本に逃げたい気持ちを抑え込み、誰にも読まれないかもしれない文章を綴る。PCさえ思い切って開いてしまえば、紹介したい写真さえ選んでしまえば、あとは楽だ。書きたいことは、ヤマほどある。
昨日書いたように、どこにも行けない、撮りたいものを撮れないいまだからこそ、お蔵入りしている過去の写真を掘り出そう、紹介しようと決めた。
もう撮っていたことすら忘れている写真もある。出会ったことさえ忘れているひともいる。十年以上もたてば仕方がないことなのかもしれない。それでも、写真は残っている。あるとき、ふと、痛烈な記憶としてよみがえることもある。
「ひとはなぜ絵を描くのか」ということを、ずっとずっと考えている。どこの国を旅していても、壁に描かれた落書きのような絵が気になる。ここ数年は、そういうものをわざわざ求めて旅に出たりもしていた。ことの始まりは、エジプトのハッジペインティングだったように思う。メッカへの巡礼を済ませたハッジの家に、その記念の絵を描く風習がエジプトにある。その次に意識したのは、間違いなくパレスチナの分離壁と難民キャンプの壁画を見てからだ。
今日ご紹介するのは、デヘイシャ難民キャンプの壁画。ベツレヘムとヘブロンを結ぶ街道沿いにある難民キャンプ。拙著『パレスチナ・そこにある日常』に記した露店雑貨商のハーリッドさんとご家族が暮らすのがこの難民キャンプ。場所柄、「殉教者」(必ずしも戦闘員として戦って亡くなったひとに限らず、巻き込まれたりして殺されたひともシャヒード【殉教者】となる)の壁画が多い。
作家のガッサーン・カナファーニー(『太陽の男たち』など)も暗殺された「殉教者」。



