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「夜、大学時代にお互い一人旅でヨルダンで出会い、すっかり意気投合してそのままエジプトまで旅を一緒に続けたNが(動物園写真展に)来てくれた。それこそ今よりずっと若くて、蒼くて、下手だった写真から見てくれている友。「ミカっち(と呼ばれている)の写真のラブリーな部分がこんなに出てる作品は初めて。このジャンル、スゲー合ってるんじゃない?ホントにいい写真」と彼。十何年付き合い続けてこんなに褒められたのは初めて(笑)ずっと傍で見てきてくれた人に褒められるのは嬉しいな。仕事が忙しくて会場には来れなかったもう一人の友Tと合流、三人で久々の語り合い。少しずつ歳を重ね、それぞれの夢に向かって歩く同世代の三人組。たまたまあの日、あの時同じ場所を旅していたというだけのきっかけで出会った三人、こんなにも深く長い付き合いになるとは思わなかった。今日は改めて「5年後、また一緒に三人で旅をしよう」と約束した。二十歳やそこらで歩いた場所を四十に手が届く頃、もう一度三人で歩く…とっても楽しみだ。その頃お互いに何をしてるんだろうね!素敵な時間をありがとう」
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実は、ここに書かれたTが、現在のバイト先の上司。昨日、仕事が終わってまた三人で飲みに行った。
やっぱり三人集まると、自分の夢や目標の話、そして旅の話が多くなる。5年後に何処に行こうかと言う話になる。三人とも行ったことがない国がいいんじゃん?…となり…
「バングラデシュ(ワタシ)」「いや、昔行ったけど結構あそこはキツイ(T)」
「ラオス(ワタシ)」「あんまり興味ない(T、N両者)」
「南アフリカ(N)」「治安悪すぎ(ワタシ)」
「フィリピン(T)」「まったく興味湧かない(ワタシ、N両者)」
「モンゴル(T)」「はあ…(溜息ひとつワタシ、N両者)」
「南インド(N)」「うん、悪くない…(ワタシ、T両者)」
「シンガポール(T)」「興味ない!(ワタシ、N両者)」
「中国の奥地ウルムチとかシルクロードの方(ワタシ)」「いいねえ(T)]「行くのが大変そう(N)」
「イエメン(ワタシ)」「すっげーいい!(T、N両者)」
こうしてイエメンに決まりかけたところで…
「中央アジアも捨てがたいなあ」とTが呟く。「実はシルクロード行きたいなあ」ワタシが答える。「青の都ってどこだっけ」とT。「サマルカンドだよね、確か」とワタシが答える。「青の都見に行こうよ、三人で」とT。こうして、ウズベキスタンへ行くことに決まった。勿論、5年後の話。
三人とも、出会ったあの頃とは状況が違う。それぞれに夢と現実の狭間で奮闘している。道は違っても、共通することは「夢はあきらめない」ってこと。どんなにしんどくても、やり遂げること、逃げないことを自分に課してること。だからこそ、こんなにも会っていて、一緒に時間を過ごしていて楽しいし、話はいくらでも続く。
そんな彼らに出会ったころに撮ったエジプトの写真。それぞれがエジプトに向かっていたからこそ出会ったあの日。彼らに出会えたこと、一緒に旅が出来たその「運命」を、心から感謝している。






