世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

カテゴリ: ドバイ立ち寄り紀行

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何処に行っても同じ。

撮りたいのは、出会った人たちの笑顔。

そうやって今まで旅をしてきたし、これからもそうするだろうな。

心をつなぐのは、言葉だけじゃない。

うちのボスが言っていた。

「出会った人たちとコミュニケーションをはかる道具が、自分にとってはカメラだった」と。

深く、頷くワタシ。

ドバイはたった数時間居ただけだけど、色んな国からやってきた、色んな顔した人が、それぞれみんな一生懸命生きている、そんな活力が伝わってきて、とても印象深かった。

全力で生きている人だけが浮かべられる笑顔。

あちこちで、そういう笑顔に出会ったのがドバイだった。

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最近、めっきり自分の顔から笑顔が消えているのが分かる。

年末年始、仕事ばっかりで、おまけに後輩育てに苦慮し、上司たちともどうも上手くいかない。単なる不注意や能力不足から、悪気もなく周りを傷つけまくる上司たちに、意味のない抗議ばかりを繰り返す無駄な日々。

色んなことが、とりあえずひと段落なので、会社から逃げるように三連休を取った。

明日は夜には渋谷のアップリンクで、アフガニスタンのドキュメンタリー映画を観て、ボスのトークショウに参加する予定。その前に、ガザに関する抗議のパレードに出向くか、はたまた同じアップリンクで上映する見逃していたパレスチナのドキュメンタリー映画を観るか、はたまた井の頭自然文化園で行われるツシマヤマネコのガイドトークを聴きに行くか…小さな頭を悩ませている。ガザに関する抗議パレード、魅力的なんだけど、団体行動得意じゃないし、御膳立てされた大海の一滴になるのも…少し抵抗がある。映画「ビリン村の闘い」気になるけど、その後もまた映画だし…。じゃあ、トラちゃん?パレスチナの一大事にトラちゃんとも…決断しにくい。

まあ、明日は明日の風が吹く。

自分の撮りためた写真の中から笑顔の写真を探していて、ふと温かい笑顔の人を思い出した。

秋にエジプトに行った際、ドバイ在住のブログ友だちpinkさんとサラサラさんの御厚意で、ドバイを半日ご案内いただいた。その時にクリークを舟で行き、オールドタウンに連れて行って貰った。そこで出会ったインド人街のおじさん。

インドには行ったことがないので、見るものすべて新鮮なワタシ。カメラを抱え、キョロキョロあたりを見回してばかり。この街で暮らすインド人の心のよりどころ、ヒンドゥー寺院が街中にあった。そこへお参りする人のために、お供え物やお守りなどを売るお店がいくつもあった。

お店のおじさんと目が合った。
「ああ、蓮だ~、キレイ!」
相手が分かる訳もないのに日本語でつぶやくワタシ。にっこり微笑むおじさん。そして彼は、微笑みながらその蓮の花を開いて手渡してくれた。
「あ~り~が~と~~~!」
大感激のワタシ。

そのお店には、ヒンドゥーの神、ジーザス、メッカのカアバ神殿が一緒に描かれたカードが売っていて、ドバイで暮らす人々の寛容さ、奥深さを思い知る。

そして、またひとつドバイが好きになったのだった。

そろそろまた、笑顔に出会う旅がしたいな…。

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テニス青年(笑)の店で朝食を食べた後、水上バスに乗ってオールドスークへ向かった。ドバイの中でも昔ながらの街並みが残る場所。クリークを走る水上バスの上で感じる風が気持ちいい。照りつける日差しも、水の上なら心なしかやわらかく感じる。

船の上でも、同乗者は一見してインド・パキスタン方面と思しき方々ばかり。オールドスークへ上陸しても、使われている言葉は恐らくその辺りの言葉。興味深い。

細工のキレイな服や民芸品を扱う店が並ぶ。そんな中で、pinkさんの目に留まったのがアザーン時計。目覚まし時計で、セットした時間になると「神は偉大なり、礼拝は眠りに勝る~♪」というイスラーム各国でお祈りの時間になるとモスクから聞こえてくるあのアザーンが鳴り出すというもの。エジプトの旅行者の間でもお土産として人気が高かったあの時計がドバイにも!早速値段交渉の末、お買い上げ。pinkさんもニッコリ、時計屋のおやじもニッコリ。買い物は、こういう値段交渉も楽しい。

旅の始めなので、買い物を随分自粛したが、欲しいものがたくさんあったオールドスーク。今度は是非ゆっくり旅の終わりに!