難民としてこのキャンプにたどり着いた方々の出身地を刻む。「消され」てなくなってしまったパレスチナの村々の名前も、忘れないために。


「麻薬は死への道」。ハシーシなどの蔓延は確かにあちこちで耳にする。
壁画は状況や世相をよく表している。パレスチナの難民キャンプのひとたちの置かれた状況が、この壁画からも垣間見える。
最後の一枚は、パレスチナ人が難民となったナクバの象徴のような壁画。「帰還」と記され、パレスチナ難民が帰還を果たすまで振り返らない難民の象徴ともいえるハンダラと難民が故郷の追われた家の鍵をいまだに大切に持ち続け、子孫に伝え続けているということが描かれている。
写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)がお手元にあれば、表紙カバーを外してみてください。この写真をここにあえて配置してくださったのは、この本の企画・デザインをご担当くださったビタミンTeeの石塚善雄さん。ワタシもこの壁画が大好きです。みつめるたびに、ものすごい痛みをおぼえるけれど。
さて、話はガラリと変わるけれど、現在、台東区池之端の「古書ほうろう」さんにて、いつも大人気のクルドのおかあさんのオヤをお取り扱いいただいております。
その経緯なども、しっかりとご紹介くださっているので、ぜひお店のHPをご覧ください。
https://horo.bz/event/kurds-oya202012/
クリスマスプレゼントなどに、ぜひとも。現在拙宅には在庫はございません。すべて古書ほうろうさんにお預けしてお取り扱いいただいているので、お近くの方、また近辺にお越しの方は、お店に足をお運びただければ幸いです。
来週あたりには、同店での新たな企画も、もう少し具体化してお知らせできるかもしれません。同店での写真パネル展を予定しております。お知らせをお楽しみに。(実現させられますように。コロナ次第…であることは、言うまでもありません)
**************************************
▼
現在発売中の『時空旅人別冊 BANKSYバンクシー覆面アーティストの謎』に「バンクシーがパレスチナに残したもの」と題されたフォトエッセイを寄稿しました。
▼
2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。
パレスチナ・オリーブのサイト
読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。
もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。
ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。
★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
アマゾンのページ
★過去の著作★
★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
アマゾン
★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社)
版元の未來社のページ
アマゾン
★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
明日
版元ビーナイスのページ
すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。
著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。
カテゴリ: パレスチナ 2009
ベツレヘム聖誕教会
なんんということか、せっかく治ってきたと思っていた先週の捻挫が、ここ数日の寒さのせいかまた痛みが出てきてしまっている。今日は「ルドン・ロートレック展」に行こうと楽しみにしていたのに、あえなく断念。ポッカリと時間が空いた。
行きたいところがある、会いたいひとがいる、聞かせてほしい話がある、撮りたいものがある…けれど、なにひとつ思うようにならないこの一年近くの日々で、だんだんと心が蝕まれているのが自分でもわかる。無気力、無関心、感性の鈍化、なにをするのも面倒くさい、行動力の低下、その一方で鋭敏になるばかりなのは被害妄想的な感覚。「そこまでの深い意味はないだろう」と心が健全なときなら思える何気ない相手の態度や言葉が、妙に突き刺さる。それが疲れるから、結局ひとりになりたくなる。でも、きっと深層心理では、「ひとりである」ことにも疲れている。
ただ、この一年は本当にひとりで過ごす時間が長くて、本をよく読んだ。もともと本をよく読むが、今年の読書量はいつもとは比較にならない。もし本がなかったら、ワタシはこの日々を乗り切れているだろうか?乗り切れていただろうか?
そんなワタシが今年もっとも読んだのは、キリスト教美術に関する本だろうと思う。もともとエジプト留学時代にコプト美術、イコンが好きだったのが最初のきっかけだったが、眺めて「いいな」と思うのみで、熱心に教会をめぐったり、撮らせてもらったわけでもない。偶然写りこんでいる、偶然撮っているという稚拙なレベルの写真しかない。昔のパレスチナの写真をみても同様だ。いまだったら、もっと熱心に眺めるし、撮らせてもらいたいものがたくさんある。この点は悔いだらけなので、またエジプトやパレスチナに行ける日が来たら、きっと実現させよう。何日も何日もかけて、撮らせてもらいたい。
いままでは、ブログを綴った日時に関係なく、その写真をいつ撮ったかで更新記事をカテゴライズしていたが、この一年どこにも行けず、「パレスチナ2020」「ピロスマニのジョージア」(一例、願望)のような新たなカテゴリーを造れるでもなく、写真家を名乗りながら写真を撮れない、紹介できない情けなさに打ちひしがれながら、ブログを書くということからも遠ざかってしまった。「これではいかん」と、この一年ずっと思っていた。思っているのに、本に逃げてしまう。伝えたいことや見てもらいたい写真は、お蔵入りしたままヤマほど眠っているのに、「誰が見るの?」「どうせ、誰も見ないよ」と思ってしまう気持ちが先に立ち、やめてしまう。誰も見ていなくていいから、たったひとりでも見てくれているひとがいればいいから伝えるという、このブログを始めたころの謙虚で真摯な自分は、どこへ行ってしまったのだろうと思う。
いまの堕落しきった自分に、そんな気持ちを取り戻せるとは思えないけれど、このまま誰にも伝えられないまま埋もれてしまう写真やエピソードのことを思うと、あまりに哀しすぎるじゃないか。
新たなカテゴリーのタイトルを「試行錯誤な日々」と名付けた。でもホントは自分の気持ちにピッタリくるのは「思考錯誤な日々」だと思う。
いつまで続くことやら…と思いながらも、とりあえずのスタート。
今日はスッカリお蔵入りしてしまった2009年撮影ベツレヘムの聖誕教会の写真。なんの思い入れもなく漫然と撮ってしまっているこれらの稚拙な写真を見れば見るほど、再訪して撮りなおしたくなる。いまなら、一枚一枚の絵とイコンと、きっちり時間をかけて向き合う。なぜこれらの絵が描かれたのか、どんな思いで描かれたのか、それらの問いを確かめながら、撮らせてもらいたい。ああ、いつかきっと。
言うまでもなく、イエスキリストの生誕の地とされるのがこの場所。「ローマのコンスタンティヌス大帝の母ヘレナがこの地をイエス生誕の地とし、コンスタンティヌス大帝が325年に教会を建てた。現在の建物は十字軍時代に修復され、要塞化されたもの」(地球の歩き方より)とのこと。
まずは外観。




