世界の笑顔に出会いたい

写真家・高橋美香のブログ。 公園にいたノラ猫のシロと暮らす。 カメラを片手に世界を歩き、人びとの「いとなみ」を撮影。 著作に『パレスチナ・そこにある日常』『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)『パレスチナのちいさないとなみ』(共著)『パレスチナに生きるふたり ママとマハ』(かもがわ出版) 写真集に『Bokra 明日、パレスチナで』(ビーナイス)

カテゴリ: エジプト 2008

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

ワタシがエジプトの中でも一、二を争うほど好きな街、タンタ。カイロから電車で一時間半くらいのこの街はガーミア・アハマド・バダウィの門前町。アハマド・バダウィの廟に参る参拝者で街はにぎわっていて、一種の聖者信仰(厳密に言うとアッラーのみが信仰の対象なので、この言葉はおかしいのだが、エジプトではサイイダ・ゼイナブやフセインなどを奉るモスクがある)に近いかんじ。このガーミアの中ではズィクルをする人々もいて、静かに座ってここに参る人々の姿をみつめる時間が大好きだ。

この街には、そんな全国各地から、もしくは近隣からの参拝客をあてこんだ、人懐っこい商人が溢れている。街全体の雰囲気が「遠方からのお客さん、ようこそ!!!」という雰囲気に満ちている。だからワタシはこの街に何度も何度も通い続けているし、カイロの安宿で出会う「普通の旅では飽き足らない」旅人にはタンタを強く勧める。外国人観光客には一度も会ったことがないので、普通の観光地と違ってシツコイ客引きなんかもいない。カイロから日帰り小旅行にして、エジプトに一歩深く踏みいれられる街。

去年の今ごろは旅に次ぐ旅で、その後にはドップリと現実が待っていたので、せっかくのエジプト写真もずいぶんお蔵入りしたままだと、今更気付いた。少しずつ、紹介していこう。

説明の要らない街の風景と人の写真ばかり。3枚目は、100円ショップならぬエジプトでも大流行の2.5ポンド(50円くらい)ショップ。若い女性がヘアアクセサリーやちょっとした雑貨を買うために、キャーキャー友達と言いながら品定めをしている…そんな姿は、日本と変わらないなあと思う。

エジプトの旅の楽しさは、やっぱり人である。


写真好きなブログ仲間のこあらさんのところで、こんな素敵な公開方法をみつけたので、試してみました。こあらさん、ありがとう!

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

性懲りもなく(たった一回で懲りてられる身分でもないけど)、またもや某カメラ雑誌編集部に作品の売り込みに行ってきた。先月に続き二度目なので、肩の力が抜けたかと言われるとそうでもない。前回よりももっといいものを持ち込まないと、もう見ても貰えなくなるんじゃないかとか、あんなに好きで好きでたまらないから撮り続けているエジプトの写真ですら、自分が思ってるほど大したもんじゃないんじゃないかとか…色々考えているうちに、段々自信もなくなってくる。

少し重い気持ちでドアを叩いた。今日は前回作品を観て下さった編集長が仕事でいらっしゃらず、前回同様写真家のUさんだけ。早速作品を観て貰った。

開口一番「これ、凄い距離感だね。まるで地元の人が普通に日常を撮ったみたい。ある意味で物凄いことなんだけど、旅の不安感、次に何が起こるか分からない非日常的なヒリヒリ感がないよね。だからって、じゃあ僕がこれを撮れるかと言うと撮れないんだけど(笑)」とUさん。「でもさあ、凄い完成度だね。これだけきっちりまとまっているんだったら、グラビアの仕事をここで単発で貰って見開き2ページじゃ勿体ない。その原稿料では次の作品は作れないだろうし、だったらもっと他の旅関係の雑誌に売り込んで、ページをたくさん割いて貰った方が絶対に次につながる。折角ここまでまとまったものが撮れるなら、これをちゃんと仕事につなげていこうと考えた方がいいよ。色々僕の我儘を言わせて貰ったけど、凄くいいと思う。頑張ってよ」

