世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

カテゴリ: わくわく井の頭自然文化園

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古くからの友人知人はワタシがどれほど井の頭自然文化園を愛して「いた」ことか、ツシマヤマネコのトラジロウを愛していることかよくよくご存知の方も多いはず。

以前住んでいた家は文化園にはチャリンコで行けたので、よく5キロの道のりをぶっ飛ばして行っていたものだ。

ところが、トラジロウがいなくなった。盛岡へも会いに行ったが、毎日のように暇さえあれば顔を出して、写真に撮って「またオマエかニャー」とプイッとされ、それでも気をひくためにいろんな方法を考えだし、心理合戦のようなことを繰り返し、騙されたトラちゃんはブーッツとした表情、瞳になり…と、それこそがワタシの最高のひとときだった…そんな「親密」さ?!は盛岡では持てなかった。

その傷はあまりにも深すぎた。あれから、ずーーっと買い続けていた井の頭自然文化園の年間パスポートを更新しなくなり、滅多に行かなくなり、挙句の果てには井の頭にチャリンコで通える距離に住むモチベーションもなくなり、遠くに引っ越し、ツシマヤマネコの展示のなくなった井の頭自然文化園には行かなくなった。トラジロウの不在を感じることは辛すぎた。

不覚だった。ツシマヤマネコの展示が再開されていたことを知らなかった。たまたま、静かに桜を眺められる場所、たまには動物たちに会いたくなって、なんとなく行ってみたに過ぎなかった。

トラジロウがいた場所にいたのはノリ。顔もたたずまいも行動も、トラジロウとは違った。最初はトラジロウとの違いばかりが目につき、改めてその不在を感じさせられて辛かった。それでも、数時間が過ぎるころには、ノリを愛しく思うようになっていた。帰るころには、自然と「また来ようっと」と心のなかでスキップしているような自分がいた。

そんなわけで、久々の井の頭自然文化園の写真。

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こんな日が来るとわかっていたら、もっともっと一緒にいられる時間を大事にしたのに…と、悔いの涙を流すのは何度目だろう。

でもまさか、こんな風に突然の別れがやってくるとは思わなかった。そして、悲しみのあまりダーダー涙が出てきたことにも驚いた。

夕方ツイッターで流れてきた「トラジロウが元気に盛岡市動物公園へと旅立っていきました」のニュース。

そんな…絶句した。

ツシマヤマネコを知らしめるために、そして一か所での集中的な飼育で起きる事故や災害などでのリスクを避けるために、井の頭、福岡、対馬、富山などでそれぞれ分担して飼育されていることは知っている。

それに加えて何年か前に、その輪に盛岡が加わったことも。実際に、盛岡ではどんな風にツシマヤマネコが飼われているのか、観に行ったこともある。

そして、血統の問題から、井の頭ではトラジロウだけが繁殖から外され、唯一頭公開されてきたことも。動物園に展示や啓蒙と同じくらい種の保存という役割があることも知っている。

でも、それらをすべて分かってはいても、こんな風に突然のお別れが来るなんて悲しすぎる。

井の頭に行って、弁当を広げて食べて、トラジロウに話しかけて、その動作に胸をキュンキュンさせて、トラジロウがわざとプイッとそっぽを向く姿に笑って、そんな休日だけが心の支えだった。長いこと。

トラジロウに恋をしていた。動物園のヤマネコに。好きで好きでたまらなかった。ありがとう、とか、盛岡のひとに愛されて、とか、言えないよ。だって、盛岡の人たちに嫉妬するもん。羨ましすぎるもん。

いつかまた会えるのかな。

別れも言えなかった。ありがとうもさようならも。

トラジロウに会いたい。

しばらく立ち直れそうもない。

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ひょんなことから山登りをすることになった。宮古のボランティアで何度も何度も偶然ご一緒している「師匠」(某山岳会の会長をつい最近までなさっていて、会のお弟子さんからいつもそう呼ばれている)と、また今回の宮古でご一緒した。聞けば、つい最近山岳会を辞められたそうだ。「俺ももう70だし、もう教えることもなくなっちゃったから、これからはひとりで気ままに登ろうと思ってさ」と師匠。

