IMG_4500-20200609-180437
「ひとはなぜ絵を描くのか」ずっとこの命題を考えている。パレスチナの分離壁に描かれている抵抗の壁画、世界各国で出会ったグラフィティ、まだ未踏の地の墓に描かれた絵。もちろん、現在のように美術館や美術展などがない遥か昔から、人類は洞窟などに絵を描き、ファラオの墓に絵を描き、神殿を装飾し、宗教画を描いた。

IMG_4468-20200609-175654
フラ・アンジェリコやレオナルドの絵を例に挙げるまでもなく、「受胎告知」は多くの画家がその場面を描いている。その受胎告知(聖母マリアが大天使ガブリエルからイエスの誕生を告げられた)の地だと伝えられている場所に建てられた教会が、この受胎告知教会だという。現在の教会は1969年に完成。ローマ皇帝コンスタンティヌスの母ヘレナがこの地に教会を建てたことが始まりだとされる。

さて、ナザレは現在イスラエル領であるが、クリスチャンとイスラム教徒のパレスチナ人が暮らす「アラブの町」だ。こちらは「ナザレ旧市街」という位置づけらしい。イスラエルのほかのアラブの町や村同様、各地からのアクセスはいいとはいえない。ナザレの近郊に「新しく造られた」町ナザレイリット(アッパーナザレ、新市街)には、各都市からのバスの便があるのに、アラブ側のナザレにはない(ハイファなど近郊の町からわずかにある)。ワタシたちもエルサレムから近隣の町アフーラー行きのバスに乗り、アフーラーでタクシーをつかまえてからナザレ入りした。

エルサレムからテルアビブへ向かう1号線を西に向かい、途中のジャンクションで6号線を北上。この6号線を造るときに、多くのアラブの村々の土地を接収し、大きな反対運動などもあったと聞くが、いまはイスラエル北部の町への大動脈となっている。この6号線を通って実感したのは、「あれ?ラマッラーからナーブルス、ジェニンへ至る景色と同じだ」という感覚。当たり前だよね、いまは分離壁や検問所によって、そしてなによりアラブの村々を壊し、「新しい町を造る」イスラエル化という既成事実によって、隔てられ、遠ざけられ、別の道を歩むように強いられているふたつの地域は、もともとひとうだったのだから。そして、西岸地区の方は、皮肉なことにラマッラーからナーブルス、ジェニンへと至る道は入植者用道路(なにごともないあいだは、検問などによって許された人や車両は通行できる)を通るので、イスラエル側の大動脈6号線と同じ造りなのだ。もともとの光景が、丘があり、オリーブ林が続き…と似ているうえに、通る道路が似ていれば、印象が同じなのも無理もない。

こんな調子では、いつまでたっても受胎告知教会へとたどり着けないので、一気に飛ぼう。教会はナザレ旧市街にある。旧市街の石畳のスーク(市場)には居心地のいいカフェ(パレスチナ産ビールのタイベビールもあった)やパレスチナの民芸品(刺繍製品や陶器やオリーブ石鹸などなど)が置いてあるセレクトショップなどもある。買い物も楽しい。

受胎告知教会には、世界各国から送られてきた宗教画や聖母マリア像が飾られている。

世界各地からの宗教画はお国柄がたっぷり出ていて、眺めているだけで楽しい。

IMG_4474-20200609-175746
IMG_4475-20200609-175809
IMG_4476-20200609-175837
IMG_4477-20200609-175849
IMG_4478-20200609-175900
IMG_4479-20200609-175915
IMG_4480-20200609-175932
IMG_4481-20200609-175946

中国の教会からのものも上の写真にあるが、聖母子がアジア風。宗教画が「難しいことはわからないけれど、絵を見れば、その教えがわかる」という信者の理解を助けるために描かれたものであれば、自分たちと似た風貌を描くのも大いに頷ける。

さて、次回(多分あるはず)は教会の内部へご案内(の予定)。

そうそう、ナザレには『パレスチナのちいさないとなみ』共著者の皆川万葉さんのご案内で行ったのでした。ナザレ近郊のパレスチナの村々の農家などで採れたオリーブオイルが万葉さんの会社パレスチナ・オリーブで販売されています。
________________________________

2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。

パレスチナ・オリーブのサイト
http://paleoli.org/

読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。

もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。

ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。

★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ha/1026.html


アマゾンのページ
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%83%91%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%BF&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&ref=nb_sb_noss_2


★過去の著作★

★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624411022
 
アマゾン
http://amzn.asia/bUm0U7i 


★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社) 
版元の未來社のページ
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624410919

アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21

★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
http://www.amazon.co.jp/ボクラ(Bokra)%E3%80%80明日、パレスチナで-ビーナイスのアートブックシリーズ-高橋-美香/dp/4905389275/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1421878540&sr=8-2&keywords=ボクラ%E3%80%80明日

版元ビーナイスのページ
http://benice.co.jp/index.html

すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。

著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。