教会内部。



イコンと絵画の数々。ああ、なんともったいないことをしたのだ。なんでこんな撮り方しかしていないの?と今の自分は思う。














ここが生誕の地とされる地下洞窟。巡礼者が絶えない。



信仰心はないけれど、キリスト教美術にめちゃくちゃ興味あるので、最近はけっこう聖書に書かれた事柄にも親しみを覚えるようになってきた。
ベツレヘム、久しぶりに行きたい。もう何年も行ってない。前回はヘブロンからエルサレムへ向かうのに素通り(乗り換え)しただけ。バンクシーホテルに立ち寄っただけ。ああ、もうすぐクリスマスだ。
**************************************
▼
現在発売中の『時空旅人別冊 BANKSYバンクシー覆面アーティストの謎』に「バンクシーがパレスチナに残したもの」と題されたフォトエッセイを寄稿しました。
▼
2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。
パレスチナ・オリーブのサイト
読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。
もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。
ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。
★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
アマゾンのページ
★過去の著作★
★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
アマゾン
★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社)
版元の未來社のページ
アマゾン
★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
明日
版元ビーナイスのページ
すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。
著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。
行きたいところがある、会いたいひとがいる、聞かせてほしい話がある、撮りたいものがある…けれど、なにひとつ思うようにならないこの一年近くの日々で、だんだんと心が蝕まれているのが自分でもわかる。無気力、無関心、感性の鈍化、なにをするのも面倒くさい、行動力の低下、その一方で鋭敏になるばかりなのは被害妄想的な感覚。「そこまでの深い意味はないだろう」と心が健全なときなら思える何気ない相手の態度や言葉が、妙に突き刺さる。それが疲れるから、結局ひとりになりたくなる。でも、きっと深層心理では、「ひとりである」ことにも疲れている。
ただ、この一年は本当にひとりで過ごす時間が長くて、本をよく読んだ。もともと本をよく読むが、今年の読書量はいつもとは比較にならない。もし本がなかったら、ワタシはこの日々を乗り切れているだろうか?乗り切れていただろうか?
そんなワタシが今年もっとも読んだのは、キリスト教美術に関する本だろうと思う。もともとエジプト留学時代にコプト美術、イコンが好きだったのが最初のきっかけだったが、眺めて「いいな」と思うのみで、熱心に教会をめぐったり、撮らせてもらったわけでもない。偶然写りこんでいる、偶然撮っているという稚拙なレベルの写真しかない。昔のパレスチナの写真をみても同様だ。いまだったら、もっと熱心に眺めるし、撮らせてもらいたいものがたくさんある。この点は悔いだらけなので、またエジプトやパレスチナに行ける日が来たら、きっと実現させよう。何日も何日もかけて、撮らせてもらいたい。
いままでは、ブログを綴った日時に関係なく、その写真をいつ撮ったかで更新記事をカテゴライズしていたが、この一年どこにも行けず、「パレスチナ2020」「ピロスマニのジョージア」(一例、願望)のような新たなカテゴリーを造れるでもなく、写真家を名乗りながら写真を撮れない、紹介できない情けなさに打ちひしがれながら、ブログを書くということからも遠ざかってしまった。「これではいかん」と、この一年ずっと思っていた。思っているのに、本に逃げてしまう。伝えたいことや見てもらいたい写真は、お蔵入りしたままヤマほど眠っているのに、「誰が見るの?」「どうせ、誰も見ないよ」と思ってしまう気持ちが先に立ち、やめてしまう。誰も見ていなくていいから、たったひとりでも見てくれているひとがいればいいから伝えるという、このブログを始めたころの謙虚で真摯な自分は、どこへ行ってしまったのだろうと思う。
いまの堕落しきった自分に、そんな気持ちを取り戻せるとは思えないけれど、このまま誰にも伝えられないまま埋もれてしまう写真やエピソードのことを思うと、あまりに哀しすぎるじゃないか。
新たなカテゴリーのタイトルを「試行錯誤な日々」と名付けた。でもホントは自分の気持ちにピッタリくるのは「思考錯誤な日々」だと思う。
いつまで続くことやら…と思いながらも、とりあえずのスタート。
今日はスッカリお蔵入りしてしまった2009年撮影ベツレヘムの聖誕教会の写真。なんの思い入れもなく漫然と撮ってしまっているこれらの稚拙な写真を見れば見るほど、再訪して撮りなおしたくなる。いまなら、一枚一枚の絵とイコンと、きっちり時間をかけて向き合う。なぜこれらの絵が描かれたのか、どんな思いで描かれたのか、それらの問いを確かめながら、撮らせてもらいたい。ああ、いつかきっと。
言うまでもなく、イエスキリストの生誕の地とされるのがこの場所。「ローマのコンスタンティヌス大帝の母ヘレナがこの地をイエス生誕の地とし、コンスタンティヌス大帝が325年に教会を建てた。現在の建物は十字軍時代に修復され、要塞化されたもの」(地球の歩き方より)とのこと。
まずは外観。