宮古のボランティアの大半の方々はクライマーの方々。震災後の初期には、サバイバル技術に長けていて、なんでも自己完結できるクライマーの方々のノウハウがボランティアには特に有効だった。宮古で出会うクライマーの皆さんは、本当に素敵な方が多い。山登りなんて、大昔にいきなり雲取山に登って散々な目にあったのと、うっかりシナイ山に登る羽目になったのと、あまりいい思い出がない。苦しくて苦しくて、根性のないワタシには無理だろうと…。

でも、皆さんに出会って、なんか山にまた行ってみたくなってきた。この1年4か月、ずっとそんなことを思っていた。でも、なんか敷居が高い。ところが、師匠が連れて行ってくださるというのだ。

日々、時間をみつけては歩くようにしている。今日は思い切って、撮影機材を背負って井の頭自然文化園までの往復(寄り道いれて11キロほど)を歩いてみた。

最後の2、3キロは、もう1キロ歩くたびにへたり込みそうになっていた。足が前に進まない。でも進まないと帰れない。日焼け止めを顔に塗ったのに、日焼けで鼻のアタマは真っ赤。古傷の骨折した部分が痛む。せっかく井の頭に行ったのに、動物たちはみんな暑くてぐったりしていて、1時間半ほどで文化園を後にした。トラジロウも草の陰でじーっとしている。リスの小径は台風で1か月ほど壊れていたがようやく再開。リスも暑くてぐったりしてた。

いやいや、いきなりこの炎天下の11キロウォークは無謀でした…。ぐったり。

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昨日、オモチャとして遊びで使っているミラーレス一眼のE-P1(通称PEN)のこれまたお遊び用の望遠レンズを買った。普及版のレンズなのでちょっと暗い。でも、ミラーレスのようなカメラで明るい大きなレンズってのもアンバランスだし仕方がないのかな。とにかく、それの試し撮りに久しぶりに井の頭自然文化園に出かけた。

井の頭は開園70周年ということで、メモリアルグッズの販売もしている。ブックカバーとガイドブックを買った。

カモシカに赤ちゃんが生まれていたり、リスの小径が台風で壊れ、脱走したリスがおうちに帰りたくてその外を走り回っていたり。

ハナちゃんとトラジロウのところで、ことさらゆっくり過ごして、ガイドブックを眺めながらのんびりお昼ご飯を食べて、雨が降る前に(結局降らなかったけど)帰宅。

肝心の試し撮りは、動物園でコンデジやミラーレスは使いにくく、シャッターを押してからのタイムラグに泣かされ、会心の撮影とはいかないまでも、まあ、遊びならこれでいいよな、軽いし…、と納得。

やっぱり一眼レフの使いやすさって、すごい。ミラーレスはお手軽だけど、コンデジに近い。

ともかく、ひとりでゆっくり散歩なんて、久しくしていなかったので、いい一日だった。アジサイもきれいだったし。

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このカテゴリーでの投稿、いつ以来なんだろう!!!

昨年の11月、エジプト、パレスチナへ向かう三日前、トラちゃんにしばしの別れを告げに出かけた。

「トラちゃん、二ヶ月ほど日本を留守にするわ。寒いから気をつけてな」と告げると「ニャンだ、そうなのか」とお返事(多分、笑)。

最近、ここ二年くらい、本当に動物園に行く時間が減ってしまった。

疲れたとき、煮詰まったとき、そして忙しいときに限って動物園に行きたくなる。

ああ、トラちゃんに会いたい。

宮古から帰ったらだなー。

久しぶりの、なんだか、どうでもいいつぶやき。

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