることは、小さなことでしかない。一見すると「穏やかな日常のなかで笑顔を浮かべる人々」にしか見えないかもしれない展示写真の隅っこや裏側に、彼らが抱える苦難を伝えること。しかし、苦難だけではなく、彼らが夢や希望も持つ人々だという当たり前のことを伝えること。
今日の写真のアブーアラアのエピソードは、いままでも繰り返しこの場で書いてきた。拙著「パレスチナ・そこにある日常」には出会いのときのことを書いている。
こちらは2013年の再会の時のこと
http://blogs.yahoo.co.jp/mikairvmest/39619223.html
たった一坪ほどの小さな小さなコーヒー屋台で、一杯30円のコーヒーを早朝から夜まで売り続けるアブーアラア。2009年に出会ってから、この町を通りがかるたびにコーヒーをご馳走し、一度もお金を受け取ろうとしてくれないアブーアラア。もの静かで、勤勉で、実直で、優しくて、パレスチナの良心を体現しているようなひと。
ワタシの願いは、ずっと誰にも邪魔されることなく、彼があの小さなコーヒー屋台を守り、そこに集う人々のささやかな憩いの場が、この先もずっと守られること。アブーアラアの屋台に何年も通うようになって、そのたびに再会する常連客と、今度もまた他愛のない会話を続けられること。
言葉が過ぎるかもしれないが、ワタシにとって、「中東和平」とか「平和」とかよりも、出会ったみんなの日常が守られることの方が大切なことだと感じる。それなくして「和平」なんてあり得ないと。
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下記の通り、写真展「パレスチナに生きる人々」江東区東陽の江東文化センターにて開催中
≪写真展≫
日時:12月20日(日)~25日(金)10時~20時
初日は10時半会場、最終日は16時終了
場所:江東文化センター2階ロビー
江東区東陽4-11-3 東陽町駅から徒歩3分 3644-8111
※無料
≪ギャラリートーク≫
日時:12月23日(水・祭日)11時~12時と15時~16時
場所:文化センターロビー隣の談話ホール
パソコンの画面を見ながら高橋さんのトーク
※無料
≪終了後高橋さんを囲んで懇親会≫
日時:12月25日(金)6時(4時に展示あとかたずけ)
場所:香港苑(東陽4-6-20 03-5635-1088)
※参加費アリ
主催:江東9条の会・希望のまち東京in東部
みなさまのお越しをお待ちしております