教会内部。



イコンと絵画の数々。ああ、なんともったいないことをしたのだ。なんでこんな撮り方しかしていないの?と今の自分は思う。














ここが生誕の地とされる地下洞窟。巡礼者が絶えない。




信仰心はないけれど、キリスト教美術にめちゃくちゃ興味あるので、最近はけっこう聖書に書かれた事柄にも親しみを覚えるようになってきた。
ベツレヘム、久しぶりに行きたい。もう何年も行ってない。前回はヘブロンからエルサレムへ向かうのに素通り(乗り換え)しただけ。バンクシーホテルに立ち寄っただけ。ああ、もうすぐクリスマスだ。
**************************************
▼
現在発売中の『時空旅人別冊 BANKSYバンクシー覆面アーティストの謎』に「バンクシーがパレスチナに残したもの」と題されたフォトエッセイを寄稿しました。
▼
2019年、フェアトレードでパレスチナからオリーブオイルやザアタル、石鹸、刺繍製品を輸入販売するパレスチナ・オリーブ代表の皆川万葉さんと共著『パレスチナのちいさないとなみ』(かもがわ出版)を出版しました。パレスチナの「おしごと」をテーマにした一冊です。お近くの書店でお取り寄せが可能です。
パレスチナ・オリーブのサイト
読後のご感想もお寄せいただければ幸いです。
ネット上でのご投稿やご感想、レビューなどには #パレスチナのちいさないとなみ をつけてご投稿ください。
もちろん、本に挿しはさまれたハガキや、版元ページのご感想記入欄でも。
ネットでは、下記のリンク先などでご購入いただけます。
★『パレスチナのちいさないとなみ』
版元のかもがわ出版のページ
アマゾンのページ
★過去の著作★
★『それでもパレスチナに木を植える』(未來社)
アマゾン
★『パレスチナ・そこにある日常』(未来社)
版元の未來社のページ
アマゾン
★写真集『ボクラ・明日、パレスチナで』(ビーナイス)
明日
版元ビーナイスのページ
すべて、最寄りの書店でお取り寄せ可能です。
著者のサイン入りをご希望の方は、
mikairv★gmail.com(★を@に)までご一報ください。
ただし、この場合恐れ入りますが、本代と送料実費を頂戴します。
写真展「ボクラ」展示写真紹介23