結局、他の候補者の売り込みも見せてもらえることになって、そのまま他の方への講評や、Uさんの写真談義などを聞かせて貰って、めちゃくちゃ内容の濃い2時間。

「頭ひとつ飛びぬけて世に出て行くためには、まだこれがあるから大丈夫、と変な保険を掛けたりしないで、この作品で駄目だったら自分のすべてが終わってしまうくらいの気持ちで追い込んでいかなきゃ駄目」このUさんの言葉は胸に突き刺さった。自分に一番足りないもの。他の方への言葉もひとつひとつが勉強になり、他の若手の作品を横で一緒に眺めて、それに対する講評を聞くだけでも相当勉強になった。

エジプトで何が撮りたいのか?なぜエジプトなのか?問われても、自分自身が納得いくような答えは必ずしも出ない。ただ、いくら非日常的なヒリヒリ感が足りなくても、このまるでエジプト人の目線のような視点こそが自分のエジプトでの立ち位置であり、距離間であり、うまくそれを強みにしていきたい。そんな視点でこそ撮れる「エジプトの飾らない日常」こそが撮りたいもの。今はそうとしか言いようがないなあ。

さあ、いよいよバイトも決まって、来週アタマからは出勤。フルタイムのシフトでの勤務なのでまた忙しくなる。明日、明後日と長い春休み最後のイベント、札幌一人旅に行ってきます。雨なのがとっても残念なんだけど~!

写真は夜のカフェ遊び、エジプト大衆音楽ライブ演奏と楽しむ人々。

イメージ 1

イメージ 2

ここにワタシのとびきりお気に入りの二枚の写真がある。

一枚は、ワタシが撮った、カイロの街中で出会ったオヤジのポートレイト。

もう一枚は、その様子を横で眺めていたウメコが撮ってくれたもの。

いつも一人旅が多いワタシだけど、後からこういうものを見返すと、誰かと一緒に旅に出るのもいいなあと思う。

この瞬間を、一緒に共有した人がいるなんて、すごいなあ、と。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

ツアーと言えば御土産屋へのご案内、参加者がウメコとワタシの二人しかいないツアーでもそれは同じ…と言うことで、王家の墓の後に連れて行かれたのがお約束のアラバスター(石膏)加工工場。

元々、この辺りクルナ村は、代々古代の遺跡から盗掘をしてそれを売って生計を立てていた人たちが暮らしていた村。近代、オカミの命令によりさすがにそれは禁止され、彼らの子孫はアラバスターなど石や岩を加工したお土産を作って生計を立てている。古代の神々をモチーフにした像とかランプシェードとか。

うっかり足元を見られるとベラボーに吹っかけられるし、そんなに欲しくない振りをして粘り強く交渉を重ね「勝った!今回は!」と思っていても、まだ底値には程遠かったり、なかなか一筋縄ではいかないところ。売っているモノもお約束だし、「要らないんだよなあ、別に」と思いながらも、ここでの売り上げがガイドへのキックバックになるので、ガイドや運転手は必ず連れて行きたがる。まあ、買わない!と決めれば店内はエアコンガンガンで涼しいわ、綺麗なトイレは使えるわ、お茶やハイビスカスティーは飲み放題だわ、いい休憩場所なんだけど。

ところで、このアラバスター工場でいつも楽しみにしているのが、ヘタウマな壁画。エジプトでは、メッカへの巡礼を済ませた人が、巡礼の様子を自分の家に描く(職人に描いてもらう)ハッジペインティングの習慣があるが、そんなテイストの古代の神々、現代の農村の暮らしなどが工場の壁に必ず描かれている。いつか、クルナ村全体のこういう壁画だけを見てまわりたいな…と思っているくらい、これに魅せられている。今回行った工場の壁画もなんとも味のある絵で、店内の商品よりも、もっぱら壁画と職人のオヤジにばかり目を奪われるという(笑)

ワタシがツアーを組むなら、絶対に「クルナ村一日壁画見学ツアー~現地の職人と触れ合う一日~」なんてのを作るけどなあ…。あれ?申込者が居ない?

↑このページのトップヘ