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あまりに膨大な数の写真に途方に暮れる私。思いつくままにアップしていると、話にも写真にも収拾がつかなくなりそうなので作戦変更。出来るだけ時系列でアップしていこうと思う。ある程度目処がつくまでは。そして、ドバイなのにエジプトの書庫ではあまりにドバイに失礼なので、ドバイの書庫も作ってみた。記事が充実するといいのだが…。筆力と気分次第。

今日会社で、一緒に二十日間旅をした後輩から手紙をもらった。
「二十日間のお守りお疲れさまでございました。一人で行っていたら、もっとゆっくり友達にも会えたでしょうに。カイロでブラブラ出来たでしょうに。観光地にもお付き合いくださいましてありがとうございました。アンパンマン(私はアンパンマンが好きなんです…エジプトの旅もアンパンマンのタオルと一緒だった…)のタオル使って下さい」
と、アンパンマンのタオルのプレゼント。不覚にも自分の気遣いのたらなさに反省。そして、後輩の心の優しさにじーん。ああ、後輩よ、気遣いの足りない先輩でごめんな。君と一緒に行ったからこそ行けた場所、見れたものがたくさんある。それを伝えきれない二十日間でごめん。釧路にも一緒に行きたかったと人づてに聞かされて、「釧路くらい一人で行かせろやい」と悪態ついてごめん。他人と長い時間一緒に居ると、窮屈で息苦しくなる私が、珍しく一緒に居てもしんどくならない相手。また何処かへ一緒に行こうな。でも、もうちょっと英語で用たせるくらいになろうや(笑)

ああ、また脱線。

今日は、朝の散歩でpinkさんとサラサラさんにマリーナへ連れて行っていただいたお話。この辺りも建設ラッシュで高層ビルが立ち並ぶ。不動産屋の広告がドーン。建てても建てても次々に買い手がつくとのこと。高層の建設現場で働くお兄さん、おじさん達の姿が目に入る。さすがに上まで写真撮りに行く根性はないけど。被写体としてかなり気になる存在で、上を見上げてばかりいた。そして、このマリーナをカヌーで漕ぎ出して周遊する優雅なひとときを過ごす人を発見。全身から人生を謳歌しているオーラが漂っている。こんな過ごし方もあるんだなあ。

お散歩でボチボチ小腹がすいたので、朝食をとりに出かけた。この時はラマダーンだったので開いている店はごくごく限られている。しーんと静まり返った人の居ない店内で、少し後ろめたさを個人的には感じながらの朝食。美味しいコーヒーが体にしみわたる。

この店内にラケットを持ったテニスプレーヤーが登場???と思いきや、蠅を採るための電気蠅たたき。電流が流れていて、感電死させるための道具。でも、彼がそこらじゅうで振り回すので、料理の上に落ちては来ないかと注視するはめに。とっても爽やかなテニス青年風。

今見ても、結構笑えるな、この写真。

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昨夜、働くオヤジをアップしたばかりなのに…またオヤジの写真とは…「ドバイで何見てたんだ?」っていう突っ込みが聞こえてきそうだ。

ドバイマリーナを散策して、現在の建設ラッシュに沸くドバイをひとしきり眺めた後、朝ごはんをみんなで食べて、向かった先はクリーク。ここから船に乗ってオールドスークへ向かうため。すっかりドバイでの過ごし方をお二人にお任せするつもりだった私も、唯一外せないなと思っていたのがココ。でも、自分から言うまでもなく、pinkさんとサラサラさんは「MESTはここへ行きたがるに違いない!」と事前に読み、優しくお尋ね下さいました。「行きますか?」と。

船に乗ろうと、クリークを歩いていると出会ったオヤジ。一人岸でたたずんでいたその姿が気になった。遠目から一枚写真を撮らせてもらったのだが、それだけでは飽き足らず、どうしても声をかけたくなった。

…が、しかし、ドバイに来て一番悩むのが、何語で話しかければいいのかってこと。深読みし過ぎるうちに、何語も咄嗟に出てこなくなる。アラブ人じゃないからアラビア語でもないし、ヒンズーやウルドゥなんて話せないし、まあ正解は英語でいいんだろうけど…ついつい、日本語で話しかけていた私。

このオヤジには、考える間もなく「モムケン アサウワル?」とアラビア語で話しかけていた。しかもエジプト方言バリバリのアラビア語…。写真撮ってもいいですか?と。

鷹揚にうなずくおやじ。

微笑むでなく、でも、撮られることを嫌がるでもなく、不思議な距離感と心地よさが芽生える瞬間。

「シュクラーン!」ありがとうと言うと、再び鷹揚にうなずく。ドバイでも、エジプトでも変わらないじゃーん…と、急にドバイを近く感じた瞬間。

素敵なオヤジが撮りやすい国、すなわちMEST的楽園(笑)

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