今日ご紹介する写真は、ながいあいだ、この場所での商業活動が禁じられていて、それが解除されてから、元の場所へ戻ってきた皮革修理加工職人のおじさん。昔2000年に訪ねたときは、まだ多くの商店が軒を連ねていたこの場所も、9年間ですっかり人気の消えた商店街に変わっていた。活気ある中心部は町の北西部へ移ったそうだ。このヘブロン旧市街はH2地区とされ、入植地が侵食、隣接するために、イスラエル側にすべての権限があるとされている。
この入植地に暮らす数百名の入植者を守るために、数千名の兵士が置かれているのは有名な話だ。
おじさんは「いやあ、他に行くところもなかったんだよ」と話した。儲けの出る商売で、他に行くところがあれば新しい店を開いたかもしれないが、そんな余裕のある人ばかりではない。情勢に左右されつつ、ここで生きていくしかないひともたくさんいる。
いつ訪ねても、H2地区はピリピリした街だなと思う。兵士が「パトロール」として道を歩く若い青少年たちを拘束して身分証を検める光景に頻繁に出くわす。少しでも反抗的な態度をとれば、街の真ん中にある基地へとすぐさま連行される。入植者は武装が許されており、ライフルを肩にかけて歩いていたりする。ヘブロンはそんな街だ。
*********************************************
写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」
日時:8月25日(火)~9月7日(月)
10時~19時
場所:福山市中央図書館まなびの館ローズコム
1F展示コーナー
福山市霞町1-10-1
入場無料
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/chubushogai/1823.html
「ボクラ」のプロデューサー石塚さんのお店ビタミンTeeにより、「ボクラ」に収められた写真のすべてがTシャツにもトートバッグにもなります。
(サイズや値段など詳細はおたずね下さい)
http://www.vitamin-tee.jp/
大好評!!!ビタミンTeeより「ボクラ」の図柄の新商品、グリーティングカード登場!
http://www.vitamin-tee.com/boyaki/2015/07/29/81.html
「パレスチナ・そこにある日常」(未来社)のご注文もお待ちしております。
アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%83p%83%8C%83X%83%60%83i%81E%82%BB%82%B1%82%C9%82%A0%82%E9%93%FA%8F%ED&x=10&y=21
写真展「ボクラ」展示写真紹介5

昨日は、武蔵関のブレヒトの芝居小屋に「東アジアのヤスクニズム展」を観に、イベント「アートとヤスクニズム」を聴きに行ってきた。金城実さんが登壇者のひとり。
ホンソンダム氏の連作「靖国の迷妄」は圧倒的だった。素晴らしかった。いかに国が用意する「愛国」の「美学」が薄っぺらいものなのかを洪氏は一連の作品を通して問うている。いまのような時代だからこそ、観るべきもの。
実さんは、登壇前からずっと「仕掛けて」いた。戦前と戦中を通して、なぜアートが、アーティストが戦争へとからめとられていったのか、その反省はなされたのか?その反省を抜きに語られる「上段に構えた」「現代アート」とは何か?と。実さんらしい「挑発」。ただ、前半は、その「挑発」がまったく他の登壇者の方々とかみ合わず、実さんの「真意」を知らないひとには、ただの「自分が喋りたいクレーマーじーさん」のように映っていたのが残念だった。実さんは「ケンカ」を仕掛けて、その「ケンカ」を正面から買うひとを大切にする。その「ケンカ」=議論から問いかけ、答えを導き出していくという手法ををよくとる。しかし、それが空回りしていたのが残念でならない。「権威」を嫌い、ひとを考えない生きもの、権威のための「コマ」とされてった戦争と、その戦争への反省のなさと、「ヤスクニ」を問い続けている金城実。それこそが、彼の作品づくりの原動力なのだが。いまこそ、この問いかけは重要だと感じるのだが。。。
さてさて、ようやく本題。
今日からいよいよ写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」がスタート。
昨日は、ナーブルス南東、シロとマアレエフライムに挟まれたドゥーマで過激な入植者によって「復讐」と壁に書かれ、あるパレスチナ人一家の家に火がつけられた。そして一歳半の赤ちゃんアリー君が生きたまま焼き殺されるという事件が起きた。イスラエル政府はすぐにこの行為を「テロ」であると非難した。しかし、この国の「自衛」の名のもとにおこなわれる一般市民の殺戮は「テロ」ではないのか?と思う。また、つい先日もべトエル入植地で「違法」なアウトポストを撤去するとして入植者と当局の対立があったが、そのほかの入植地は「違法」ではないのか?と問いたくなる。どちらも、根本的には同じ問題。この国の「安全保障」最優先の「自衛」と「道徳観」と「法」のもとに分けられる合法、非合法。
今日ご紹介する写真は、もっとも激しく強制立ち退きと家屋破壊が進められる東エルサレム、シルワンの破壊された住居あと。人々は政府が求めるかたちでの「所有権」を明らかにできず、立ち退きを迫られる。代替地があるわけでも補償があるわけでもなく、このような措置はアラブ系住民の居住区にしかとられない。エルサレムのアラブ人口の比率を下げるため、少しでも既成事実としての「エルサレムのユダヤ化」を進めるため。
この場所にたどり着き、話を聞かせてもらったいきさつは、拙著「パレスチナ・そこにある日常」に書いているので、そちらをご参照ください。
*******************************************
写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」を開催することになりました。
日時:8月1日(土)~9日(日)11時から18時(最終日は16時まで)
場所:NMCギャラリー&スタジオ
小平市小川西町4-14-27
西武国分寺線・拝島線 小川駅西口下車徒歩二分
入場無料
8月2日(日)14時から
松尾賢(ウード)、地主大介(ダラブッカ)両氏による投げ銭アラブ音楽ライブ
会場では、日本で暮らすクルド難民のおかあさんがつくったオヤのネックレス、スカーフ、ピアス、ブレスレット、ストラップも販売予定です
会場で、3月に発売した写真集「ボクラ」も販売予定です。
http://benice.co.jp/blog/?p=2712
「ボクラ」のプロデューサー石塚さんのお店ビタミンTeeにより、「ボクラ」に収められた写真のすべてがTシャツにもトートバッグにもなります。
(サイズや値段など詳細はおたずね下さい)
http://www.vitamin-tee.jp/
そして本日、写真展会場にて初お目見え!
ビタミンTeeより「ボクラ」の図柄の新商品、グリーティングカード登場!
http://www.vitamin-tee.com/boyaki/2015/07/29/81.html
写真展「ボクラ」展示写真紹介4

この写真はメチャクチャ懐かしい思い出の光景。
ナーブルスの衣料品市場で偶然にもそこで屋台の子供服屋を出している青年ムハンマドと仲良くなった。そのムハンマドの自宅がナーブルス郊外のバラータ難民キャンプで、仕事を急遽終えて、ムハンマドがボロボロの車に乗せて「バラータを案内してやるよ」と言ってくれたのだった。
前にも書いたし、拙著「パレスチナ・そこにある日常」のなかでも書いたけれど、ムハンマドは若かりし頃武装組織の一員と誤認逮捕され、否認を続けると拷問に遭わされた。彼の首の後ろから背中にかけては大きな傷跡が残る。バラータは、武装抵抗組織の力も強く、頻繁にイスラエル軍の侵攻や「捜索」がおこなわれる。そんな「名高い」難民キャンプのひとつ。
ムハンマドは奥さんと息子さんを紹介してくれ、奥さんには「是非うちに泊まっていって」とお誘いをいただく。とてもにこやかで穏やかな三人家族。ムハンマドは「もう昔のことはいいんだ」と言う。
難民キャンプを歩き(この写真はそんななかで撮られた一枚。ムハンマドの家の近所の子たち)、キャンプの屋台で買い食いを楽しみ、ロバ好きなワタシのために農場でロバに乗り(乗馬ならぬ乗ロバ)、ムハンマドは「せっかくだからとびきりキレイなところを見せてやるよ」とオンボロ車を駆って丘をいくつも越え、鉱泉に連れて行ってくれた。
日差しが強くて、暑い一日だった。あの日のことを思い出すと、あのギラギラした日差しのことを思い出す。
*******************************************
写真展「ボクラ・明日、パレスチナで」を開催することになりました。
日時:8月1日(土)~9日(日)11時から18時(最終日は16時まで)
場所:NMCギャラリー&スタジオ
小平市小川西町4-14-27
西武国分寺線・拝島線 小川駅西口下車徒歩二分
入場無料
8月2日(日)14時から
松尾賢(ウード)、地主大介(ダラブッカ)両氏による投げ銭アラブ音楽ライブ
会場では、日本で暮らすクルド難民のおかあさんがつくったオヤのネックレス、スカーフ、ピアス、ブレスレット、ストラップも販売予定です
会場で、3月に発売した写真集「ボクラ」も販売予定です。
http://benice.co.jp/blog/?p=2712
「ボクラ」のプロデューサー石塚さんのお店ビタミンTeeにより、「ボクラ」に収められた写真のすべてがTシャツにもトートバッグにもなります。
(サイズや値段など詳細はおたずね下さい)
http://www.vitamin-tee.jp/
そして本日、ビタミンTeeより「ボクラ」の図柄の新商品、グリーティングカード登場!
http://www.vitamin-tee.com/boyaki/2015/07/29/81.html